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公開番号
2025034250
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140527
出願日
2023-08-30
発明の名称
ダイヤモンド加工方法
出願人
国立大学法人埼玉大学
,
信越ポリマー株式会社
,
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/04 20060101AFI20250306BHJP(結晶成長)
要約
【課題】主表面が{001}面である単結晶ダイヤモンドから主表面が{001}面である基板を製造する。
【解決手段】ダイヤモンド基板加工方法は、レーザ集光部190を基板10の{001}面の主表面10aに対向して配置し、{111}面を構成する結晶面の内で、基板10の内部で主表面10aに向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面11
1
及び第2結晶面に11
2
それぞれ設定した位置にレーザ光Bを照射して加工痕21からなる第1起点22
1
及び第2起点22
2
を形成し、第1起点22
1
及び第2起点22
2
にレーザ光Bを重ねて照射して形成した加工痕21に起点を形成し、レーザ光Bを重ねて照射した第1起点22
1
及び第2起点22
2
から生じた劈開がそれぞれ第1結晶面11
1
及び第2結晶面11
2
に沿って延びて楔状構造の先端で連結するように、第1起点22
1
及び第2起点22
2
の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
レーザ光を集光するレーザ集光部を単結晶ダイヤモンドの基板の{001}面の主表面に対向するように配置する工程と、
前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、{111}面を構成する結晶面の内で、前記基板の内部で前記主表面に向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面及び第2結晶面にそれぞれ設定した位置にレーザ光を照射して加工痕からなる第1起点及び第2起点を形成する工程と、
前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、前記第1起点及び前記第2起点にレーザ光を重ねて照射して前記形成した加工痕に起点を形成する工程と、
前記起点からそれぞれ前記第1結晶面及び前記第2結晶面に沿って劈開が延びて前記楔状構造の先端で連結するように、前記レーザ集光部によりレーザ光を集光し、前記第1起点及び前記第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程と
を含む基板加工方法。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記加工痕を形成する工程は、ダイヤモンドを熱分解してグラファイト化した加工痕及びその周囲の{111}面に沿って形成された劈開を含む改質層を形成する請求項1に記載の基板加工方法。
【請求項3】
前記第1起点及び前記第2起点は前記基板の主表面から同じ深さに設定された請求項1に記載の基板加工方法。
【請求項4】
前記第1起点及び前記第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程は、前記第1起点及び前記第2起点と同じ深さにレーザ光を集光して加工痕を形成する請求項3に記載の基板加工方法。
【請求項5】
前記第1起点及び前記第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程は、前記第1起点及び前記第2起点から対向する前記第2起点及び前記第1起点に向けて前記第1結晶面及び前記第2結晶面に沿って前記楔状構造の先端で合流するまでそれぞれ加工痕を形成する請求項4に記載の基板加工方法。
【請求項6】
前記第1起点及び前記第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程は、
前記第1起点及び前記第2起点の一方から他方に向けて前記第1結晶面又は前記第2結晶面に沿って前記楔状構造の先端まで加工痕を形成する工程と、
前記第1起点及び前記第2起点の他方から一方に向けて前記第1結晶面又は前記第2結晶面に沿って前記楔状構造の先端まで加工痕を形成する工程と
を含む請求項4に記載の基板加工方法。
【請求項7】
前記第1起点及び前記第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程は、ダイヤモンドを熱分解してグラファイト化した加工痕及びその周囲の{111}面に沿った劈開を含む改質層を形成する請求項1に記載の基板加工方法。
【請求項8】
前記第1起点及び前記第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程は、
前記第1起点から前記第1結晶面に沿って前記楔状構造の先端まで劈開が形成されるように加工痕を形成する工程と、
前記第2起点から前記第2結晶面に沿って前記楔状構造の先端まで劈開が形成されるように加工痕を形成する工程と
を含む請求項1に記載の基板加工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイヤモンド加工方法に関し、詳しくは、レーザ光を用いて単結晶ダイヤモンドを加工するダイヤモンド加工方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、パワーデバイスに適した半導体材料として、シリコン(Si)に代わって炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)が提供されてきたが、ダイヤモンド半導体はこれら半導体材料と比べて縁破壊電界及び電力制御指数が高く、熱伝導率も最も高いということから次世代の材料として注目され、実用化に向けて研究や開発が進んでいる。またダイヤモンド中の窒素-空孔センタ(NVセンタ)は室温で高感度な磁気検出が可能であるため、磁気センサへの応用が期待されていてこの研究も行われている(特許文献1を参照)。
【0003】
これら半導体への応用が期待される単結晶ダイヤモンドは高温高圧法(HPHT法)やホモエピキャシタル成長により合成されるが、これらの合成法では半導体プロセスに利用するための単結晶ダイヤモンドのバルク基板の大面積化が困難とされている。そこで、単結晶酸化マグネシウム(MgO)を下地結晶として単結晶ダイヤモンドをヘテロエピキャシタル成長させる気相合成法(CVD法)が大面積化に優位性があるとして適用されてきている。
【0004】
ダイヤモンド基板は、ダイヤモンド単結晶のインゴットやインゴットをさらに一定の長さに切断したブロックをダイヤモンドを研粒としたワイヤーソーで一定の厚さにスライスして製造されている。ワイヤーソーのワイヤーは例えば少なくとも数十μmのような径を有しているため、ダイヤモンド単結晶のインゴットやブロックをダイヤモンド基板にスライスする際に、切断面に沿った一定の幅の部分は研削の切り代として失われていた。
【0005】
またレーザ光を利用してダイヤモンドインゴットからダイヤモンド基板を製造するダイヤモンド基板製造方法が開示されている(特許文献2を参照)。この方法は、ダイヤモンドインゴットの主表面から所定の深さにレーザ光を集光して照射し、二次元状に走査することにより結晶構造が改質された改質層を形成し、この改質層でダイヤモンド基板を剥離するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-59069号公報
特開2020-50563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ダイヤモンド単結晶は{111}面に沿って劈開が進みやすいという性質があり主表面を{001}面とするダイヤモンドインゴットやブロックにレーザ光を二次元状に走査すると劈開面である{111}面に改質層が進展し{001}面ではなく{111}面で劈開が発生しやすいことから所望とする{001}面を主表面とするダイヤモンド基板の創製が困難である。
【0008】
この発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、主表面が{001}面である単結晶ダイヤモンドから主表面が{001}面であるダイヤモンド基板を製造することができるようなダイヤモンド加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の基板加工方法は、レーザ光を集光するレーザ集光部を単結晶ダイヤモンドの基板の{001}面の主表面に対向するように配置する工程と、レーザ集光部によりレーザ光を集光し、{111}面を構成する結晶面の内で、基板の内部で主表面に向かって先端が薄くなる楔状構造を形成する第1結晶面及び第2結晶面にそれぞれ設定した位置にレーザ光を照射して加工痕からなる第1起点及び第2起点を形成する工程と、レーザ集光部によりレーザ光を集光し、第1起点及び第2起点にレーザ光を重ねて照射して形成した加工痕に起点を形成する工程と、起点からそれぞれ第1結晶面及び第2結晶面に沿って劈開が延びて楔状構造の先端で連結するように、レーザ集光部によりレーザ光を集光し、第1起点及び第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程を含む。
【0010】
加工痕を形成する工程は、ダイヤモンドを熱分解してグラファイト化した加工痕及びその周囲の{111}面に沿って形成された劈開を含む改質層を形成してもよい。第1起点及び第2起点は基板の主表面から同じ深さに設定されてもよい。第1起点及び第2起点の間にレーザ光を照射して加工痕を形成する工程は、第1起点及び第2起点と同じ深さにレーザ光を集光して加工痕を形成してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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