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公開番号2025015228
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118500
出願日2023-07-20
発明の名称モール糸、布帛及び衣料製品
出願人帝人フロンティア株式会社
代理人弁理士法人藤本パートナーズ
主分類D02G 3/42 20060101AFI20250123BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】軽量で保温性及び通気性があり、花糸の脱落が抑えられた布帛を製しやすいモール糸、布帛及び衣料製品を提供する。
【解決手段】芯糸と複数の花糸とを含むモール糸で、芯糸は複数の第1の長繊維を含み、各々の第1の長繊維は単繊維繊度が0.3dtex以上5.0dtex以下で、各々の花糸は複数の第2の長繊維を含んでなり且つ芯糸に把持された固定部が形成され、各々の第2の長繊維は単繊維繊度が0.3dtex以上8.0dtex以下で、モール糸の長尺方向と各々の花糸の長手方向とが水平に沿う方向を向いているとき、芯糸と第2の長繊維の先端との直線距離を高さT1とし、さらに、第2の長繊維がモール糸の長尺方向と直交する方向に沿って直線状となるように引き伸ばされているときに芯糸と第2の長繊維の先端との直線距離を高さT2とする場合に、高さT1の高さT2に対する比(高さT1/高さT2)が0.88以上であるモール糸である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
芯糸と、該芯糸に把持された複数の花糸と、を含むモール糸であって、
前記芯糸は複数の第1の長繊維を含んでなり、各々の第1の長繊維は単繊維繊度が0.3dtex以上5.0dtex以下であり、
各々の花糸は複数の第2の長繊維を含んでなり且つ前記芯糸に把持された固定部が形成され、各々の第2の長繊維は単繊維繊度が0.3dtex以上8.0dtex以下であり、
前記モール糸の長尺方向と前記各々の花糸の長手方向とが水平に沿う方向を向いているときに、前記芯糸と前記各々の第2の長繊維の先端との間の直線距離を前記各々の第2の長繊維の高さT1とし、さらに、前記各々の第2の長繊維が前記モール糸の長尺方向と直交する方向に沿って直線状となるように引き伸ばされているときにおける前記芯糸と前記各々の第2の長繊維の先端との間の直線距離を前記各々の第2の長繊維の高さT2とする場合に、前記高さT1の前記高さT2に対する比(前記高さT1/前記高さT2)が0.88以上である、モール糸。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記芯糸は、仮撚捲縮加工されており且つ捲縮率が3%以上40%以下である、請求項1に記載されたモール糸。
【請求項3】
前記固定部どうしの間隔が0.5mm以上2.0mm以下となるように、前記各々の花糸が前記芯糸に把持された、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項4】
前記各々の花糸に2つ以上の前記固定部が形成されるように、前記各々の花糸が前記芯糸に把持された、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項5】
前記各々の第2の長繊維は異型断面を有し、繊維断面に中空部が形成された中空繊維、繊維断面が略扁平状である扁平繊維、及び、繊維断面が溝を形成された形状で且つ繊維軸方向に沿って繊維断面の形状が変化している仮撚捲縮加工繊維から選択された1種以上の長繊維である、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項6】
前記高さT1が1.5mm以上15.0mm以下である、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項7】
前記複数の第1の長繊維及び前記複数の第2の長繊維の少なくとも一方は、エステル形成性スルホン酸金属塩化合物および/またはエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物を共重合させたポリエステル系繊維を含む、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項8】
前記複数の第1の長繊維及び前記複数の第2の長繊維の少なくとも一方は、ケミカルリサイクル又はマテリアルリサイクルされたポリエステル系繊維を含む、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項9】
総繊度が550dtex以上1,000dtex以下である、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
【請求項10】
繊維脱落率が0.8%以下である、請求項1又は請求項2に記載されたモール糸。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モール糸と、該モール糸を含んでなる布帛と、該布帛を備える衣料製品と、に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
モール糸は、芯糸と、該芯糸に把持された花糸と、を含む繊維素材である。芯糸のみからなる糸条と比べて、モール糸は、花糸が芯糸を覆い隠すように毛羽立って嵩高くなっており、太くてモコモコとした外観を有している。この特徴ある外観から、モール糸は、シェニール糸とも呼ばれている。一般的にモール糸は、飾り糸としてファッション用の衣料の襟等に使用される場合や、刺繍糸又は手編糸として手芸用品店で販売されている場合が多い。
【0003】
特許文献1では、芯糸と押さえ糸との撚糸を用いたモール糸が、開示されている。このモール糸では、芯糸と押さえ糸との間に花糸が融着固定されており、花糸が曲率半径0.5mm以上5.0mm以下の捲縮を有している。このような捲縮により、モール糸の嵩高性を向上させることができ、モール糸を詰め物として好適に用いることができる旨、特許文献1で説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-13788号公報
特開平4-352840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、一般的にモール糸では、花糸が、洗濯により芯糸から抜け落ちやすいという問題がある。花糸が抜け落ちた部分では、芯糸が露出し、花糸に起因する嵩高なモコモコとした外観が損なわれてしまう。このため、例えば、日常的に繰り返し洗濯される衣料を製造する用途や、そのような衣料の材料となる布帛を製造する用途において、モール糸を使用することは、従来、あまり好ましくなかった。また、近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が問題になっている。これらのことを考慮すると、モール糸の花糸として合成樹脂繊維を使用する場合、モール糸を含む布帛や衣料が洗濯されても、花糸が芯糸から抜け落ちにくいことが望ましい。また、一般的に衣料では、嵩高くなるほど、保温性が増す利点がある反面、重量が増す問題や、蒸れやすい問題が生じやすい。これらの問題を解消して、なるべく着心地のよい衣料を製造できることが、望ましい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、軽量で保温性及び通気性があり、花糸の脱落が抑えられた布帛を製造しやすいモール糸、前記布帛並びに衣料製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、一実施形態に係るモール糸は、
芯糸と、該芯糸に把持された複数の花糸と、を含むモール糸であって、
前記芯糸は複数の第1の長繊維を含んでなり、各々の第1の長繊維は単繊維繊度が0.3dtex以上5.0dtex以下であり、
各々の花糸は複数の第2の長繊維を含んでなり且つ前記芯糸に把持された固定部が形成され、各々の第2の長繊維は単繊維繊度が0.3dtex以上8.0dtex以下であり、
前記モール糸の長尺方向と前記各々の花糸の長手方向とが水平に沿う方向を向いているときに、前記芯糸と前記各々の第2の長繊維の先端との間の直線距離を前記各々の第2の長繊維の高さT1とし、さらに、前記各々の第2の長繊維が前記モール糸の長尺方向と直交する方向に沿って直線状となるように引き伸ばされているときにおける前記芯糸と前記各々の第2の長繊維の先端との間の直線距離を前記各々の第2の長繊維の高さT2とする場合に、前記高さT1の前記高さT2に対する比(前記高さT1/前記高さT2)が0.88以上である。
【0008】
斯かるモール糸によれば、複数の花糸により、嵩高な外観になりやすく、保温性を有しやすい。また、各々の第2の長繊維が上述した単繊維繊度を有し且つ上述した比(前記高さT1/前記高さT2)が0.88以上であることにより、モール糸を顕微鏡で観察すると芯糸から比較的細い各々の第2の長繊維が立ち上がっているような外観になっており、複数の花糸が軽量且つ通気しやすいものとなりやすい。さらに、芯糸に含まれる各々の第1の長繊維が上述した単繊維繊度を有することにより、各々の花糸が芯糸から抜け落ちにくくなっている。
【0009】
一実施形態に係る布帛は、前記モール糸を含んでなるものであり得る。一実施形態に係る衣料製品は、前記布帛を備えるものであり得る。
【発明の効果】
【0010】
以上に説明したように、本発明によれば、軽量で保温性及び通気性があり、花糸の脱落が抑えられた布帛を製造しやすいモール糸、前記布帛並びに衣料製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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