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公開番号2024063324
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2022171167
出願日2022-10-26
発明の名称発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法及び発泡粒子成形体の製造方法
出願人株式会社ジェイエスピー
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類B29C 44/60 20060101AFI20240502BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】発泡粒子成形体の物性を損なうことなく型内成形時に用いられるスチーム量の削減が可能な型内成形条件を容易に見出すことができる発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法を提供する。
【解決手段】型内成形条件の設定方法は、基準条件導出ステップS1と、スチーム低減条件範囲導出ステップS2と、型内成形条件導出ステップS3とを有する。ステップS1では、保圧工程を行わずに目標融着率XT以上の融着率X1を有する発泡粒子成形体を作製可能な基準条件を導出する。ステップS2では、基準条件の少なくとも一部を変更し、基準条件よりも少ない合計スチーム量で所定の融着率X2を有する発泡粒子成形体を作製可能なスチーム低減条件範囲を導出する。ステップS3では、スチーム低減条件に保圧工程を付加し、目標融着率XT以上の融着率を有する発泡粒子成形体を作製可能な型内成形条件を導出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1の型と、前記第1の型との間に成形空間を形成可能に構成された第2の型とを備えた成形型を用い、前記第1の型側から前記成形空間にスチームを供給して前記成形空間内の発泡粒子を加熱する第1の一方加熱工程と、前記第1の一方加熱工程の後に前記第2の型側から前記成形空間にスチームを供給して前記成形空間内の発泡粒子を加熱する第2の一方加熱工程と、前記第2の一方加熱工程の後に、前記第1の型側及び前記第2の型側の両方から前記成形空間にスチームを供給して前記成形空間内の発泡粒子を加熱する本加熱工程と、前記本加熱工程において供給されたスチームを前記成形型内に保持する保圧工程とを含む方法によりポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内成形してX

[%]以上の融着率を有する発泡粒子成形体を得るために、発泡粒子成形体の型内成形条件を設定する設定方法であって、
前記設定方法は、基準条件導出ステップ、スチーム低減条件範囲導出ステップ及び型内成形条件導出ステップを含み、
前記基準条件導出ステップにおいて、第1の一方加熱工程のスチーム圧力及びスチーム量と、第2の一方加熱工程のスチーム圧力及びスチーム量と、本加熱工程のスチーム圧力及びスチーム量とをスチーム加熱条件として含み、保圧工程を実質的に行わずに融着率X

[%]がX

[%]以上である発泡粒子成形体を作製可能な成形条件を基準条件として導き、
前記スチーム低減条件範囲導出ステップにおいて、前記基準条件のスチーム加熱条件のうち少なくとも一部のスチーム加熱条件を、第1の一方加熱工程のスチーム量と、第2の一方加熱工程のスチーム量と、本加熱工程のスチーム量との合計である合計スチーム量が前記基準条件における合計スチーム量よりも少なくなるように変更し、保圧工程を実質的に行わずに10%以上の融着率X

[%]を有する発泡粒子成形体を作製可能な成形条件であるスチーム低減条件の範囲をスチーム低減条件範囲として導き、
前記型内成形条件導出ステップにおいて、前記スチーム低減条件範囲導出ステップで導かれた各スチーム低減条件による第1の一方加熱工程、第2の一方加熱工程及び本加熱工程に、保圧工程の保圧時間t

が前記スチーム低減条件における保圧時間よりも長くなるように保圧工程を付加し、融着率がX

[%]以上である発泡粒子成形体を作製可能な成形条件の範囲を型内成形条件として導く、発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記スチーム低減条件は、
要件1:前記スチーム低減条件における第1の一方加熱工程のスチーム圧力Pa

[MPa(G)]が前記基準条件における第1の一方加熱工程のスチーム圧力Pa

[MPa(G)]の0.7倍以上1.3倍以下である、
要件2:前記スチーム低減条件における第1の一方加熱工程のスチーム量Wa

[kg]が前記基準条件における第1の一方加熱工程のスチーム量Wa

[kg]よりも少ない、要件3:前記スチーム低減条件における第2の一方加熱工程のスチーム圧力Pb

[MPa(G)]が前記基準条件における第2の一方加熱工程のスチーム圧力Pb

[MPa(G)]の0.7倍以上1.3倍以下である、及び
要件4:前記スチーム低減条件における第2の一方加熱工程のスチーム量Wb

[kg]が前記基準条件における第2の一方加熱工程のスチーム量Wb

[kg]よりも少ない、の4つの要件を満たしている、請求項1に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【請求項3】
前記スチーム低減条件は、前記基準条件での型内成形により得られる発泡粒子成形体の融着率X

[%]と、前記スチーム低減条件での型内成形により得られる発泡粒子成形体の融着率X

[%]との差X

-X

が5%以上70%以下となるように構成されている、請求項1または2に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【請求項4】
前記スチーム低減条件は、
要件5:前記スチーム低減条件における本加熱工程のスチーム圧力Pm

[MPa(G)]が前記基準条件における本加熱工程のスチーム圧力Pm

[MPa(G)]の0.7倍以上1.3倍以下である、及び
要件6:前記スチーム低減条件における本加熱工程のスチーム量Wm

[kg]が前記基準条件における本加熱工程のスチーム量Wm

[kg]の0.7倍以上1.3倍以下である、の2つの要件を満たしている、請求項1または2に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【請求項5】
前記スチーム低減条件は、
要件7:前記スチーム低減条件における合計スチーム量[kg]が前記基準条件における合計スチーム量[kg]の0.8倍以下である、の要件を満たしている、請求項1または2に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【請求項6】
前記スチーム低減条件は、
要件8:前記スチーム低減条件における本加熱工程のスチーム量Wm

[kg]が前記スチーム低減条件における第1の一方加熱工程のスチーム量Wa

[kg]の0.8倍以上4倍以下である、の要件を満たしている、請求項1または2に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法を用いて設定された前記型内成形条件によりポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内成形して発泡粒子成形体を製造する、発泡粒子成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法及び発泡粒子成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内成形してなるポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体は、軽量であると共に、圧縮物性等に優れることから、自動車資材、建築資材、物流資材等、種々の分野で用いられている。発泡粒子の型内成形には、第1の型と第2の型とを備え、第1の型と第2の型との間に所望の成形体の形状に対応した成形キャビティが形成されるように構成された成形型が用いられる。このような成形型の成形キャビティに発泡粒子を充填した後、成形型における第1の型及び第2の型に所定の順序でスチームを供給して成形型内の発泡粒子を加熱することにより、所望の形状を備えた成形体を得ることができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-237468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、発泡粒子成形体の製造に要するエネルギーを削減することが望まれており、かかる観点から、成形体の物性を損なうことなく型内成形時に用いられるスチーム量を削減することが求められている。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、発泡粒子成形体の物性を損なうことなく型内成形時に用いられるスチーム量の削減が可能な型内成形条件を容易に見出すことができる発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法、及び発泡粒子成形体の物性を損なうことなく型内成形時に用いられるスチーム量を削減することができる発泡粒子成形体の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、以下の〔1〕~〔6〕に係る発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法にある。
【0007】
〔1〕第1の型と、前記第1の型との間に成形空間を形成可能に構成された第2の型とを備えた成形型を用い、前記第1の型側から前記成形空間にスチームを供給して前記成形空間内の発泡粒子を加熱する第1の一方加熱工程と、前記第1の一方加熱工程の後に前記第2の型側から前記成形空間にスチームを供給して前記成形空間内の発泡粒子を加熱する第2の一方加熱工程と、前記第2の一方加熱工程の後に、前記第1の型側及び前記第2の型側の両方から前記成形空間にスチームを供給して前記成形空間内の発泡粒子を加熱する本加熱工程と、前記本加熱工程において供給されたスチームを前記成形型内に保持する保圧工程とを含む方法によりポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内成形してX

[%]以上の融着率を有する発泡粒子成形体を得るために、発泡粒子成形体の型内成形条件を設定する設定方法であって、
前記設定方法は、基準条件導出ステップ、スチーム低減条件範囲導出ステップ及び型内成形条件導出ステップを含み、
前記基準条件導出ステップにおいて、第1の一方加熱工程のスチーム圧力及びスチーム量と、第2の一方加熱工程のスチーム圧力及びスチーム量と、本加熱工程のスチーム圧力及びスチーム量とをスチーム加熱条件として含み、保圧工程を実質的に行わずに融着率X

[%]がX

[%]以上である発泡粒子成形体を作製可能な成形条件を基準条件として導き、
前記スチーム低減条件範囲導出ステップにおいて、前記基準条件のスチーム加熱条件のうち少なくとも一部のスチーム加熱条件を、第1の一方加熱工程のスチーム量と、第2の一方加熱工程のスチーム量と、本加熱工程のスチーム量との合計である合計スチーム量が前記基準条件における合計スチーム量よりも少なくなるように変更し、保圧工程を実質的に行わずに10%以上の融着率X

[%]を有する発泡粒子成形体を作製可能な成形条件であるスチーム低減条件の範囲をスチーム低減条件範囲として導き、
前記型内成形条件導出ステップにおいて、前記スチーム低減条件範囲導出ステップで導かれた各スチーム低減条件による第1の一方加熱工程、第2の一方加熱工程及び本加熱工程に、保圧工程の保圧時間t

が前記スチーム低減条件における保圧時間よりも長くなるように保圧工程を付加し、融着率がX

[%]以上である発泡粒子成形体を作製可能な成形条件の範囲を型内成形条件として導く、発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【0008】
〔2〕前記スチーム低減条件は、
要件1:前記スチーム低減条件における第1の一方加熱工程のスチーム圧力Pa

[MPa(G)]が前記基準条件における第1の一方加熱工程のスチーム圧力Pa

[MPa(G)]の0.7倍以上1.3倍以下である、
要件2:前記スチーム低減条件における第1の一方加熱工程のスチーム量Wa

[kg]が前記基準条件における第1の一方加熱工程のスチーム量Wa

[kg]よりも少ない、要件3:前記スチーム低減条件における第2の一方加熱工程のスチーム圧力Pb

[MPa(G)]が前記基準条件における第2の一方加熱工程のスチーム圧力Pb

[MPa(G)]の0.7倍以上1.3倍以下である、及び
要件4:前記スチーム低減条件における第2の一方加熱工程のスチーム量Wb

[kg]が前記基準条件における第2の一方加熱工程のスチーム量Wb

[kg]よりも少ない、の4つの要件を満たしている、〔1〕に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【0009】
〔3〕前記スチーム低減条件は、前記基準条件での型内成形により得られる発泡粒子成形体の融着率X

[%]と、前記スチーム低減条件での型内成形により得られる発泡粒子成形体の融着率X

[%]との差X

-X

が5%以上70%以下となるように構成されている、〔1〕または〔2〕に記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
〔4〕前記スチーム低減条件は、
要件5:前記スチーム低減条件における本加熱工程のスチーム圧力Pm

[MPa(G)]が前記基準条件における本加熱工程のスチーム圧力Pm

[MPa(G)]の0.7倍以上1.3倍以下である、及び
要件6:前記スチーム低減条件における本加熱工程のスチーム量Wm

[kg]が前記基準条件における本加熱工程のスチーム量Wm

[kg]の0.7倍以上1.3倍以下である、の2つの要件を満たしている、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
【0010】
〔5〕前記スチーム低減条件は、
要件7:前記スチーム低減条件における合計スチーム量[kg]が前記基準条件における合計スチーム量[kg]の0.8倍以下である、の要件を満たしている、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
〔6〕前記スチーム低減条件は、
要件8:前記スチーム低減条件における本加熱工程のスチーム量Wm

[kg]が前記スチーム低減条件における第1の一方加熱工程のスチーム量Wa

[kg]の0.8倍以上4倍以下である、の要件を満たしている、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の発泡粒子成形体の型内成形条件の設定方法。
(【0011】以降は省略されています)

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