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公開番号2024063779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2023183861
出願日2023-10-26
発明の名称熱伝導性シリコーン組成物
出願人ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
代理人弁理士法人信栄事務所
主分類C08L 83/07 20060101AFI20240502BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】シリコーンマトリックス及び熱伝達フィラーを含む熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】シリコーンマトリックスは、1分子当たり2個のケイ素結合末端アルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンと、トリメチルシロキサン末端(メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン)コポリマーと、シリコーンマトリックスの総重量に基づいて少なくとも約20重量%の重量パーセントで存在するトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンと、を含む。熱伝達フィラーは、少なくとも約10W/mKの熱伝導率を有するセラミック粉末を含有し、熱伝達フィラーとシリコーンマトリックスとの間の重量比は、11:1を超える。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
シリコーンマトリックスであって、
成分(A)-1分子当たり2個のケイ素結合末端アルケニル基を含有し、約70,000g/モル未満の分子量及び25℃で約250cSt~約15,000cStの範囲の動粘度を有する、ポリオルガノシロキサンと、
成分(B)-約15%~約50%のメチルヒドロシロキサンを含むトリメチルシロキサン末端(メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン)コポリマーであって、前記コポリマーに含有されるケイ素結合水素原子の数は、成分(A)中に含有されるアルケニル基当たり0.1~0.5個である、コポリマーと、
成分(C)-約5,000g/モル~50,000g/モルの範囲の分子量及び25℃で約50cSt~約1,000cStの範囲の動粘度を有し、前記シリコーンマトリックスの総重量に基づいて少なくとも約20重量%の重量パーセントで存在する、トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンと、を含む、シリコーンマトリックスと、
熱伝達フィラーであって、
約100μm未満の平均粒径を有する少なくとも約40重量%の酸化アルミニウム(Al



)を含む、少なくとも約10W/mKの熱伝導率を有するセラミック粉末を含む、熱伝達フィラーと、を含む、熱伝導性シリコーン組成物であって、
前記熱伝達フィラーと前記シリコーンマトリックスとの間の重量比は、11:1を超える、熱伝導性シリコーン組成物。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記シリコーンマトリックスは、成分(A)と成分(B)との間のヒドロシリル化反応のための触媒を更に含む、請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
前記触媒は、白金、ロジウム、パラジウム、塩化白金、クロロ白金酸、並びにこれらの塩及び錯体からなる群から選択される、請求項2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項4】
前記触媒は、白金1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を含む、請求項3に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項5】
前記白金族金属は、前記シリコーンマトリックスの総重量に基づいて、約0.1ppm~約100ppmの範囲の量で存在する、請求項3又は4に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項6】
前記シリコーンマトリックスは、成分(A)と成分(B)との間のヒドロシリル化反応の阻害剤を更に含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項7】
前記阻害剤は、不飽和炭化水素モノエステル、不飽和炭化水素ジエステル、エチレン性又は芳香族性の不飽和アミド、アセチレン化合物、シリル化アセチレン化合物、エチレン性不飽和イソシアネート、オレフィンシロキサン、ビニルシクロシロキサン、フマレート/アルコール混合物、共役エン-イン、ジアジリジン、エチニル及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項8】
前記阻害剤は、マレイン酸ジメチルを含む、請求項7に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項9】
前記阻害剤は、前記シリコーンマトリックスの総重量に基づいて、約0.5ppm~約500ppmの範囲の量で存在する、請求項6~8のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項10】
前記阻害剤と前記触媒との間のモル比は、約0.25:1~約20:1の範囲である、請求項6~9のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、シリコーンマトリックス及び熱伝達フィラーを含む熱伝導性シリコーン組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
熱伝導性シリコーン組成物は、電子デバイスにおいて、構成部品及び周囲の機器から熱を放散させるために広く使用されている。現代のデバイスは、それらの小型サイズ及び高出力に起因してかなりの量の熱を発生する。電子部品の損傷を防止し、機器の耐用年数を延ばし、エネルギー消費を低減するために、デバイスの温度を下げることが重要である。また、発熱する電子部品と放熱するヒートシンクとを接合した場合であっても、(例えば、顕微鏡レベルでの接合面間の凹凸及び隙間に起因して)接合面間の不整合が生じ、空気層が形成されて十分な放熱を妨げるおそれがある。したがって、熱伝導性シリコーン組成物は、典型的には、発熱構成部品とヒートシンクとの間に追加される。
【0003】
熱伝導性シリコーン組成物は、一般に、とりわけ、加熱又は触媒の使用などの物理的及び/又は化学的手段によって硬化され得る硬化性ポリオルガノシロキサン系マトリックスを含有する。硬化は、典型的には、完全に又は部分的に架橋されたシリコーンポリマーの形成をもたらす。熱伝導性シリコーン組成物は、ポリマーシリコーン自体が十分に熱伝導性ではないため、熱伝達フィラーを更に含んでもよい。とりわけ、アルミニウム、銅、ニッケル、アルミナ、酸化チタン、及び窒化ホウ素などの様々なセラミック粉末及び金属粉末を熱伝達フィラーとして使用してもよい。熱伝達フィラーは、均一な熱放散を可能にするために、シリコーンマトリックス全体にわたって均一に分散されてもよい。硬化組成物は、ペースト、硬化パッド、ゲル、接着剤、ギャップフィラー、相変化物質、及びグリースを含む様々な形態で使用してもよい。特定の製品の選択は、温度を制御する必要がある電子部品及び所望の分注方法に依存する。
【発明の概要】
【0004】
以下に、開示される態様の簡略化された概要を、これらの態様の基本的な理解を提供するために提示する。本概要は、これらの態様の包括的な概説ではない。鍵となる要素若しくは重要な要素を特定すること、又は本開示の範囲を叙述することは、意図されていない。
【0005】
本開示の態様は、シリコーンマトリックス及び熱伝達フィラーを含む熱伝導性シリコーン組成物、並びにその組成物成分を混合及び/又は硬化することによって得ることができるサーマルペーストに関する。更に、サーマルペーストを含む電子部品又は電子デバイスが提供される。本発明の原理による熱伝導性シリコーン組成物は、向上した熱伝導性及び流動性によって特徴付けられ、複数の用途設定における便利な取り扱い、並びに効率的な熱放散能力を提供する。熱伝導性シリコーン組成物は、改善された接着性及び向上した経時的安定性を更に提供してもよく、それによって、当該組成物を使用する電子デバイスの長寿命化を可能にする。本明細書で使用する場合、用語「熱伝達フィラー」は、シリコーンマトリックスへの添加剤を意味し、添加剤は、シリコーンマトリックスの熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有する。
【0006】
熱伝導性組成物によって好ましくは満たされるべき2つの主な条件は、高い熱伝導率及び高い流動度(flow rate)である。高い熱伝導率は、成分中の熱伝達フィラーの相対量を増加させることによって達成してもよい。しかしながら、組成物の固形物含有量を増加させることは、典型的には、流動性の低下をもたらし、その展延性及び他の取り扱い関連特性に悪影響を及ぼす。本発明の発明者らは、驚くべきことに、硬化性成分の硬化(例えば、架橋)に関与しない不活性シリコーン系成分のシリコーンマトリックスへの添加が、組成物の流動度を低下させることなく、実質的に多量の熱伝達フィラーの使用を可能にすることを見出した。
【0007】
シリコーンマトリックスは、1分子当たり2個のケイ素結合末端アルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン(成分(A))と、トリメチルシロキサン末端(メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン)コポリマー(成分(B))と、シリコーンマトリックスの不活性シリコーン系成分であるトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(成分(C))と、を含む。成分(C)は、シリコーンマトリックスの総重量に基づいて、少なくとも約20重量%の重量パーセントで存在する。
【0008】
熱伝導性シリコーン組成物の流動性は、シリコーンマトリックスのポリマー成分の特性、例えば、それらの分子量又は動粘度に依存し得る。例えば、成分(A)は、約70,000g/モル未満の分子量及び25℃で約250cSt~約15,000cStの範囲の動粘度を有してもよく、成分(C)は、約5,000g/モル~50,000g/モルの範囲の分子量及び25℃で約50cSt~約10,000cStの範囲の動粘度を有してもよい。
【0009】
成分(B)は、約15%~約50%のメチルヒドロシロキサンを含んでもよく、その中に含有されるケイ素結合水素原子の数は、成分(A)に含有されるアルケニル基当たり0.1~0.5個であってもよい。
【0010】
熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率は、熱伝達フィラーのタイプ及び相対量を選択することによって制御してもよい。本発明の原理による熱伝導性シリコーン組成物中の熱伝達フィラーとシリコーンマトリックスとの間の重量比は、11:1を超える。熱伝達フィラーは、少なくとも約10W/mKの熱伝導率を有するセラミック粉末を含む。セラミック粉末は、少なくとも約40重量%の酸化アルミニウム(Al



)を含む。酸化アルミニウム粉末は、約100μm未満の平均粒径を有してもよい。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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