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公開番号2025077497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189734
出願日2023-11-07
発明の名称窒化チタン繊維と窒化ジルコニウム繊維およびそれらの製造方法、ならびに、窒化チタン繊維状フィラーと窒化ジルコニウム繊維状フィラーおよびそれらの製造方法
出願人日本バイリーン株式会社
代理人
主分類D01F 9/10 20060101AFI20250512BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】
ナノメートルオーダーの平均繊維径を有する場合であっても、強度に優れる窒化チタン繊維または窒化ジルコニウム繊維の提供を第一の目的とする。また、当該第一の目的を達成することを通し、窒化チタン繊維状フィラーまたは窒化ジルコニウム繊維状フィラーの提供を第二の目的とする。
【解決手段】
窒化チタン前駆体繊維または窒化ジルコニウム前駆体繊維(あるいは、これらの繊維ウェブ)を、窒化物ガス又は窒素ガス雰囲気下、マグネシウムと共に焼成する。これにより、課題に挙げた、強度に優れる窒化チタン繊維ならびに窒化ジルコニウム繊維、および、強度に優れる窒化チタン繊維状フィラーならびに窒化ジルコニウム繊維状フィラーを実現可能である。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
下記の(強度の評価方法)へ供した後に繊維形状を維持できる、ナノメートルオーダーの平均繊維径を有する金属窒化物繊維であって、
前記金属窒化物繊維が窒化チタン繊維又は窒化ジルコニウム繊維である、金属窒化物繊維。
(強度の評価方法)
(1)表面が平滑な板の上に立て固定した円柱管(断面形状:直径30mmの円を囲う円環形状)内に、窒化チタン繊維又は窒化ジルコニウム繊維を3g納める。
(2)前記円柱管内に納められている前記窒化チタン繊維又は前記窒化ジルコニウム繊維へ、225πmm

あたり5kNの圧力を5秒間作用させる。
(3)圧力を作用させた後に、繊維長(単位:μm)を繊維径(単位:μm)で割り算出されるアスペクト比が5以上である窒化チタン繊維状フィラー又は窒化ジルコニウム繊維状フィラーが存在しているか否か、確認する。
(4)前記アスペクト比が5以上である窒化チタン繊維状フィラー又は窒化ジルコニウム繊維状フィラーが存在していた場合、本測定方法へ供した後に繊維形状を維持できる窒化チタン繊維又は窒化ジルコニウム繊維であると判断する。一方、前記アスペクト比が5以上である窒化チタン繊維状フィラー又は窒化ジルコニウム繊維状フィラーが存在していなかった場合、本測定方法へ供した後に繊維形状を維持できない窒化チタン繊維又は窒化ジルコニウム繊維であると判断する。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
請求項1に記載の(強度の評価方法)へ供した後に繊維形状を維持できる、ナノメートルオーダーの平均繊維径を有する金属窒化物繊維状フィラーであって、
前記金属窒化物繊維状フィラーが、窒化チタン繊維状フィラー又は窒化ジルコニウム繊維状フィラーである、金属窒化物繊維状フィラー。
【請求項3】
(工程i)金属アルコキシド溶液を用意する工程、
(工程ii)前記金属アルコキシド溶液中の、金属アルコキシドを加水分解させ縮重合させることにより、曳糸性ゾル溶液を調製する工程、
(工程iii)前記曳糸性ゾル溶液を用いて紡糸し、焼成することで、金属窒化物前駆体繊維を調製する工程、
(工程iv)前記金属窒化物前駆体繊維を、窒化物ガス又は窒素ガス雰囲気下、マグネシウムと共に焼成することで、前記金属窒化物前駆体繊維を金属窒化物繊維にする工程、
を含む、金属窒化物繊維の製造方法であって、
前記金属がチタンまたはジルコニウムである、金属窒化物繊維の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の(工程iv)の後に、
(工程v)調製された前記金属窒化物繊維へ外力を作用させ粉砕する工程、
を含む、金属窒化物繊維状フィラーの製造方法であって、
前記金属がチタンまたはジルコニウムである、金属窒化物繊維状フィラーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化チタン繊維と窒化ジルコニウム繊維、および、それらの製造方法に関する。加えて本発明は、窒化チタン繊維状フィラーと窒化ジルコニウム繊維状フィラー、および、それらの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
窒化チタンや窒化ジルコニウムといった金属窒化物は、高熱伝導性や、耐衝撃性、耐酸性などの物性を有しており、繊維や繊維状フィラーあるいは当該繊維から成る不織布といった布帛の態様で、放熱材など様々な産業用途に使用されている。
【0003】
このような金属窒化物およびその製造方法は、例えば、特開2022-138397号公報(特許文献1)や特開2011-202331号公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
特許文献1には、炭素数5~8のアルキルアルコールと金属アルコキシドを含んだ水溶液を用意し、静電紡糸法を用いて紡糸している。その後、紡糸し得られたゲル状構造体を、窒化物ガスあるいは窒化物を含有する不活性ガス雰囲気中で焼成することで、金属窒化物繊維を製造できることが開示されている。なお、特許文献1には、金属アルコキシド1モルに対し炭素数5~8のアルキルアルコールを0.01~0.27モル含ませることで、最も紡糸液を安定化させて金属窒化物繊維を製造できることが開示されている。
なお、特許文献1には、金属アルコキシドを構成する金属として様々な金属種が列記されている。そのうちにはチタンやジルコニウムが記載されているものの、特許文献1の実施例では、窒化アルミニウム連続繊維シートを製造できたことのみが開示されている。
【0005】
特許文献2には、水溶性高分子化合物(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸塩などの水に溶解する有機高分子化合物)と、遷移金属塩や有機酸遷移金属塩といった水溶性遷移金属化合物(例えば、塩化ジルコニウムや乳化チタン)を含んだ水溶液を用意し、静電紡糸法を用いて紡糸している。その後、紡糸し得られた耐熱性繊維前駆体を、窒素ガスあるいはアンモニアガス雰囲気中で焼成することで、窒化チタン繊維や窒化ジルコニウム繊維を製造できることが開示されている。
また、特許文献2には、静電紡糸法を採用することによって、繊維径がナノメートルオーダーの金属窒化物繊維を製造できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-138397号公報
特開2011-202331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願出願人は、特許文献1~2に開示されているような従来技術について検討した。そして、これら従来技術に開示されている製造方法を用いて窒化チタン繊維や窒化ジルコニウム繊維を製造することを試みた。
【0008】
まず、特許文献1が開示するように、炭素数5~8のアルキルアルコールとチタンアルコキシドまたはジルコニウムアルコキシドを含んだ水溶液を用いて紡糸し、窒化チタン繊維や窒化ジルコニウム繊維を製造することを試みた。特に、最も紡糸液を安定化させて金属窒化物繊維を製造できるという特許文献1の開示に基づき、紡糸液に含ませる炭素数5~8のアルキルアルコールの量を最適なものに調整(金属アルコキシド1モルに対し0.01~0.27モルに調整)した。しかし、現実には、窒化チタン繊維や窒化ジルコニウム繊維を製造できなかった。
【0009】
次いで、特許文献2が開示する水溶性高分子化合物を含ませた紡糸液を用いて紡糸し、窒化チタン繊維や窒化ジルコニウム繊維を製造することを試みた。しかし、このようにして製造された窒化チタン繊維や窒化ジルコニウム繊維(以降、従来技術にかかる金属窒化物繊維と称することがある)は、強度に劣るという問題を有していた。
【0010】
例えば、ハンドリングする際、充填材として用いるためパウチ内へ納める際、あるいは、樹脂と混錬し複合体を調製する際など、外力が作用すると従来技術にかかる金属窒化物繊維は意図せず破損し易いものであった。そのため、従来技術にかかる金属窒化物繊維へ外力を作用させ粉砕することで、窒化チタン繊維状フィラーまたは窒化ジルコニウム繊維状フィラーを製造しようとしても、意図せず破損してしまい繊維状の形状を維持できないものであった。その結果、窒化チタン繊維状フィラーや窒化ジルコニウム繊維状フィラーを得られないものであった。
(【0011】以降は省略されています)

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