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公開番号
2025181589
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024163824
出願日
2024-09-20
発明の名称
水解性スパンレース不織布およびその製造方法
出願人
大連瑞光非織造布集団有限公司
代理人
個人
,
個人
主分類
D04H
1/4382 20120101AFI20251204BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約
【課題】速やかに水解できるとともに、湿潤強度が高い水解性スパンレース不織布およびその製造方法を提供する。
【解決手段】水解性スパンレース不織布は、湿式成形およびスパンレースプロセスにより製造され、質量分率で、天然繊維60%~85%と、長さが天然繊維の長さよりも長い再生セルロース繊維15%~40%とを含み、坪量が35gsm~55gsmであり、厚みが0.3mm~0.5mmであり、水解時間が100s未満であり、MD方向の湿潤強度が3.0N~5.0Nであり、CD方向の湿潤強度が2.0N~3.5Nである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
質量分率で、天然繊維60%~85%と、長さが前記天然繊維の長さよりも長い再生セルロース繊維15%~40%とを含み、
坪量が35gsm~55gsmであり、厚みが0.3mm~0.5mmであり、水解時間が100s未満であり、MD方向の湿潤強度が3.0N~5.0Nであり、CD方向の湿潤強度が2.0N~3.5Nであることを特徴とする水解性スパンレース不織布。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記天然繊維は、第1種類の天然繊維と第2種類の天然繊維を含み、前記第1種類の天然繊維の叩解度が前記第2種類の天然繊維の叩解度よりも大きく、
前記再生セルロース繊維は、第1種類の再生セルロース繊維と第2種類の再生セルロース繊維を含み、前記第1種類の再生セルロース繊維の表面が変形せず、前記第2種類の再生セルロース繊維の表面にピットを有することを特徴とする請求項1に記載の水解性スパンレース不織布。
【請求項3】
前記第1種類の天然繊維と前記第2種類の天然繊維との質量比が、1:9~3:7であり、
前記第1種類の天然繊維と前記第2種類の天然繊維は、材質が同じであり、いずれも広葉樹パルプと針葉樹パルプを含み、天然繊維の質量を100%としたとき、広葉樹パルプの質量分率が25%~50%であり、針葉樹パルプの質量分率が50%~75%であることを特徴とする請求項2に記載の水解性スパンレース不織布。
【請求項4】
前記第1種類の再生セルロース繊維と前記第2種類の再生セルロース繊維との質量比が、7:3~9:1であり、
前記第1種類の再生セルロース繊維と前記第2種類の再生セルロース繊維は、材質が同じであり、いずれもリヨセル繊維およびビスコース繊維から選択される1種または2種を含み、
リヨセル繊維の繊度が0.9D~1.5D、長さが3mm~10mmであり、ビスコース繊維の繊度が0.5D~2.0D、長さが3mm~10mmであることを特徴とする請求項2に記載の水解性スパンレース不織布。
【請求項5】
前記水解性スパンレース不織布は、長手方向と幅方向に並ぶ複数の貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の水解性スパンレース不織布。
【請求項6】
前記水解性スパンレース不織布は、厚み方向において、対向する第1表面と第2表面を有し、前記貫通孔と前記第1表面とのなす角が鈍角であり、前記貫通孔と前記第2表面とのなす角が鋭角であることを特徴とする請求項5に記載の水解性スパンレース不織布。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の水解性スパンレース不織布を製造するための水解性スパンレース不織布の製造方法であって、
天然繊維と再生セルロース繊維を所定の質量分率で準備する原料準備工程と、
前記天然繊維および前記再生セルロース繊維を予備処理する予備処理工程と、
予備処理後の天然繊維および再生セルロース繊維を水と十分に混合して濃度が3質量%~6質量%のスラリーを調製するスラリー調製工程と、
段階的に希釈混合して濃度が0.02質量%~0.05質量%の微小乱流のスラリーを得、この微小乱流のスラリーを成形ヘットへ供給するスラリーの仕込み工程と、
微小乱流のスラリーを成形ヘッドからウェブ形成機のウェブ形成機の成形ネットに直接噴射して均一な繊維ウェブを形成し、成形ネットの下方にある脱水装置により繊維ウェブを脱水し、湿度センサーにより湿度を制御する湿式法によるウェブ形成工程と、
脱水した繊維ウェブを水流交絡装置に搬送し、3~7個のウォータージェットヘッドを用いてウォータージェットの圧力が10bar~50barである比較的低圧力のウォータージェットにより繊維ウェブを水流交絡させながら、3~4段の負圧吸引により繊維ウェブを脱水して、成形不織布を得る水流交絡工程と、
前記成形不織布を0.1MPa~0.15MPaのプレス圧力で軽くプレスする軽プレス工程と、
軽くプレスされた成形不織布を赤外線乾燥または熱風貫通式オーブン乾燥により乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする水解性スパンレース不織布の製造方法。
【請求項8】
前記予備処理工程は、
天然繊維を第1種類の天然繊維と第2種類の天然繊維の2つの部分に分けること、
所定の質量分率で準備した再生セルロース繊維を第1種類の再生セルロース繊維と第2種類の再生セルロース繊維の2つの部分に分けること、
前記第1種類の天然繊維の叩解度が前記第2種類の天然繊維の叩解度よりも大きくなるように前記第1種類の天然繊維と前記第2種類の天然繊維をそれぞれ叩解すること、
前記第2種類の再生セルロース繊維を超音波処理してその表面にピットを形成させ、前記第1種類の再生セルロース繊維に表面処理を行わないことを含むことを特徴とする請求項7に記載の水解性スパンレース不織布の製造方法。
【請求項9】
前記水流交絡工程では、ウォータージェットヘッドからの噴射水流と繊維ウェブとのなす角が90°ではないことを特徴とする請求項7に記載の水解性スパンレース不織布の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパンレース不織物製品および生産プロセスの技術分野に関し、より具体的に、水解性スパンレース不織布およびその製造方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
水解性不織布は、水に接するとほぐれ、便器や下水道を詰まらせないものである。
現在、水解性不織布は、天然繊維や再生セルロース繊維などを用いてウェブ形成プロセスにより繊維ウェブを形成した後、さらに、水解性不織布製品が水解性を有しながら、良好な湿潤使用性を有するように繊維ウェブを補強するという最も重要な工程を経る必要がある。現在、一般的に、水解性不織布の補強プロセスとして、主に化学粘着、熱粘着およびスパンレースの3つの方法がある。
【0003】
化学粘着法によって水解性不織布を補強する鍵は、水流のせん断・洗い流しで溶解して繊維を水解状態にする特殊な粘着剤を使用することである。この方法で使用される粘着剤の種類は製品の水解性の良さ・悪さに決定的な役割を果たし、化学試薬の安全性と刺激性も重要な考慮事項である。熱粘着法による水解性不織布は、少量の熱溶融性繊維とセルロース繊維を混合して繊維ウェブに加工し、熱プレスや熱風等の加熱手段で熱溶融性繊維を溶融させてセルロース繊維を粘着・補強することによって製造される。一般的に、熱溶融性繊維として、ES繊維、ポリ乳酸繊維(PLA)、ポリエチレン繊維およびポリプロピレン繊維等がある。しかしながら、熱溶融性繊維は、通常100%の生分解性を有さないため、多量に使用すると、非分解性繊維が汚水処理系に堆積し、汚水処理の負荷が増大する。そこで、スパンレース法は、より環境に優しいから、広く使用されている。しかしながら、従来技術のスパンレース法により製造された不織布は、湿潤強度が低く使用中に壊れやすいか、湿潤強度が高すぎて水解時間が長く便器または下水道を詰まらせる。
従って、水解時間が短く湿潤強度が高い水解性スパンレース不織布およびその製造方法を提供することは急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、速やかに水解できるとともに、湿潤強度が高い水解性スパンレース不織布およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、質量分率で、天然繊維60%~85%と、長さが天然繊維の長さよりも長い再生セルロース繊維15%~40%とを含み、坪量が35gsm~55gsmであり、厚みが0.3mm~0.5mmであり、水解時間が100s未満であり、MD方向の湿潤強度が3.0N~5.0Nであり、CD方向の湿潤強度が2.0N~3.5Nである水解性スパンレース不織布を公開する。
【0006】
また、本発明は、前記水解性スパンレース不織布を製造するための水解性スパンレース不織布の製造方法であって、天然繊維と再生セルロース繊維を所定の質量分率で準備する原料準備工程と、天然繊維および再生セルロース繊維を予備処理する予備処理工程と、予備処理後の天然繊維および再生セルロース繊維を水と十分に混合して濃度が3質量%~6質量%のスラリーを調製するスラリー調製工程と、段階的に希釈混合して濃度が0.02質量%~0.05質量%の微小乱流のスラリーを得、この微小乱流のスラリーを成形ヘットへ供給するスラリーの仕込み工程と、微小乱流のスラリーを成形ヘッドからウェブ形成機の成形ネットに直接噴射して均一な繊維ウェブを形成し、成形ネットの下方にある脱水装置により繊維ウェブを脱水し、湿度センサーにより湿度を制御する湿式法によるウェブ形成工程と、脱水した繊維ウェブを水流交絡装置に搬送し、3~7個のウォータージェットヘッドを用いてウォータージェットの圧力が10bar~50barである比較的低圧力のウォータージェットにより繊維ウェブを水流交絡させながら、3~4段の負圧吸引により繊維ウェブを脱水して、成形不織布を得る水流交絡工程と、成形不織布を0.1MPa~0.15MPaのプレス圧力で軽くプレスする軽プレス工程と、軽くプレスされた成形不織布を赤外線乾燥または熱風貫通式オーブン乾燥により乾燥させる乾燥工程とを含む水解性スパンレース不織布の製造方法を公開する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により提供される水解性スパンレース不織布およびその製造方法は、従来技術に比べて、少なくとも下記の有益な効果を奏する。
【0008】
本発明では、異なる繊度や長さの天然繊維と再生セルロース繊維を組み合わせることで、空間構造において、繊維が絡み合い、緻密な繊維層構造が形成され、繊維配向において、機械進行方向の引張強度が機械進行方向に垂直方向の引張強度よりも高くなる。水流交絡により、比較的低いウォータージェット圧力、複数のウォータージェットヘッド、小さな水流噴射孔間隔の条件で、繊維ウェブを搬送するウェブ支持用ネットを利用することで、不織布の表面に規則的な孔を形成する。これらの孔は、水流条件で水解性スパンレース不織布をより速やかに水解させることができる。負圧吸引により繊維を脱水することで、不織布が飽和嵩高の状態から緻密な状態に変わる。これにより、繊維同士の接触が増加し、繊維同士の結合面積が増大し、繊維の水素結合の結合能が向上する。よって、本発明の水解性スパンレース不織布は、水解時間が100s未満であり、MD方向の湿潤強度が3.0N~5.0Nであり、CD方向の湿潤強度が2.0N~3.5Nであり、速やかに水解できるとともに、湿潤強度が高いものである。
【0009】
もちろん、本発明を実施するいずれの製品は、必ずしも上記の技術的效果をすべて同時に達成する必要がない。
本発明のその他の特徴およびその利点は、以下に図面を参照した本発明の例示的な実施態様についての詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
明細書に組み込まれて明細書の一部を構成する図面は、本発明の実施例を示しており、その説明とともに本発明のメカニズムを説明するために用いられる。
本発明の水解性スパンレース不織布の概略平面図である。
図1の部分拡大図である。
図1の別の部分拡大図である。
本発明により提供される水解性スパンレース不織布の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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