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公開番号2024063781
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2023184285
出願日2023-10-26
発明の名称土壌消毒剤および土壌消毒方法
出願人国立大学法人千葉大学,公益財団法人園芸植物育種研究所
代理人個人,個人,個人
主分類A01N 37/02 20060101AFI20240502BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】土壌消毒に有用な新たな技術手的手段を提供すること
【解決手段】カプロン酸もしくはその塩またはカプロン酸産生菌を含んでなる、土壌消毒剤。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
カプロン酸もしくはその塩またはカプロン酸産生菌を含んでなる、土壌消毒剤。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
カプロン酸またはその塩を含んでなる、請求項1に記載の土壌消毒剤。
【請求項3】
土壌還元消毒法に用いるための、請求項1または2に記載の土壌消毒剤。
【請求項4】
前記カプロン酸産生菌がクロストリジウム属菌を含んでなる、請求項1に記載土壌消毒剤。
【請求項5】
前記クロストリジウム属菌の16SrRNA遺伝子のヌクレオチド配列が配列番号1に示されるヌクレオチド配列と少なくとも95%の同一性を有する、請求項4に記載の土壌消毒剤。
【請求項6】
前記カプロン酸産生菌が受領番号NITE AP-03946の下で寄託されている
Clostridium sp.
E801を含んでなる、請求項1に記載の土壌消毒剤。
【請求項7】
受領番号NITE AP-03946の下で寄託されている
Clostridium sp.
E801。
【請求項8】
カプロン酸もしくはその塩またはカプロン酸産生菌を土壌に施用する工程を含んでなる、土壌消毒方法。
【請求項9】
前記施用工程が、カプロン酸またはその塩を土壌に施用する工程である、請求項8に記載の土壌消毒方法。
【請求項10】
土壌還元消毒法である、請求項8または9に記載の土壌消毒方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な土壌消毒剤および土壌消毒方法に関する。より詳細には、本発明は、カプロン酸もしくはその塩またはカプロン酸産生菌を用いる、新規な土壌消毒剤および土壌消毒方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
連作によって引き起こされる土壌障害は、農作物の収量を大幅に減少させ、農業生産に大きな影響を及ぼす。土壌障害の中で最も被害が大きく、対応も困難であるのが、土壌病害である。土壌病原菌は土壌深層まで存在し、その多くが糸状菌であり厚膜胞子等の耐久器官を形成するため、土壌燻蒸剤が効きにくく、防除が困難となっている。日本のトマト産業においても
Fusarium oxysporum f.sp.lycopersici
(Fol)の引き起こす萎凋病により、一農家あたり、年間約250万円10a
-1
の被害が生じている。
【0003】
土壌病害を防ぐためには土壌の消毒が必要不可欠である。これまで、土壌の消毒には土壌燻蒸剤が広く利用されてきた。特に臭化メチルは、抗菌スペクトルが広く、殺菌能力も高いため、最も頻繁に使用されてきた。しかし、臭化メチルは、その強いオゾン層破壊能から、2005年より先進国での使用が全廃された。現在、臭化メチル代替剤として、クロロピクリンやD-D(1,3-ジクロロプロペン)等が利用されているが、依然として環境や人体への毒性が強く、欧州や米国では使用の禁止、または厳しい規制が設けられている。欧州では、クロロピクリンは水生生物、鳥類、哺乳類に対するリスクと分解産物のジクロロニトロメタンによる地下水汚染リスクから使用が禁止されており、D-Dは、製造時のポリ塩化不純物の環境への放出から緊急利用のみに制限されている。
【0004】
このような技術状況下で開発された新たな土壌消毒方法が、土壌還元消毒法(Anaerobic soil disinfestation(ASD))である(非特許文献1)。ASDは、土壌微生物の力を利用して土壌を消毒する方法である。ASDは、1)土壌への米糠や小麦ふすま等の大量の有機物の混和、2)土壌の潅水、2)プラスチックフィルムによる土壌の被覆の3ステップで構成される。ASDは人体や環境への有害性が無く、同時に潅水による除塩効果も期待できる。また、長期間の処理を必要とせず、大規模な施設を導入する必要もない。以上のメリットから、現在、日本、オランダ、アメリカをはじめとする国々でASDの利用が増加しつつある。
【0005】
ASDではまず混和された有機物の影響で好気性微生物が酸素を急速に消費することで土壌中の酸化還元電位が低下し、これに伴い活性化した嫌気性細菌の生成する揮発性脂肪酸やその他揮発性成分、金属イオン、細胞壁分解酵素等が複合的に作用することで、土壌病原微生物が消毒されると推測されている。しかしながら、これら成分の土壌中での作用の詳細については明らかになっておらず、主要な殺菌因子や詳細な殺菌メカニズムは未だ不明である。
【0006】
近年ASDの普及に伴い、添加する有機物として米糠や小麦ふすま等の固体の代わりに、1%程度の低濃度エタノールを用いる方法が報告されている(非特許文献2)。添加するエタノールは消毒用(70%)に比べ非常に低濃度であるため、エタノール自体に殺菌効果は無く、有機物として利用される。
【0007】
しかしながら、上述のような低濃度エタノールを使用する場合であっても、土ASDの殺菌効果が不安定である場合があり、さらなる普及を妨げる原因となっている。したがって、ASDをより効果的で安定で実施するための新たな技術的手段が依然として求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Y.Oka,Appl.Soil Ecol.,44,101-115(2010)
門馬法明,宇佐見俊行,雨宮良幹,宍戸雅宏,土と微生物,59,27-33(2005)
【発明の概要】
【0009】
本発明は、土壌消毒に有用な新たな技術手的手段を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者らは、今般、鋭意検討した結果、カプロン酸が特定の菌株により産生され、顕著な土壌消毒作用を有することを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
(【0011】以降は省略されています)

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