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公開番号
2025181505
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024089534
出願日
2024-05-31
発明の名称
有効なリン酸化サイト数の判定機能を有するキナーゼ活性測定装置及び方法
出願人
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/48 20060101AFI20251204BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】リン酸化サイト数を考慮したキナーゼ活性の測定方法を提供する。
【解決手段】(a)基質タンパク質に対して有効なリン酸化サイト数を対応付ける工程、
(b)基板における基質タンパク質の量を取得する工程、および
(c)前記基板における基質タンパク質に対応する有効なリン酸化サイト数、および前記取得された前記基板における基質タンパク質の量に基づいてキナーゼ活性を推定する工程、
を含んでなる、キナーゼ活性を測定するための方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)基質タンパク質に対して有効なリン酸化サイト数を対応付ける工程、
(b)基板における基質タンパク質の量を取得する工程、および
(c)前記基板における基質タンパク質に対応する有効なリン酸化サイト数、および前記取得された前記基板における基質タンパク質の量に基づいてキナーゼ活性を推定する工程、
を含んでなる、キナーゼ活性を測定するための方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
工程(a)が、前記基質タンパク質におけるすべての有効なリン酸化サイトのリン酸化が可能な期間で前記基質タンパク質とキナーゼを接触させて有効なリン酸化サイト数を算出し、前記基質タンパク質に対して算出された有効なリン酸化サイト数を対応付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)が、基質タンパク質に対する有効なリン酸化サイト数としてあらかじめ設定された値を参照し、前記基質タンパク質に対して参照された有効なリン酸化サイト数を対応付ける工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
基質タンパク質に対する有効なリン酸化サイト数が基質タンパク質とキナーゼの組み合わせごとに対応付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
基板における基質タンパク質の量を取得する取得部と、
基質タンパク質に対して有効なリン酸化サイト数を対応付けて記憶する記憶部から、前記基板における基質タンパク質に対応する有効なリン酸化サイト数を読み出し、当該有効なリン酸化サイト数と、前記取得された前記基板における基質タンパク質の量とに基づいてキナーゼ活性を推定する推定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部をさらに備える、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部はネットワークを介して当該情報処理装置に接続されるものである、請求項5に記載の情報処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、有効なリン酸化サイト数の判定機能を有するキナーゼ活性測定装置及び方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞内では様々な機能を発現するために情報を伝達する分子機構が存在し、タンパク質の翻訳後修飾、特にタンパク質のリン酸化はそのシグナル伝達において重要な役割を果たしている。細胞内シグナル伝達機構は多数の分子が連携する複雑なネットワークを形成しており、多くの疾患ではタンパク質リン酸化酵素であるプロテインキナーゼの変異や過剰発現による活性化によるシグナル伝達異常が関与していると考えられている。
【0003】
このような背景から、従来、キナーゼ活性を測定する手法が開発され使用されている。キナーゼ活性を測定する一般的な方法として、基質となるタンパク質又はペプチドを試料中のキナーゼと反応させ、リン酸化された基質を測定することでキナーゼ活性を測定する方法が用いられている。リン酸化ペプチド又はタンパク質を検出する手段としては、抗リン酸化抗体を用いたELISA、mobility shift assay、ペプチドアレイ、プロテインアレイ、LC-MS等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-50171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、基質となるタンパク質又はペプチド1分子に含まれるリン酸化サイト数は基質の種類によって異なり、一定量の基質タンパク質又はペプチドをキナーゼと反応させても、実際に基質として機能するリン酸化サイト数は基質種により異なっている。基質となるタンパク質又はペプチドにおけるリン酸化アミノ酸の生成速度はリン酸化サイト数の影響を受けるため、従来のキナーゼ活性の測定では、リン酸化サイト数の違いによる影響を考慮できていない。
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、リン酸化サイト数を考慮したキナーゼ活性の測定を可能にすることである。ただし、本明細書及び図面の開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るキナーゼ活性測定方法は、(a)基質タンパク質に対して有効なリン酸化サイト数を対応付ける工程、(b)基板における基質タンパク質の量を取得する工程、および(c)前記基板における基質タンパク質に対応する有効なリン酸化サイト数、および前記取得された前記基板における基質タンパク質の量に基づいてキナーゼ活性を推定する工程、を含んでなる。
【0008】
実施形態に係るキナーゼ活性測定装置は、基板における基質タンパク質の量を取得する取得部と、基質タンパク質に対して有効なリン酸化サイト数を対応付けて記憶する記憶部から、前記基板における基質タンパク質に対応する有効なリン酸化サイト数を読み出し、当該有効なリン酸化サイト数と、前記取得された前記基板における基質タンパク質の量とに基づいてキナーゼ活性を推定する推定部と、を備える情報処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、第1の実施形態に係るキナーゼ活性測定方法のフローの一例を示す図。
図2は、キナーゼと基質タンパク質(BCAR1)とを反応させてリン酸化アミノ酸量および基質タンパク質量の値を測定し、リン酸化アミノ酸数の値を基質タンパク質量の値の関数としてグラフ上にプロットし、得られた直線を表した図。
図3は、キナーゼと基質タンパク質(Abi1)とを反応させてリン酸化アミノ酸量および基質タンパク質量の値を測定し、リン酸化アミノ酸数の値を基質タンパク質量の値の関数としてグラフ上にプロットし、得られた直線を表した図。
図4は、キナーゼと基質タンパク質(Src)とを反応させてリン酸化アミノ酸量および基質タンパク質量の値を測定し、リン酸化アミノ酸数の値を基質タンパク質量の値の関数としてグラフ上にプロットし、得られた直線を表した図。
図5は、活性が同じキナーゼとサイト数が異なる基質タンパク質とを反応させてリン酸化アミノ酸数および基質タンパク質量の値を測定し、リン酸化アミノ酸数の値を基質タンパク質量の値の関数としてグラフ上にプロットした場合、得られる曲線を表した図。
図6は、図5で得られた曲線におけるリン酸化アミノ酸数を、取得したリン酸化サイト数をもとに補正し、正規化することにより得られる曲線を表した図。
図7は、BCAR1、Srcについて得られた、リン酸化サイト数に対するリン酸化反応速度の平均のプロットを表すとともに、初期のリン酸化サイト数を考慮したフィッティングにより、Vmax-Kmを算出した結果を表した図。
図8は、BCAR1について得られた、リン酸化サイト数に対するリン酸化アミノ酸量のプロットを表すとともに、反応途中のリン酸化サイト数の減少を考慮したフィッティングにより、Vmax-Kmを算出した結果を表した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、キナーゼ活性測定装置及びキナーゼ活性測定方法の実施形態について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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