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公開番号2025181907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2025155620,2022079453
出願日2025-09-19,2022-05-13
発明の名称電力系統安定化装置、電力系統安定化方法、およびプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02J 3/30 20060101AFI20251204BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力系統の周波数の変動に応じた補償電力を提供することができる電力系統安定化装置を提供する。
【解決手段】電力系統安定化装置は、交流電力系統の系統周波数を検出する周波数検出器と、前記系統周波数に基づいて、回転機械の回転数を調整する周波数指令値を算出する演算部と、前記交流電力系統と前記回転機械との間に設けられ、前記周波数指令値に基づいて前記回転機械の回転数を調整する電力変換器と、を備え、前記回転機械は空気調和機の圧縮機であり、前記演算部は、前記空気調和機の制御装置が出力する回転数指令値を、前記系統周波数の変動に比例して補正した前記周波数指令値を算出する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
交流電力系統の系統周波数を検出する周波数検出器と、
前記系統周波数に基づいて、回転機械の回転数を調整する周波数指令値を算出する演算部と、
前記交流電力系統と前記回転機械との間に設けられ、前記周波数指令値に基づいて前記回転機械の回転数を調整する電力変換器と、
を備え、
前記回転機械は空気調和機の圧縮機であり、
前記演算部は、前記空気調和機の制御装置が出力する回転数指令値を、前記系統周波数の変動に比例して補正した前記周波数指令値を算出する、
電力系統安定化装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記演算部は、前記回転数指令値の計算に用いられる前記空気調和機の出力の目標値を、前記系統周波数の変動に比例してさらに補正する、
請求項1に記載の電力系統安定化装置。
【請求項3】
前記電力系統安定化装置および電気設備を有する施設において、前記施設全体が前記交流電力系統との間で授受する有効電力を検出する有効電力検出器と、
前記有効電力に基づいて、前記周波数指令値の補正量を算出する有効電力補償器と、
をさらに備え、
前記演算部は、前記交流電力系統の前記系統周波数と、前記補正量とに基づいて前記周波数指令値を算出する、
請求項1または2に記載の電力系統安定化装置。
【請求項4】
交流電力系統と電気設備との間に設けられ、前記電気設備に交流電力または直流電力を供給する電力変換器と、
前記交流電力系統の系統周波数を検出する周波数検出器と、
前記系統周波数に基づいて、前記電気設備に供給する前記交流電力の周波数指令値、または前記直流電力の電流指令値を算出して前記電力変換器に出力する演算部と、
を備える電力系統安定化装置。
【請求項5】
交流電力系統の系統周波数を検出するステップと、
前記系統周波数に基づいて、回転機械の回転数を調整する周波数指令値を算出するステップと、
前記交流電力系統と前記回転機械との間に設けられ、前記周波数指令値に基づいて前記回転機械の回転数を調整するステップと、
を有し、
前記回転機械は空気調和機の圧縮機であり、
前記周波数指令値を算出するステップは、前記空気調和機の制御装置が出力する回転数指令値を、前記系統周波数の変動に比例して補正した前記周波数指令値を算出する、
電力系統安定化方法。
【請求項6】
交流電力系統の系統周波数を検出するステップと、
前記系統周波数に基づいて、回転機械の回転数を調整する周波数指令値を算出するステップと、
前記交流電力系統と前記回転機械との間に設けられ、前記周波数指令値に基づいて前記回転機械の回転数を調整するステップと、
を電力系統安定化装置に実行させるプログラムであって、
前記回転機械は空気調和機の圧縮機であり、
前記周波数指令値を算出するステップは、前記空気調和機の制御装置が出力する回転数指令値を、前記系統周波数の変動に比例して補正した前記周波数指令値を算出する、
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力系統安定化装置、電力系統安定化方法、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統は、電力需要に応じて発電所がガバナフリー運転を行い、発電出力を瞬時に調整することにより、送配電系統の周波数が維持されている。オフィスや工場、一般家庭等における電力需要は時々刻々と変動する。送配電系統の電力需要が電力供給を超過すると、送配電系統の周波数は基準値(例えば、50Hzまたは60Hz)よりも低下し、逆に、電力供給が電力需要を超過すると周波数は基準値より上昇する。発電所は、時々刻々と変動する需要に供給をバランスさせるよう、周波数に応じて発電電力を調整している(例えば、特許文献1を参照)。調整が理想的に行われた場合には、周波数は基準値に一致する。
【0003】
ガバナフリー運転で調整することができる電力需給の変動幅には限度がある。このため、日中と夜間のような長周期の電力需要の変動は、発電所を追加起動または停止させる等で処置して、時々刻々と変動する需要はガバナフリーで調節できる範囲に維持されている。
【0004】
このように、ガバナフリー運転は電力系統の需給調整の中心的な役割を果たしているが、発電機の慣性も、時々刻々と変動する需要の調整に役立っている。発電機の慣性は、発電所の発電機とタービンなどの回転子の運動エネルギーを表すものである。回転子はタービン入力と電気出力の差で加減速するが、差がマイナスになれば回転子の運動エネルギーが放出され回転数が減り、逆にプラスになれば回転数が増える。つまり、回転子の回転数(≒周波数)が変化すると、運動方程式に従って、回転変化を補償する(抑制する)ように運動エネルギーが放出される。例えば電力需要増により系統の周波数が低下すると、回転子速度も系統の周波数に同期して低下する。このとき、慣性が大きければ、運動エネルギーをより多く放出して需要増を補償するので、電力系統の周波数の変動は小さい。このように発電機の慣性は周波数変動を防ぐために重要である。
【0005】
今後、脱炭素社会に向けて太陽光発電や風力発電のような変動性の発電の占める割合が年々増えるが、それらの発電量の変動が受け入れられるよう、ガバナフリー運転の能力や発電機慣性を改善し、時々刻々の需給調整の能力の向上も並行的に進めなければならない。
【0006】
電力系統の需給調整は、電力系統の周波数に基づいて行われる。電力系統の周波数fの最もシンプルなモデルの一つは次式(1)で表される。ΔP

は供給電力の変動、ΔP

は需要電力の変動、J
whоle
は系統の慣性、そして電力系統の基準周波数は60Hzである。
【0007】
TIFF
2025181907000002.tif
14
170
【0008】
需要電力の変動ΔP

は次式(2)で近似される。kは負荷周波数特性と呼ばれる正の定数であり、周波数変動を相殺するよう負荷が自律的に電力需要を増減する性質を表している。
【0009】
TIFF
2025181907000003.tif
9
170
【0010】
周波数fの原点を60Hzとし、需給変動ΔP

-ΔP
L0
を記号dで表すと、式(1)と式(2)から、式(3)の周波数の伝達関数モデルが得られる。sはラプラス演算子である。
(【0011】以降は省略されています)

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