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公開番号2024063367
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2022171247
出願日2022-10-26
発明の名称熱硬化性マレイミド樹脂組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類C08F 290/06 20060101AFI20240502BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた誘電特性と耐熱性を有し、銅に対しても強い接着力を有する熱硬化性マレイミド樹脂組成物の提供。
【解決手段】
(A)1分子中に反応性官能基を1つ以上有する変性されたスチレン系エラストマー、
(B)分子鎖末端に反応性二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂、
(C)1分子中にダイマー酸骨格由来の炭化水素基を1個以上有し、数平均分子量が300~10,000であるマレイミド化合物、及び、
(D)反応開始剤
を含む熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)1分子中に反応性官能基を1つ以上有する変性されたスチレン系エラストマー:100質量部、
(B)分子鎖末端に反応性二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂:10~200質量部、
(C)1分子中にダイマー酸骨格由来の炭化水素基を1個以上有し、数平均分子量が300~10,000であるマレイミド化合物:1~100質量部、及び、
(D)反応開始剤:0.01~20質量部
を含む熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
(A)成分のスチレン系エラストマーが、スチレンと、炭素-炭素の二重結合を有する化合物との共重合体であって、アミノ基、カルボキシル基、アルケニル基、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基及びマレイミド基から選ばれる1種以上の反応性官能基を含むものである請求項1に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)成分のポリフェニレンエーテル樹脂が下記一般式(1)で示される構造のものである請求項1に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
TIFF
2024063367000016.tif
26
140
(式(1)中、Xは炭素数1以上の有機基であって、酸素原子を含む窒素原子、リン原子、硫黄原子等他の原子を含んでいてもよく、m及びpは、それぞれ0又は1であり、Yは、下記式(2)で表されるものであり、n及びoはそれぞれ、0~40の数であり、Zは、下記式(3)で表されるものである。)
TIFF
2024063367000017.tif
66
132
(式(2)及び式(3)中のR
1
~R
12
はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、Z’は単結合又は炭素数1~30の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは環状の炭化水素基である。)
【請求項4】
(C)成分が下記式(4)の構造のものである請求項1に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
TIFF
2024063367000018.tif
32
131
(式(4)中、Bは独立して環状構造を有する4価の有機基であり、Dは独立して炭素数6~200の2価炭化水素基であり、少なくとも1つはダイマー酸骨格由来の炭化水素基である。nは0~100である。)
【請求項5】
式(4)中のBは下記構造式で示される4価の有機基のいずれかである請求項4に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
TIFF
2024063367000019.tif
124
133
(上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(4)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
【請求項6】
前記(D)成分が、有機過酸化物である請求項1に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する未硬化樹脂フィルム。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含有する硬化樹脂フィルム。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する接着剤。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する接着フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性マレイミド樹脂組成物並びに、その樹脂組成物を含有する未硬化及び硬化樹脂フィルム、接着剤、封止材、及び、基板に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、5Gという次世代の移動通信システムが流行しており、高速、大容量、低遅延通信を実現しようとしている。これらを実現するためには、高周波帯用の材料が必要であり、ノイズ対策として伝送損失の低減が必須となるために、誘電特性の優れた(低比誘電率かつ低誘電正接)絶縁材料の開発が求められている。求められる主な特性としては、例えば、ピール強度、低吸水性、低熱膨張率性、耐熱性などが挙げられる。
【0003】
その中でも基板用途で、このような誘電特性の優れた絶縁材料が求められている。リジッド基板やフレキシブル基板などの基板に対して誘電特性の優れた絶縁材料が求められており、反応性ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、液晶ポリマー(LCP)や特性を改良した変性ポリイミド(MPI)と呼ばれる製品が使用されるようになってきている。
【0004】
耐熱性の観点から高いガラス転移点(Tg)の要求も高まっている。基板用途では高温でのリフロー工程を経ることから150℃以上のTgを有することが望ましい。このような背景から、Tgが高く、接着力、誘電特性が優れる接着剤が報告されているが(特許文献1~4)、その多くは、エポキシ樹脂、その他の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の組合せである。これらの組成は周波数10GHz以下の領域では優れた誘電特性を有するが、5G以降ではさらにミリ波と呼ばれる28GHz以上の周波数領域での優れた誘電特性を有することが求められている。しかし、一般的に高周波で優れた誘電特性を示す材料は銅箔に代表される金属への接着性に乏しく、高Tg、低誘電特性、銅箔への高い接着性を示す樹脂組成物は提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-248141号公報
特開2011-68713号公報
国際公開第2016/17473号
特開2016-79354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、優れた誘電特性と耐熱性を有し、銅に対しても強い接着力を有する熱硬化性マレイミド樹脂組成物並びにそれを含む未硬化及び硬化樹脂フィルム、接着剤、接着フィルム、封止材、及び、基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記熱硬化性マレイミド樹脂組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記の熱硬化性マレイミド樹脂組成物等を提供するものである。
【0008】
<1>
(A)1分子中に反応性官能基を1つ以上有する変性されたスチレン系エラストマー:100質量部、
(B)分子鎖末端に反応性二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂:10~200質量部、
(C)1分子中にダイマー酸骨格由来の炭化水素基を1個以上有し、数平均分子量が300~10,000であるマレイミド化合物:1~100質量部、及び、
(D)反応開始剤:0.01~20質量部
を含む熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
<2>
(A)成分のスチレン系エラストマーが、スチレンと、炭素-炭素の二重結合を有する化合物との共重合体であって、アミノ基、カルボキシル基、アルケニル基、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基及びマレイミド基から選ばれる1種以上の反応性官能基を含むものである<1>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
<3>
前記(B)成分のポリフェニレンエーテル樹脂が下記一般式(1)で示される構造のものである<1>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
TIFF
2024063367000001.tif
24
140
(式(1)中、Xは炭素数1以上の有機基であって、酸素原子を含む窒素原子、リン原子、硫黄原子等他の原子を含んでいてもよく、m及びpは、それぞれ0又は1であり、Yは、下記式(2)で表されるものであり、n及びoはそれぞれ、0~40の数であり、Zは、下記式(3)で表されるものである。)
TIFF
2024063367000002.tif
66
131
(式(2)及び式(3)中のR
1
~R
12
はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、Z’は単結合又は炭素数1~30の直鎖状、炭素数3~10の分岐状もしくは環状の炭化水素基である。)
<4>
(C)成分が下記式(4)の構造のものである<1>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
TIFF
2024063367000003.tif
32
131
(式(4)中、Bは独立して環状構造を有する4価の有機基であり、Dは独立して炭素数6~200の2価炭化水素基であり、少なくとも1つはダイマー酸骨格由来の炭化水素基である。nは0~100である。)
<5>
式(4)中のBは下記構造式で示される4価の有機基のいずれかである<4>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
TIFF
2024063367000004.tif
124
133
(上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(4)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
<6>
前記(D)成分が、有機過酸化物である<1>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
<7>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する未硬化樹脂フィルム。
<8>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含有する硬化樹脂フィルム。
<9>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する接着剤。
<10>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する接着フィルム。
<11>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有するプリプレグ。
<12>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する封止材。
<13>
<1>~<6>のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含有する基板。
【発明の効果】
【0009】
本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、優れた誘電特性と耐熱性を有し、銅に対しても強い接着力を有するので、未硬化及び硬化樹脂フィルム、接着剤、接着フィルム、封止材、及び、基板として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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