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公開番号2025101537
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023218451
出願日2023-12-25
発明の名称積層材のリサイクル方法、リサイクル組成物及び車両内装材用積層材の製造方法
出願人龍田化学株式会社
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類B29B 17/00 20060101AFI20250630BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】塩化ビニル系樹脂表皮材、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材の廃材の廃棄量を低減しつつ、良好な表面性や成形性を有する塩化ビニル系樹脂表皮材用リサイクルシートを得ることができる積層材のリサイクル方法、リサイクル樹脂組成物及び車両内装材用積層材の製造方法の提供。
【解決手段】積層材の廃材を粉砕し、風力で、塩化ビニル系樹脂表皮材の粉砕物を含むリサイクル材と架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の粉砕物を含む異物に分離し、回収したリサイクル材に相溶化剤を添加して得られたリサイクル組成物を溶融混練し、成形してリサイクルシートを得、相溶化剤は、アクリロニトリル・エチレンプロピレンジェンゴム・スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂及びポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる2種以上を含む、積層材のリサイクル方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩化ビニル系樹脂表皮材、及び前記塩化ビニル系樹脂表皮材の第一の表面に架橋型ポリウレタン系接着層を介して接合した架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材の廃材のリサイクル方法であって、
前記積層材の廃材を粉砕する粉砕工程、
前記粉砕された積層材の廃材を、風力分離にて、塩化ビニル系樹脂表皮材の粉砕物を含むリサイクル材と、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の粉砕物を含む異物に分離する分離工程、及び
前記リサイクル材に相溶化剤を添加して得られたリサイクル組成物を溶融混練し、成形してリサイクルシートを得るシート成形工程を含み、
前記リサイクル材には、前記異物が残存しており、
前記相溶化剤は、アクリロニトリル・エチレンプロピレンジェンゴム・スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、及びポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる2種以上を含み、
前記リサイクル材100重量部に対し、前記相溶化剤を2.5重量部以上添加する、リサイクル方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記積層材は、さらに前記塩化ビニル系樹脂表皮材の第二の表面に配置されているポリウレタン系表面処理剤層を含み、前記異物は、さらにポリウレタン系表面処理剤層の粉砕物を含む、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項3】
前記粉砕は、衝撃粉砕機で行う、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項4】
前記リサイクル材において、前記異物の残存率が2.5~30重量%である、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項5】
前記積層材は、車両内装材である、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項6】
塩化ビニル系樹脂表皮材の粉砕物を含むリサイクル材と、相溶化剤を含み、
前記リサイクル材には、架橋型ポリウレタン系接着剤及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる群から選ばれる一つ以上の異物が残存しており、
前記相溶化剤は、アクリロニトリル・エチレンプロピレンジェンゴム・スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、及びポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる2種以上を含み、
前記リサイクル材100重量部に対し、前記相溶化剤の添加量が2.5重量部以上である、リサイクル樹脂組成物。
【請求項7】
前記異物は、さらに、ポリウレタン系表面処理剤を含む、請求項6に記載のリサイクル樹脂組成物。
【請求項8】
前記リサイクル材において、前記異物の残存率が2.5~30重量%である、請求項6に記載のリサイクル樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~5のいずれかに記載のリサイクル方法で得られたリサイクルシートを用いることを特徴とする、車両内装材用積層材の製造方法。
【請求項10】
前記リサイクルシートを塩化ビニル系樹脂表皮材として用い、
前記塩化ビニル系樹脂表皮材と架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋型ポリウレタン系接着層で接合し、
前記塩化ビニル系樹脂表皮材の前記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が配置されている第一の表面とは反対側の第二の表面上にポリウレタン系表面処理剤層を形成する、請求項9に記載の車両内装材用積層材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニル系樹脂表皮材、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材をリサイクルするリサイクル方法、リサイクル組成物及び車両内装材用積層材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
塩化ビニル系樹脂シート及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材は、耐熱性、成型加工性、及びクッション性が良いことから、従来から、自動車内装材等の車両内装材、特にインスメルトパネルやドアパネル等に広く使用されている。近年、環境問題や資源の有効利用などの観点から、廃車によって生じる自動車内装材の廃棄物や製造工程に生じる端材等の積層材の廃材をリサイクルすることが進められている。例えば、特許文献1には、ポリ塩化ビニルとポリプロピレンからなる複合体を粉砕し、粉砕品に不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性されたポリオレフィン樹脂を添加し、180~230℃の温度で混練する再生処理方法が記載されている。特許文献2には、ポリ塩化ビニルとプロピレンの複層部分を粉砕し、その粉砕品と少なくともポリプロピレンを含む新品材料とエチレンプロピレンゴムを有する相溶化剤を添加して混合し、新しい材料に再生する材料再生方法が記載されている。また、特許文献3には、軟質塩化ビニル系樹脂シート90~75重量部とポリオレフィン発泡体シー10~25重量部とからなる積層材100重量部と、メルトフローレイトが20~30の範囲にあり、塩素含有量が30~40重量%の塩素化ポリオレフィン3~15重量部とをと共に加熱混練し、成形素材とする軟質塩化ビニル系樹脂シートとポリオレフィン発泡体シーとの積層材の再利用処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-190829号公報
特開平6-91646号公報
特開平5-169448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両内装材の廃材が、塩化ビニル系樹脂表皮材及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋型ポリウレタン系接着層で接合させた積層材の場合、該積層材を粉砕し、粉砕品をシート成形して塩化ビニル系樹脂表皮材と再利用すると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体や架橋型ポリウレタン系接着層の成分が再利用の塩化ビニル系樹脂表皮材中に凝集異物として存在し、表面性や成形性が劣る問題があった。
【0005】
本発明は、塩化ビニル系樹脂表皮材、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材の廃材の廃棄量を低減しつつ、良好な表面性や成形性を有する塩化ビニル系樹脂表皮材用リサイクルシートを得ることができる積層材のリサイクル方法、リサイクル樹脂組成物、及び車両内装材用積層材の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、塩化ビニル系樹脂表皮材、及び前記塩化ビニル系樹脂表皮材の第一の表面に架橋型ポリウレタン系接着層を介して接合した架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材の廃材のリサイクル方法であって、前記積層材の廃材を粉砕する粉砕工程、前記粉砕された積層材の廃材を、風力分離にて、塩化ビニル系樹脂表皮材の粉砕物を含むリサイクル材と、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の粉砕物を含む異物に分離する分離工程、及び前記リサイクル材に相溶化剤を添加して得られたリサイクル組成物を溶融混練し、成形してリサイクルシートを得るシート成形工程を含み、前記リサイクル材には、前記異物が残存しており、前記相溶化剤は、アクリロニトリル・エチレンプロピレンジェンゴム・スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、及びポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる2種以上を含み、前記リサイクル材100重量部に対し、前記相溶化剤を2.5重量部以上添加する、リサイクル方法に関する。
【0007】
本発明は、また、塩化ビニル系樹脂表皮材の粉砕物を含むリサイクル材と、相溶化剤を含み、前記リサイクル材には、架橋型ポリウレタン系接着剤及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる群から選ばれる一つ以上の異物が残存しており、前記相溶化剤は、アクリロニトリル・エチレンプロピレンジェンゴム・スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、及びポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる2種以上を含み、前記リサイクル材100重量部に対し、前記相溶化剤の添加量が2.5重量部以上である、リサイクル樹脂組成物に関する。
【0008】
本発明は、また、前記リサイクル方法で得られたリサイクルシートを用いることを特徴とする、車両内装材用積層材の製造方法に関する。
【0009】
本発明は、また、前記リサイクル樹脂組成物を用いることを特徴とする、車両内装材用積層材の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両内装材用積層材のリサイクル方法によれば、塩化ビニル系樹脂表皮材、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材の廃棄物の排出量を低減しつつ、良好な表面性や成形性を有する塩化ビニル系樹脂表皮材用リサイクルシートを得ることができる。
本発明のリサイクル樹脂組成物によれば、良好な表面性や成形性を有する塩化ビニル系樹脂表皮材用リサイクルシートを得ることができる。
本発明の車両内装材用積層材の製造方法によれば、塩化ビニル系樹脂表皮材、架橋型ポリウレタン系接着層及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む積層材の廃棄物の排出量を低減しつつ、良好な表面性や成形性を有する塩化ビニル系樹脂表皮材用リサイクルシートを用いた車両内装材用積層材を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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