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公開番号2024031086
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134404
出願日2022-08-25
発明の名称ベーカリー食品用組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品
出願人株式会社ニップン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A21D 2/18 20060101AFI20240229BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】モチ感付与性澱粉質を使用しても、作業性が良好なベーカリー食品用生地を得ることができるベーカリー食品用組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物を使用することで上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、
モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、
増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、
小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記モチ感付与性澱粉質原料が、モチ種穀粉と、モチ種澱粉と、タピオカ澱粉とからなる群から選択される1以上である、請求項1に記載のベーカリー食品用組成物。
【請求項3】
前記タピオカ澱粉が、ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、ヒドロキシアジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉からなる群から選択される1以上である、請求項1又は2に記載のベーカリー食品用組成物。
【請求項4】
前記増粘多糖類が、キサンタンガム及び/又はグアガムある、請求項1~3のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物を含有する、ベーカリー食品用プレミックス。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物または請求項5に記載のベーカリー食品用プレミックスを含むベーカリー食品用生地。
【請求項7】
請求項6に記載のベーカリー食品用生地を焼成してなるベーカリー食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はベーカリー食品用組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品に関するものである。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
ベーカリー食品とは、一般には小麦粉を主体とする穀粉にイースト及び又は膨張剤と各種の副資材とを加えて水分と共に混捏して生地を調製し、適度な大きさ及び形状の生地に分割成型し、加熱して得られる多孔質性の食品のことであり、そのような食品としてパン類、パンケーキ類、ワッフル類、ペイストリー類、バターケーキ類等が挙げられる。近年、食の多様化が進み、モチモチとした食感のベーカリー食品が求められるようになってきた。
モチモチとした食感のベーカリー食品を得るためには、その原料としてモチ米等のモチ種穀粉やモチ種作物から分離精製されたモチ種澱粉あるいは変性又は未変性タピオカ澱粉が使用されるのが一般的である。モチ種穀粉類やモチ種澱粉、タピオカ澱粉の配合割合を高くするとモチモチとした食感が強くなるが、その反面、配合割合が高くなるに伴って生地のベタツキが生じ、生地成型時の作業性が悪くなる(具体的には切刃や抜型に生地が付着してシートカットに難が生じる)という問題があった。
モチモチとした食感のベーカリー食品について、特許文献1には、もち米粉、リン酸架橋タピオカ澱粉、グルコマンナン粉及び水を含有するもち様食品を、パン生地に練り込み、これを焼成してなることを特徴とするパンが開示されており、多加水でありながら、パン皮が薄いパリパリのクラスト仕上がり、口に含むと粘りのある噛みごたえのもちもち感を有した内層のフランスパンが得られることが記載されている。しかしながら、うるち米粉及び増粘剤を使用すること、作業性が改善されることには触れられていない。
また特許文献2には、グルコマンナン又はこんにゃく粉と、キサンタンガムを含有する米粉製品用品質改良剤が開示されており、穀粉が米粉からなる米粉パンの歯切れや弾力が良好になり、老化が抑制されることが記載されている。しかしながら、モチ種澱粉質原料を使用したベーカリー食品の食感と作業性の改善に関する記載も示唆もない。
さらに特許文献3には、小麦粉、損傷澱粉量が15質量%以上の米粉、並びにヒドロキシプロピル化澱粉及び/又はアセチル化澱粉を含むベーカリー製品用組成物が開示されており、ベーカリー製品としての十分なボリュームと、和菓子のような粘りのあるもちもち感との両方を有するベーカリー製品を作業性良く製造することができることが記載されている。しかしながら、モチ種澱粉質原料を使用した場合の作業性の改善に関する記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-123392号公報
特開2013-123421号公報
特開2018-153127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モチ感付与性澱粉質を使用しても作業時の良好な生地性を有し、また焼成後の良好な食感を有するベーカリー食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、ベーカリー食品に、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、前記モチ感付与性澱粉質原料が、モチ種穀粉と、モチ種澱粉と、タピオカ澱粉とからなる群から選択される1以上であり、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物を使用することで作業時の良好な生地性を有し、また焼成後の良好な食感を有するベーカリー食品が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物。
[2]前記モチ感付与性澱粉質原料が、モチ種穀粉と、モチ種澱粉と、タピオカ澱粉とからなる群から選択される1以上である、前記[1]の、ベーカリー食品用組成物。
[3]前記タピオカ澱粉が、ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、ヒドロキシアジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉からなる群から選択される1以上である、前記[1]又は[2]に記載のベーカリー食品用組成物。
[4]前記増粘多糖類が、キサンタンガム及び/又はグアガムある、前記[1]~[3]のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物。
[5]前記[1]~[4]のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物を含有する、ベーカリー食品用プレミックス。
[6]前記[1]~[4]のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物または請求項[5]に記載のベーカリー食品用プレミックスを含むベーカリー食品用生地。
[7]前記[6]に記載のベーカリー食品用生地を焼成してなるベーカリー食品。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、モチ感付与性澱粉質を使用しても作業時の良好な生地性を有し、また焼成後の良好な食感を有するベーカリー食品を提供することが出来る。例えば作業時に生地の成形時にべたつきがなく容易にカットすることができ、焼成後にはモチモチとした弾力がある食感のベーカリー食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明のベーカリー食品用組成物はモチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなる。
【0008】
本発明において、モチ感付与性澱粉質原料としては、一般に食品の食感にモチモチ感を付与する澱粉質原料であれば何れも適用することができる。そのような原料としては、もち米粉、もち大麦粉等のモチ種穀粉;モチ種米澱粉、モチ種小麦澱粉、モチ種大麦澱粉等のモチ種澱粉;タピオカ澱粉が挙げられる。モチ感付与性澱粉質原料を使用することにより、ベーカリー食品にモチモチとした食感を付与することができる。
ここで「タピオカ澱粉」は未処理のタピオカ澱粉及びその変性澱粉等を意味する。そのようなタピオカ澱粉としては、ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、酸化タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉が挙げられる。本発明においてタピオカ澱粉は好ましくはヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、ヒドロキシアジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉からなる群から選択される1以上である。ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷ゆり、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷ゆり8、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷きんもくせい、アセチル化タピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷さくらが挙げられる。
【0009】
本発明において、うるち米粉は、含まれているデンプンの成分割合がもち米粉と異なる。もち米粉は、アミロペクチンのみでアミロースを含んでいないのに対し、うるち米粉はアミロースとアミロペクチンをおおよそ2:8で含む。
本発明のベーカリー食品用組成物において、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量は0.2~3.8であり、好ましくは0.15以上であり、より好ましくは0.38以上であり、更に好ましくは2.0以上であり、また、好ましくは3.6以下であり、より好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは1.7以下である。この範囲であれば、生地のベタツキが改善され、生地を良好に成型することができ、モチモチとした食感のベーカリー食品を得ることができる。
【0010】
本発明において、小麦粉は、一般に製パンに使われる原料であれば何でも適用することができる。そのような原料としては、主には強力粉であるが、中力粉や薄力粉も使用できる。小麦の品種や産地は特に限定されない。
本発明のベーカリー食品用組成物における小麦粉の含有率は、ベーカリー食品用組成物に含まれるモチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、更に好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは77質量%以下であり、より好ましくは72質量%以下であり、更に好ましくは60質量%以下である。この範囲であれば、生地のベタツキが改善され、生地を良好に成型することができ、モチモチとした食感のベーカリー食品を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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