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公開番号2025181711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2025084417
出願日2025-05-20
発明の名称ポリアセタールの製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 2/28 20060101AFI20251204BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】カチオン活性触媒を用いたポリアセタールの製造方法において、カチオン活性触媒を効果的に失活・洗浄して熱安定性に優れたポリアセタールを製造する。
【解決手段】トリオキサンを含む少なくとも1種の環状エーテル及び/又は環状ホルマールを、少なくとも1種のカチオン活性触媒の存在下で、重合させる重合工程と、該重合工程により得られた粗ポリアセタールを、塩基性化合物を脂肪族炭化水素溶媒に溶解又は懸濁させた失活・洗浄液と接触させて、前記カチオン活性触媒の失活・洗浄を同一工程内で行なう失活・洗浄工程と、を含むことを特徴とするポリアセタールの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
トリオキサンを含む少なくとも1種の環状エーテル及び/又は環状ホルマールを、少なくとも1種のカチオン活性触媒の存在下で、重合させる重合工程と、
該重合工程により得られた粗ポリアセタールを、塩基性化合物を脂肪族炭化水素溶媒に溶解又は懸濁させた失活・洗浄液と接触させて、前記カチオン活性触媒の失活・洗浄を同一工程内で行なう失活・洗浄工程と、
を含むことを特徴とするポリアセタールの製造方法。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記失活・洗浄工程において、前記粗ポリアセタールを、前記失活・洗浄液と、スラリー状態で接触させる、請求項1に記載のポリアセタールの製造方法。
【請求項3】
前記脂肪族炭化水素溶媒が、n-ヘキサン、シクロヘキサン、及びn-デカンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアセタールの製造方法。
【請求項4】
前記塩基性化合物が、アミン化合物及びホスフィン化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアセタールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はポリアセタールの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は、剛性、強度、靭性、摺動性、及びクリープ性等に優れた樹脂材料であり、自動車部品や電気・電子機器及び各種機構部品を中心に広範に亘って使用されている。しかし、近年かかる部品における要求特性は高度化かつ多様化しており、ポリアセタール樹脂特有の問題である、熱分解や紫外線分解や自然劣化などにより発生するホルムアルデヒドの抑制を求める声が日増しに高まっており、添加剤による改良が継続的に実施されている。一方で、ポリアセタール樹脂の使用状況によっては添加剤由来の問題点が生じる事も少なくなく、添加剤に頼らないホルムアルデヒドの抑制が求められてきている。
【0003】
ポリアセタールは、トリオキサンを含む少なくとも1種の環状エーテル及び/又は環状ホルマールを少なくとも1種のカチオン活性触媒の存在下で、重合させて、ポリアセタール重合体又は共重合体を得ることは公知であり、種々の方法が提案されている。これらのうち、実質上溶媒を使用しない塊状重合又はモノマーに対して、20%以下の溶媒を用いる準塊状重合が工業的に望ましい方法である。更に、重合により得られたポリアセタール重合体又は共重合体の粗重合体は、解重合を阻止するために触媒を失活させる必要がある。
【0004】
触媒の失活方法については、従来から種々の方法が提案されている。例えば、固体の失活剤として、亜硫酸金属塩を用いる方法(特許文献1参照)が提案されている。一方、アルカリ金属化合物の水溶液又はアルコール性化合物溶液を添加する方法(特許文献2参照)が、さらに三級ホスフィン化合物を、特定のSP値(溶解度パラメータ)である有機溶媒に溶解して添加する方法(特許文献3参照)が提案されている。
【0005】
また、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化カルシウム等の塩基性中和剤を含む水溶液中、あるいは有機溶媒中で失活する方法(特許文献4参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63-27519号公報
特開2000-327732号公報
特許第4247586号公報
特開昭58-34819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1、2、及び3に開示されている技術では、失活剤の分散不良によりカチオン活性触媒の失活化が不十分となり、残渣した活性なカチオン活性触媒によるポリアセタールの熱分解を抑制することができていない。
【0008】
また、前記特許文献4は、塩基性失活剤が溶解する観点のみで溶媒について言及しており、カチオン活性触媒に由来する物質を洗浄することについては言及されていない。特に不揮発性のカチオン活性触媒の失活処理を行っても触媒に由来する物質の残留により、ポリアセタールの熱分解が促進される。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カチオン活性触媒の効果的な失活・洗浄により、ポリアセタールの熱安定性を向上させるポリアセタールの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題を解決するために検討を重ね、その結果、ポリアセタールを製造する方法において、塩基性化合物を脂肪族炭化水素溶媒に溶解又は懸濁させた失活・洗浄液を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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