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公開番号
2023175639
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2023-12-12
出願番号
2023079726
出願日
2023-05-12
発明の名称
高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法及びその製品
出願人
江南大学
,
JIANGNAN UNIVERSITY
,
泰州安井食品有限公司
代理人
個人
主分類
A23L
3/365 20060101AFI20231205BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法及びその製品を提供する。
【解決手段】冷凍のすり身を原料とし、解凍、擂り潰し、塩切り、乳化、混合・チョッピング及び加熱成型などのステップを含む、高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法及びその製品を開示する。ここで、乳化は、ピカリング・エマルジョンの調製に関し、まず、大豆分離蛋白質の水相分散液と植物油とを、一定の比率で高速均質化により乳化することによって、安定した大豆分離蛋白質のエマルジョンを形成し、その後、エマルジョンに親水コロイドを添加し、再び高速均質化することにより乳化し、安定した大豆分離蛋白質-親水コロイドのエマルジョンを形成する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法であって、
冷凍のすり身を中心温度-3~2℃に解凍するステップ、
解凍したすり身をチョッパー・ミキサーに入れ、1000~3000r/minで2分間
チョッピングする擂り潰しステップ、
擂り潰したすり身に塩を加え、1000~3000r/minで2分間チョッピングし続
ける塩切りステップ、
水、植物油、大豆分離蛋白質及び親水コロイドを用いてピカリング・エマルジョンを調製
して、塩切りしたすり身に加える乳化ステップ、
上記混合物を1000~3000r/minで3分間チョッピングし続けることによって
、乳化すり身ゾルを得る混合・チョッピングステップ、及び
乳化すり身ゾルを2段式加熱成型用の金型に入れ、水浴中で30分間加熱し、その後90
℃で30分間加熱することによって、熱成形した乳化すり身ゲルを得る加熱成型ステップ
を含むことを特徴とする、高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記擂り潰し、塩切り、混合・チョッピング過程の温度をいずれも10℃以下に制御する
ことを特徴とする、請求項1に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上さ
せる方法。
【請求項3】
前記擂り潰しステップには、解凍したすり身をチョッパー・ミキサーに入れ、1000~
3000r/minで1分間チョッピングし、30秒間休止した後、同じ条件下で1分間
チョッピングし続ける過程が含まれることを特徴とする、請求項1または2に記載の高水
分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法。
【請求項4】
前記塩切りステップにおいて、塩の添加量は、擂り潰したすり身の総質量の1.5%~3
.0%であることを特徴とする、請求項3に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安
定性を向上させる方法。
【請求項5】
前記乳化ステップにおいて、植物油には、大豆油、ヒマワリ種子油及び落花生油の1種以
上が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安
定性を向上させる方法。
【請求項6】
前記乳化ステップにおいて、親水コロイドには、アルギン酸ナトリウム、こんにゃくグル
コマンナン及びカラギーナンの1種以上が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の
高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法。
【請求項7】
前記ピカリング・エマルジョンの製造には、
水相に大豆分離蛋白質を添加し、4℃で2時間磁気撹拌することによって、大豆分離蛋
白質の水相分散液を得るステップ、
大豆分離蛋白質の水相分散液と植物油とを混合し、8000~15000r/minで
1~3分間均質化することによって、安定した大豆分離蛋白質のピカリング粗エマルジョ
ンを得るステップ、及び
粗エマルジョンに親水コロイドを添加し、8000~15000r/minで1~3分
間均質化を継続することによって、安定した大豆分離蛋白質-親水コロイドのピカリング
・エマルジョンを得るステップが含まれることを特徴とする、請求項1に記載の高水分乳
化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法。
【請求項8】
大豆分離蛋白質の添加量は、添加した水相質量の1%~5%であり、磁気撹拌の回転速
度が300~500r/minであり、
大豆分離蛋白質の水相分散液と植物油の混合比が質量比で2:1~4:1であり、
親水コロイドの添加量は、安定した大豆分離蛋白質のピカリング・エマルジョン質量の
0.1%~2%であることを特徴とする、請求項7に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結
・融解安定性を向上させる方法。
【請求項9】
前記の混合・チョッピングステップには、
塩切り後のすり身を1000~3000r/minで1分間チョッピングし、30秒間
休止した後、同じ条件下で1分間チョッピングし続け、30秒間休止した後、同じ条件下
で1分間チョッピングし続け、合計3分間チョッピングすることによって、乳化すり身ゾ
ルを得るステップが含まれ、
前記乳化において、塩切り後のすり身とピカリング・エマルジョンの質量比が1:1~
3:1であることを特徴とする、請求項1に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安
定性を向上させる方法。
【請求項10】
4回の凍結・融解サイクルを経た後、保水力が78.86%~85.57%で、汁損失
率が1.10%~2.20%であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記
載の方法で製造された高水分乳化すり身ゲルの製品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水産加工技術分野に属し、特に高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向
上させる方法及びその製品に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、すり身及びすり身製品は、水産物加工の中で産業化と規模化の程度が最も高い製
品の1つになっており、すり身及びすり身製品の加工は、水産物加工率と産業利益の向上
に重要な役割を果たしている。現在、市販されているすり身製品は、主に水分含有量が少
なく、でんぷん含有量が多い冷凍調理品であり、その多くは硬く、食感が悪い。これに対
し、すり身を乳化させた「魚丸コンソメスープ」、「魚丸サンド溝」及び「魚丸四珍」は
、口当たりがなめらかで柔らかい食感と新鮮な味わいで消費者に人気がある。しかし、こ
のような乳化すり身製品は、水分含有量が高く、長期冷凍や凍結・融解過程に汁流失や蛋
白質の凍結変性が発生しやすく、食味の低下を招き、貯蔵の困難が大きく、現在でも手作
業加工のレベルにあり、遠距離の流通と販売が困難な状況である。従って、口当たりがな
めらかでやわらかい伝統的な特徴のある乳化すり身ゲル製品の工業化生産を実現し、その
凍結・融解安定性を向上させることは、重要な現実的意義を持っている。
【0003】
すでに開示されている文献において、公開番号がCN106332952Aである特許「
冷凍すり身の冷凍耐性を改善する方法」には、すり身の冷凍耐性を改善するための複合凍
結防止剤(トレハロース、乳酸ナトリウム、ビタミンC、グルコース、ジ酢酸ナトリウム
及びマルトデキストリン)が開示されている。公開番号がCN109007779Bの特
許「冷凍すり身用複合保水剤及びその調製方法と応用」には、冷凍すり身の保水力を向上
させ、すり身の解凍・凍結時のドリップロスを低減させるために、動的高圧マイクロジェ
ットで調製した複合均質の保水剤(カラギーナンオリゴ糖リポソーム、大豆分離蛋白質、
カゼインナトリウム、スクロースエステル、マルトデキストリン及びジ酢酸ナトリウム)
が開示されている。
【0004】
しかし、上記に開示された特許は、冷凍すり身の冷凍保存過程における蛋白質の冷凍変性
や生すり身の保水力の向上を目的としているが、加熱成型された高水分乳化すり身製品の
低い冷凍・解凍安定性に対する解決法についてはあまり報告されておらず、この問題に対
して効果的に解決されていないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本セクションの目的は、本発明の実施形態の一部の態様を概説し、一部の好ましい実施形
態について簡潔に説明することである。このセクション、明細書の概要及び発明の名称の
目的を不明瞭にしないために、このセクション、本願の明細書の概要及び発明の名称にお
いて、いくつかの簡略化または省略がなされることがあり、このような簡略化または省略
は、本発明の範囲を限定するために使用することができない。
【0006】
本発明は、上記の問題点及び/または従来技術に存在する問題点に鑑みて提案されたも
のである。
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来技術における欠点を克服し、高水分乳化すり身ゲルの
凍結・融解安定性を向上させる方法を提供することである。
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性
を向上させる方法の技術的解決策を提供する。
前記方法には、
冷凍のすり身を中心温度-3~2℃に解凍するステップ、
解凍したすり身をチョッパー・ミキサーに入れ、1000~3000r/minで2分間
チョッピングする擂り潰しステップ、
擂り潰したすり身に塩を加え、1000~3000r/minで2分間チョッピングし続
ける塩切りステップ、
水、植物油、大豆分離蛋白質及び親水コロイドを用いてピカリング・エマルジョンを調製
して、塩切りしたすり身に加える乳化ステップ、
上記混合物を1000~3000r/minで3分間チョッピングし続けることによって
、乳化すり身ゾルを得る混合・チョッピングステップ、及び
乳化すり身ゾルを2段式加熱成型用の金型に入れ、水浴中で30分間加熱し、その後90
℃で30分間加熱することによって、熱成形した乳化すり身ゲルを得る加熱成型ステップ
とが含まれる。
【0009】
本発明に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法の好ましい実
施態様として、前記擂り潰し、塩切り、混合・チョッピング過程の温度をいずれも10℃
以下に制御する。
【0010】
本発明に記載の高水分乳化すり身ゲルの凍結・融解安定性を向上させる方法の好ましい実
施態様として、前記擂り潰しステップには、解凍したすり身をチョッパー・ミキサーに入
れ、1000~3000r/minで1分間チョッピングし、30秒間休止した後、同じ
条件下で1分間チョッピングし続ける過程が含まれる。
(【0011】以降は省略されています)
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