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公開番号2024063756
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2023177988
出願日2023-10-16
発明の名称共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物、そのアセテート化合物及びアルコール化合物の製造方法、並びに該有機ハロゲン化合物を合成する為に使用される化合物
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 17/26 20060101AFI20240502BHJP(有機化学)
要約【課題】ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質の合成中間体である(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=ハライド及びその工業的且つ経済的な製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を、下記一般式(2)で表されるハロゲン化リチウムの存在下、下記一般式(3)で表されるアルカリ金属アルコシキドとリンイリド調製反応をさせ、続いて、下記一般式(4)で表されるアルデヒド化合物とウィッティッヒ反応に付して、下記一般式(5)で表される有機ハロゲン化合物を得る工程を少なくとも含む、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法を提供する。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1):
JPEG
2024063756000045.jpg
25
170
(式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X

及びX

は互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を、
下記一般式(2):
JPEG
2024063756000046.jpg
19
170
(式中、X

はハロゲン原子を表す。)
で表されるハロゲン化リチウムの存在下、下記一般式(3):
JPEG
2024063756000047.jpg
18
170
(式中、R

は炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、及びMはアルカリ金属原子を表す。)
で表されるアルカリ金属アルコシキドとリンイリド調製反応させて、反応生成混合物を得、続いて、該反応生成混合物と、下記一般式(4):
JPEG
2024063756000048.jpg
18
170
(式中、R

は炭素数1~10の直鎖状、分岐状又は芳香族の1価炭化水素基を表す。)
で表されるアルデヒド化合物とをウィッティッヒ反応に付して、下記一般式(5):
JPEG
2024063756000049.jpg
18
170
(式中、R

は上記一般式(4)中で、並びにn及びX

は上記一般式(1)中で定義した通りである。)
で表される有機ハロゲン化合物を得る工程
を少なくとも含む、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法と、
該有機ハロゲン化合物(5)をアセトキシ化反応に付して、下記一般式(6):
JPEG
2024063756000050.jpg
19
170
(式中、R

は上記一般式(4)中で、nは上記一般式(1)中で定義した通りであり、並びにAcはアセチル基を表す。)
で表されるアセテート化合物を得る工程
を少なくとも含む、アセテート化合物(6)の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の、アセテート化合物(6)の製造方法と、
該アセテート化合物(6)を加水分解反応に付して、下記一般式(7):
JPEG
2024063756000051.jpg
19
170
(式中、R

は上記一般式(4)中で、及びnは上記一般式(1)中で定義した通りである。)
で表されるアルコール化合物を得る工程
を少なくとも含む、アルコール化合物(7)の製造方法。
【請求項4】
下記一般式(8):
JPEG
2024063756000052.jpg
25
170
(式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X

及びX

それぞれ独立して、ハロゲン原子を表す。)
で表されるω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物をトリフェニルホスフィンとの置換反応に付して、下記一般式(1):
JPEG
2024063756000053.jpg
22
170
(式中、n、X

及びX

は、上記一般式(8)で定義した通りであり、並びにPhはフェニル基を表す。)
で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を得る工程
を少なくとも含む、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の製造方法。
【請求項5】
下記一般式(1):
JPEG
2024063756000054.jpg
21
170
(式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X

及びX

は互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物、並びにそのアセテート化合物及びアルコール化合物の製造方法に関する。また、本発明は、上記有機ハロゲン化合物を合成する為に使用される化合物である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を提供する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
チョウ目ホソガ科に属するココア=ポッド=ボーラー(Cocoa pod borer,学名:
Conopomorpha cramerella
)は、東南アジアにおいて栽培されるカカオ(Cacao,学名:
Theobroma cacao
)の主要害虫として知られている。このココア=ポッド=ボーラーは、カカオ鞘表面に産卵し、孵化した幼虫は鞘内部に侵入して果肉を食害するため、カカオ豆の収量及び品質の低下が大きな問題となっている。
【0003】
このココア=ポッド=ボーラーの防除には、一般的に殺虫剤が用いられているが、幼虫は孵化した直後に鞘内に侵入するため、その効果は充分なものでは無い。
【0004】
また、近年、殺虫剤の使用による環境及び人的な健康への悪影響から、昆虫の性フェロモン物質を用いた交信攪乱(mating disruption)及び大量誘殺(mass trapping)等の環境への影響が少なく、安全性の高い新たな防除技術の開発が求められており、これらの防除技術開発のためには性フェロモン物質を工業的に、安価に、且つ大量に製造することが必要である。
【0005】
ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質は、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート、(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール、(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール、及びn-ヘキサデシル=アルコールの混合物であり、それぞれ性フェロモン物質の成分比率が60:40:6:4:10であることが報告されている(下記の非特許文献1)。
【0006】
これらの性フェロモン物質のうちのアセテート化合物、すなわち(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートは、一般的に6位の二重結合をウィッティッヒ(Wittig)反応を用いて構築することによって合成することが知られている。また、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコールは上記得られたアセテート化合物を加水分解することにより合成することができる。
【0007】
例えば、下記の非特許文献1には、(4Z)-4-デセニルトリフェニルホスホニウム=ブロミドに、塩基としてカリウム=t-ブトキシドを作用させてリンイリド(phosphorous ylide)を調製し、続いて、該リンイリドを、(2E)-6-[(テトラヒドロピラニル)オキシ]-2-ヘキセナールとウィッティッヒ反応させて(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成する方法が報告されている。また、該非特許文献1には、該得られた(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを、太陽光下、ヨウ素を触媒として二重結合の幾何構造を異性化し、そして、この異性体混合物を、液体クロマトグラフィー又は液体二酸化硫黄によるキレトロピー反応(Cheletropic reaction)を利用して分離精製することによって、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成する方法が報告されている。
【0008】
更に、下記の非特許文献2には、上記非特許文献1と同様の(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの合成方法、及び(2E)-6-[(テトラヒドロピラニル)オキシ]-2-ヘキセニルトリフェニルホスホニウム=ブロミドに、塩基としてn-ブチルリチウムを作用させイリドを調製し、続いて、該イリドを、(4Z)-4-デセナールとウィッティッヒ反応させて、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
P.S.Beevor et al.,J.Chem.Ecol,12,1986,1-23.
Yao-Pin Yen et al.,Synth.Commun.,22,1992,1567-1581.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、非特許文献1及び非特許文献2に記載された(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの合成方法は、二重結合部分の幾何構造が(4E,6Z,10Z)となる幾何異性体が主生成物として得られるため、ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質の幾何異性体比率とするには、別途(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成し、所望の幾何異性体比率になるように混合する必要があった。
(【0011】以降は省略されています)

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