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公開番号2025027269
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023131936
出願日2023-08-14
発明の名称静電容量型センサおよび圧力センサ
出願人アズビル株式会社
代理人個人
主分類G01L 9/00 20060101AFI20250219BHJP(測定;試験)
要約【課題】静電容量の不連続性を改善する。
【解決手段】静電容量型センサは、物理量に応じて静電容量が変化するセンサチップと、センサチップの出力を電気信号に変換する容量検出部12と、容量検出部12の2つの出力信号が時分割でADコンバータ15に入力されるように切り替えを行うマルチプレクサ13と、ADコンバータ15によってAD変換された容量検出部12の第1、第2の出力信号に基づいて第1、第2の静電容量の値を算出する第1、第2の容量算出部160,162と、第1、第2の静電容量のうちADコンバータ15のサンプリング周期が長い方の第1の静電容量が第1の容量算出部160によって算出されてから、次に第1の静電容量が算出されるまでの間のADコンバータ15のサンプリングタイミングにおける第1の静電容量の値を算出するフィルタ部161とを備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
計測対象の物理量に応じて静電容量が変化するように構成されたセンサチップと、
前記センサチップの出力を電気信号に変換するように構成された容量検出部と、
前記容量検出部の出力信号をAD変換するように構成されたADコンバータと、
前記容量検出部の異なる2つの出力信号が時分割で前記ADコンバータに入力されるように切り替えを行うように構成されたマルチプレクサと、
前記ADコンバータによってAD変換された前記容量検出部の第1の出力信号に基づいて第1の静電容量の値を算出するように構成された第1の容量算出部と、
前記ADコンバータによってAD変換された前記容量検出部の第2の出力信号に基づいて第2の静電容量の値を算出するように構成された第2の容量算出部と、
前記第1、第2の静電容量のうち前記ADコンバータのサンプリング周期が長い方の前記第1の静電容量が前記第1の容量算出部によって算出されてから、次に前記第1の静電容量が算出されるまでの間の前記ADコンバータのサンプリングタイミングにおける前記第1の静電容量の値を算出するように構成された補間部と、
前記補間部の算出結果と前記第2の容量算出部の算出結果とを、前記物理量を算出するための物理量算出式に代入して算出値を求める物理量算出部と、
前記算出値を対応する前記物理量に変換するように構成された計測部とを備えることを特徴とする静電容量型センサ。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1記載の静電容量型センサにおいて、
前記補間部は、前記第1の静電容量の値に対してフィルタ処理を施すものであり、前記ADコンバータによる前記第1の出力信号のサンプリングタイミングの他に、前記第2の出力信号を含む他の信号のサンプリングタイミングにおいても、前記第1の静電容量の値に対してフィルタ演算を行うことを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項3】
請求項1記載の静電容量型センサにおいて、
前記補間部は、前記第1の容量算出部によって算出された最新の前記第1の静電容量の値と1回前に算出された前記第1の静電容量の値から、次に前記第1の容量算出部が算出する前記第1の静電容量の予測値を算出し、最新の前記第1の静電容量の値と前記予測値とに基づいて、前記第1の容量算出部によって次の前記第1の静電容量が算出されるまでの間の前記ADコンバータのサンプリングタイミングにおける前記第1の静電容量の値を当配分で算出することを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項4】
計測対象の物理量に応じて静電容量が変化するように構成されたセンサチップと、
前記センサチップの出力を電気信号に変換するように構成された容量検出部と、
前記容量検出部の第1の出力信号をAD変換するように構成された第1のADコンバータと、
前記容量検出部の第2の出力信号をAD変換するように構成された第2のADコンバータと、
前記第2の出力信号以外の信号と前記第1の出力信号とが時分割で前記第1のADコンバータに入力されるように切り替えを行うように構成されたマルチプレクサと、
前記第1のADコンバータによってAD変換された前記第1の出力信号に基づいて第1の静電容量の値を算出するように構成された第1の容量算出部と、
前記第2のADコンバータによってAD変換された前記第2の出力信号に基づいて第2の静電容量の値を算出するように構成された第2の容量算出部と、
前記第1の静電容量が前記第1の容量算出部によって算出されてから、次に前記第1の静電容量が算出されるまでの間の前記第1のADコンバータのサンプリングタイミングにおける前記第1の静電容量の値を算出するように構成された補間部と、
前記補間部の算出結果と前記第2の容量算出部の算出結果とを、前記物理量を算出するための物理量算出式に代入して算出値を求める物理量算出部と、
前記算出値を対応する前記物理量に変換するように構成された計測部とを備えることを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項5】
請求項4記載の静電容量型センサにおいて、
前記補間部は、前記第1の静電容量の値に対してフィルタ処理を施すものであり、前記第1のADコンバータによる前記第1の出力信号のサンプリングタイミングの他に、前記第1のADコンバータによる他の信号のサンプリングタイミングにおいても、前記第1の静電容量の値に対してフィルタ演算を行うことを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項6】
請求項4記載の静電容量型センサにおいて、
前記補間部は、前記第1の容量算出部によって算出された最新の前記第1の静電容量の値と1回前に算出された前記第1の静電容量の値から、次に前記第1の容量算出部が算出する前記第1の静電容量の予測値を算出し、最新の前記第1の静電容量の値と前記予測値とに基づいて、前記第1の容量算出部によって次の前記第1の静電容量が算出されるまでの間の前記第1のADコンバータのサンプリングタイミングにおける前記第1の静電容量の値を当配分で算出することを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の静電容量型センサにおいて、
前記センサチップは、台座に形成された第1の電極と、前記台座とギャップを隔てて配置されたダイアフラムに前記第1の電極と対向するように形成された第2の電極と、前記第1の電極の外側の前記台座に形成された第3の電極と、前記第2の電極の外側の前記ダイアフラムに前記第3の電極と対向するように形成された第4の電極とを備え、前記物理量に応じた前記ダイアフラムの変位によって前記第1、第2の電極の間隔が変化するように構成され、
前記容量検出部は、前記第1、第2の電極間の静電容量に比例した前記第1の出力信号と、前記第3、第4の電極間の静電容量に比例した前記第2の出力信号とを出力し、
前記第1の容量算出部は、前記第1、第2の電極間の静電容量CXを前記第1の静電容量として算出し、
前記第2の容量算出部は、前記第1、第2の電極間の静電容量CXと前記第3、第4の電極間の静電容量CRとの容量差CX-CRを前記第2の静電容量として算出し、
前記物理量算出部は、前記算出値として、(CX-CR)/CXを算出することを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項8】
請求項7記載の静電容量型センサにおいて、
前記第1の電極と前記第3の電極が一体形成されていることを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項9】
請求項7記載の静電容量型センサにおいて、
前記第2の電極と前記第4の電極が一体形成されていることを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の静電容量型センサを含み、
前記計測部は、前記算出値を前記物理量である圧力値に変換することを特徴とする圧力センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、隔膜真空計等に使用される静電容量型センサに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
半導体製造設備等において使用される真空計などの圧力センサは、要求される圧力範囲に応じて種々の計測原理を用いたタイプの製品が利用される。例えばその中の1つである静電容量式の隔膜真空計は、可動ダイアフラム(隔膜)が圧力を受け、そのたわみ量を静電容量値として検出するものである(特許文献1~4参照)。
【0003】
このような隔膜真空計では、センサ内外の温度変化および基準真空室内の湿度変化等に基づく測定誤差が発生する。そこで、特許文献1~4には、センサの温度特性を補正する方法が開示されている。
【0004】
図12は特許文献1~4に開示された従来の隔膜真空計のセンサチップの要部の構成を示す断面図、図13は従来の隔膜真空計の容量検出部の構成を示すブロック図である。
センサチップ1の台座101の中央部には凹部が形成されている。この凹部が形成された台座101の面には、被測定媒体(例えばプロセスガス)の圧力Pに応じて変形可能に構成されたダイアフラム102が接合されている。台座101の凹部は、ダイアフラム102と共に基準真空室104を形成する。
【0005】
図12のセンサチップ1において、台座101の基準真空室104側の面には固定電極105が形成され、ダイアフラム102の基準真空室104側の面には固定電極105と対向するように可動電極106が形成されている。こうして、固定電極105と可動電極106とがギャップを隔てて対向するように配置されている。ダイアフラム102が被測定媒体の圧力Pを受けて撓むと、可動電極106と固定電極105との間の間隔が変化し、可動電極106と固定電極105との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化からダイアフラム102が受けた被測定媒体の圧力Pを検出することができる。ダイアフラム102と台座101とは、例えばサファイアなどの絶縁体から構成されている。
【0006】
さらに、固定電極105の外側の台座101の基準真空室104側の面には、固定電極107が形成されている。可動電極106の外側のダイアフラム102の基準真空室104側の面には、固定電極107と対向するように可動電極108が形成されている。固定電極107と可動電極108とはダイアフラム102の縁部に形成されている。ダイアフラム102が被測定媒体の圧力Pを受けて撓むんだとしても、ダイアフラム102の縁部は殆ど変形しないため、可動電極108と固定電極107との間の静電容量は変化し難い。この静電容量は、センサ内外の温度変化および基準真空室104内の湿度変化等に基づく測定誤差を除去するために設けられたものである。
【0007】
図13に示すように、容量検出部は、信号発生器200と、容量CfとオペアンプA1とからなる増幅器201,202と、減算器203と、差動入力型のローパスフィルタ204,205と、増幅器201とローパスフィルタ204との間に設けられたスイッチ206と、減算器203とローパスフィルタ205との間に設けられたスイッチ207とから構成される。図13では、可動電極106と固定電極105との間の静電容量(感圧容量)をCXで表し、可動電極108と固定電極107との間の静電容量(参照容量)をCRで表している。
【0008】
信号発生器200は、圧力計測時に正弦波状のセンサ駆動信号Esin(2πft)をセンサチップ1の第1の電極(例えば固定電極105)と第3の電極(例えば固定電極107)とスイッチ206,207とに印加する。Eは振幅、fは周波数、tは時間である。
【0009】
増幅器201は、センサチップ1の第2の電極(例えば可動電極106)から出力される電流を電圧に変換して増幅し、静電容量CXに比例した振幅の信号を出力する。増幅器202は、センサチップ1の第4の電極(例えば可動電極108)から出力される電流を電圧に変換して増幅し、静電容量CRに比例した振幅の信号を出力する。
減算器203は、増幅器201の出力信号から増幅器202の出力信号を減算する。なお、第1の電極と第3の電極とが一体形成されるように構成すること、または、第2の電極と第4の電極とが一体形成されるように構成することも可能である。
【0010】
スイッチ206とローパスフィルタ204とは、同期検波部208を構成している。ローパスフィルタ204は、センサ駆動信号Esin(2πft)を通過させるようにカットオフ周波数が設定されている。同期検波部208は、増幅器201の出力から、センサ駆動信号Esin(2πft)に同期した信号を復調する。
(【0011】以降は省略されています)

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