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公開番号
2025181623
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024230892
出願日
2024-12-26
発明の名称
特性予測プログラム、学習済みモデル生成プログラムおよび特性予測システム
出願人
東レ株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
G16C
20/30 20190101AFI20251204BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】破壊モードが複雑になる条件であっても精度を低下させることなく特性を予測することができる特性予測プログラム、学習済みモデル生成プログラムおよび特性予測システムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る特性予測プログラムは、コンピュータに、熱可塑性樹脂組成物を構成する原料の配合条件、製造条件および試験条件を説明変数、動的試験によって得られる計測データの形状を規定する形状パラメータを目的変数とする形状パラメータ予測モデルに、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の配合条件、製造条件および試験条件をそれぞれ入力し、該推定対象の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを取得する形状パラメータ推定ステップと、形状パラメータを説明変数、衝撃吸収特性を目的変数とする衝撃吸収性予測モデルに、形状パラメータを入力して、衝撃吸収特性を取得する特性予測ステップと、を実行させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂組成物の特性を予測する特性予測プログラムであって、
コンピュータに、
熱可塑性樹脂組成物を構成する原料の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件を説明変数、前記熱可塑性樹脂組成物の動的試験によって得られる計測データの形状を規定する形状パラメータを目的変数とする形状パラメータ予測モデルをメモリから読み出し、該形状パラメータ予測モデルに、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件をそれぞれ入力し、該推定対象の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを取得する形状パラメータ推定ステップと、
前記熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを説明変数、前記熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数とする衝撃吸収性予測モデルをメモリから読み出し、該衝撃吸収性予測モデルに、前記形状パラメータ推定ステップによって推定された形状パラメータを入力して、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を取得する特性予測ステップと、
を実行させる特性予測プログラム。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記動的試験は、落錘式衝撃試験、高速圧縮試験、高速引張試験、パンクチャー衝撃試験、シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験のいずれかである、
請求項1に記載の特性予測プログラム。
【請求項3】
前記形状パラメータは、計測データ、ならびに、該計測データを一次微分もしくは二次微分することによって得られる関数処理後データにおける、最大点に対応する荷重値および変位値、最小点に対応する荷重値および変位値、極値の数、規定のデータ区間を多項式近似することで得られる関数の係数および定数項のうち少なくとも一つである、
請求項1に記載の特性予測プログラム。
【請求項4】
前記形状パラメータ予測モデルおよび前記衝撃吸収性予測モデルの学習に用いるデータセットは、各形状パラメータの平均値から標準偏差の3倍よりも離れている値を外れ値として予め除外する処理を行ったデータセットである、
請求項1に記載の特性予測プログラム。
【請求項5】
前記形状パラメータは、既知の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを説明変数、当該熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数として機械学習することによって得られた学習済みモデルを用いて、該学習済みモデルの説明変数の変数重要度を算出し、この変数重要度に基づいて選定される、
請求項1に記載の特性予測プログラム。
【請求項6】
前記形状パラメータは、既知の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを説明変数、当該熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数として機械学習することによって得られた学習済みモデルを用いて、該学習済みモデルの説明変数の数を1変数ずつ追加もしくは削減を繰り返し、最も精度が高い場合の変数の組合せに基づいて選定される、
請求項1に記載の特性予測プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
既知の熱可塑性樹脂組成物の動的試験によって得られた計測データの形状を規定する形状パラメータを説明変数、当該熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数とする、機械学習により得られた学習済みモデルをメモリから読み出し、該学習済みモデルにおける前記説明変数の重要度に基づいて、複数の形状パラメータから形状パラメータを選定する形状パラメータ選定ステップと、
既知の熱可塑性樹脂組成物を構成する原料の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件を説明変数、当該熱可塑性樹脂組成物の前ステップで選定した各形状パラメータを目的変数とする機械学習によって、当該形状パラメータを出力する形状パラメータ予測モデルを、選定された形状パラメータごとに生成する形状パラメータ予測モデル生成ステップと、
選定された形状パラメータを説明変数、当該熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数とする機械学習によって、熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を出力する衝撃吸収性予測モデルを生成する衝撃吸収性予測モデル生成ステップと、
を実行させる学習済みモデル生成プログラム。
【請求項8】
熱可塑性樹脂組成物の特性を予測する特性予測システムであって、
熱可塑性樹脂組成物を構成する原料の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件を説明変数、前記熱可塑性樹脂組成物の動的試験によって得られる計測データの形状を規定する形状パラメータを目的変数とする形状パラメータ予測モデルに、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件をそれぞれ入力し、該推定対象の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを取得する形状パラメータ推定部と、
前記熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを説明変数、前記熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数とする衝撃吸収性予測モデルに、前記形状パラメータ推定部によって推定された形状パラメータを入力して、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を取得する特性予測部と、
を備える特性予測システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、特性予測プログラム、学習済みモデル生成プログラムおよび特性予測システムに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性および機械的強度や寸法安定性などに優れたエンジニアリングプラスチックの一つである。この樹脂組成物は、配合や製造条件によって機械特性が変わるため、要求する特性に合わせた配合や製造条件が選択される。例えば、熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を、機械学習によって生成された学習済みモデルに樹脂組成物の配合条件・製造条件を入力し、該学習済みモデルが出力する予測値を得る技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2024-3697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1では、配合条件・製造条件から直接的に衝撃吸収特性を予測しているが、材料への負荷エネルギーが非常に高い衝撃試験や、高温または低温条件での衝撃試験では、衝撃を受けた際の熱可塑性樹脂組成物の破壊モードが複雑になるため、学習済みモデルによる衝撃吸収特性の予測精度が低くなる場合があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、破壊モードが複雑になる条件であっても精度を低下させることなく特性を予測することができる特性予測プログラム、学習済みモデル生成プログラムおよび特性予測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る特性予測プログラムは、熱可塑性樹脂組成物の特性を予測する特性予測プログラムであって、コンピュータに、熱可塑性樹脂組成物を構成する原料の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件を説明変数、前記熱可塑性樹脂組成物の動的試験によって得られる計測データの形状を規定する形状パラメータを目的変数とする形状パラメータ予測モデルをメモリから読み出し、該形状パラメータ予測モデルに、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の配合条件、当該熱可塑性樹脂組成物の動的試験で用いる成形品の製造条件および試験条件をそれぞれ入力し、該推定対象の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを取得する形状パラメータ推定ステップと、前記熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを説明変数、前記熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数とする衝撃吸収性予測モデルをメモリから読み出し、該衝撃吸収性予測モデルに、前記形状パラメータ推定ステップによって推定された形状パラメータを入力して、推定対象の熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を取得する特性予測ステップと、を実行させる。
【0007】
また、本発明に係る特性予測プログラムは、上記発明において、前記動的試験は、落錘式衝撃試験、高速圧縮試験、高速引張試験、パンクチャー衝撃試験、シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験のいずれかである。
【0008】
また、本発明に係る特性予測プログラムは、上記発明において、前記形状パラメータは、計測データ、ならびに、該計測データを一次微分もしくは二次微分することによって得られる関数処理後データにおける、最大点に対応する荷重値および変位値、最小点に対応する荷重値および変位値、極値の数、規定のデータ区間を多項式近似することで得られる関数の係数および定数項のうち少なくとも一つである。
【0009】
また、本発明に係る特性予測プログラムは、上記発明において、前記形状パラメータ予測モデルおよび前記衝撃吸収性予測モデルの学習に用いるデータセットは、各形状パラメータの平均値から標準偏差の3倍よりも離れている値を外れ値として予め除外する処理を行ったデータセットである。
【0010】
また、本発明に係る特性予測プログラムは、上記発明において、前記形状パラメータは、既知の熱可塑性樹脂組成物の形状パラメータを説明変数、当該熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収特性を目的変数として機械学習することによって得られた学習済みモデルを用いて、該学習済みモデルの説明変数の変数重要度を算出し、この変数重要度に基づいて選定される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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