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公開番号
2025181484
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024089499
出願日
2024-05-31
発明の名称
設備温度管理システム、設備温度管理プログラム、設備温度管理方法
出願人
トリニティ工業株式会社
代理人
個人
主分類
G01J
5/48 20220101AFI20251204BHJP(測定;試験)
要約
【課題】設備表面からの放散熱量を短時間で高精度に検出することができる設備温度管理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の設備温度管理システムは、撮像装置、面積算出部及び放散熱量算出部を備える。撮像装置は、第1のARマーカー31を含む設備表面領域31aの可視画像51a及び熱画像を取得するとともに、第2のARマーカーを含む設備周辺領域の可視画像及び熱画像を取得する。面積算出部は、可視画像51a中に写り込んだ第1のARマーカー31の大きさから、放散熱量算出エリアR2の面積を算出する。放散熱量算出部は、放散熱量算出エリアR2の面積、設備表面領域31aの熱画像から算出された設備表面温度、及び設備周辺領域の雰囲気温度から、設備表面10aからの放散熱量を算出する。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
設備の温度を管理するシステムであって、
設備表面に接触して設けられる第1のARマーカーと、
前記設備表面から離間して設けられる第2のARマーカーと、
前記第1のARマーカーを含む設備表面領域を撮像して前記設備表面領域の可視画像及び熱画像を取得するとともに、前記第2のARマーカーを含む設備周辺領域を撮像して前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像を取得する撮像装置と、
前記設備表面領域の可視画像及び熱画像と、前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像とを表示画面上に表示する表示装置と、
前記第1のARマーカーが写り込んだ前記設備表面領域の可視画像における特定領域が前記表示画面上において選択された際に、その選択された前記特定領域を放散熱量算出エリアとして設定する算出エリア設定部と、
前記設備表面領域の可視画像中に写り込んだ前記第1のARマーカーの大きさから、設定された前記放散熱量算出エリアの面積を算出する面積算出部と、
算出された前記放散熱量算出エリアの面積、前記設備表面領域の前記熱画像に基づいて算出された設備表面温度、及び前記設備周辺領域の前記熱画像に基づいて算出された前記設備周辺領域の雰囲気温度から、前記設備表面からの放散熱量を算出する放散熱量算出部と
を備えることを特徴とする設備温度管理システム。
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【請求項2】
前記撮像装置が取得した画像中において、前記第1のARマーカーが含まれる場合に、当該画像が前記設備表面領域の可視画像及び熱画像であると認識し、前記第2のARマーカーが含まれる場合に、当該画像が前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像であると認識する画像自動認識部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の設備温度管理システム。
【請求項3】
前記第1のARマーカーが写り込んだ前記設備表面領域の可視画像が正面視の状態でない場合に、前記算出エリア設定部による前記放散熱量算出エリアの設定前に、当該設備表面領域の可視画像を正面視の状態となるように補正する画像補正部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の設備温度管理システム。
【請求項4】
前記放散熱量算出部が過去において算出した前記放散熱量を記憶する記憶部をさらに備え、
前記表示装置は、現在の前記放散熱量とともに過去の前記放散熱量を前記表示画面上に表示可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の設備温度管理システム。
【請求項5】
現在の前記放散熱量及び過去の前記放散熱量に基づいて、過去から現在までの前記放散熱量の推移を示す推移グラフを生成する推移グラフ生成部をさらに備え、
前記表示装置は、前記推移グラフを前記表示画面上に表示可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の設備温度管理システム。
【請求項6】
前記推移グラフ生成部が生成した前記推移グラフに基づいて、将来における前記放散熱量の推移を予測する推移予測部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の設備温度管理システム。
【請求項7】
前記設備の異常発生を示す前記放散熱量の閾値を設定する閾値設定部と、
前記推移予測部が予測した将来における前記放散熱量と前記閾値とを比較した結果に基づいて、前記設備の異常発生時期を予測する異常発生時期予測部と
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の設備温度管理システム。
【請求項8】
設備の温度を管理するシステムを制御するプロセッサに、
設備表面に接触して設けられる第1のARマーカーを含む設備表面領域を撮像して取得した前記設備表面領域の可視画像及び熱画像と、前記設備表面から離間して設けられる第2のARマーカーを含む設備周辺領域を撮像して取得した前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像と、を表示装置の表示画面上に表示させる画像表示ステップと、
前記第1のARマーカーが写り込んだ前記設備表面領域の可視画像における特定領域が前記表示画面上において選択された際に、その選択された前記特定領域を放散熱量算出エリアとして設定する算出エリア設定ステップと、
前記設備表面領域の可視画像中に写り込んだ前記第1のARマーカーの大きさから、設定された前記放散熱量算出エリアの面積を算出する面積算出ステップと、
算出された前記放散熱量算出エリアの面積、前記設備表面領域の前記熱画像に基づいて算出された設備表面温度、及び前記設備周辺領域の前記熱画像に基づいて算出された前記設備周辺領域の雰囲気温度から、前記設備表面からの放散熱量を算出する放散熱量算出ステップと
を実行させる設備温度管理プログラム。
【請求項9】
設備の温度を管理する方法であって、
設備表面に接触して設けられる第1のARマーカーを含む設備表面領域を撮像して前記設備表面領域の可視画像及び熱画像を取得するとともに、前記設備表面から離間して設けられる第2のARマーカーを含む設備周辺領域を撮像して、前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像を取得する設備周辺撮像ステップと、
前記設備表面領域の可視画像及び熱画像と、前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像と、を表示装置の表示画面上に表示する画像表示ステップと、
前記第1のARマーカーが写り込んだ前記設備表面領域の可視画像における特定領域を前記表示画面上において選択し、その選択された前記特定領域を放散熱量算出エリアとして設定する算出エリア設定ステップと、
前記設備表面領域の可視画像中に写り込んだ前記第1のARマーカーの大きさから、設定された前記放散熱量算出エリアの面積を算出する面積算出ステップと、
算出された前記放散熱量算出エリアの面積、前記設備表面領域の前記熱画像に基づいて算出された設備表面温度、及び前記設備周辺領域の前記熱画像に基づいて算出された前記設備周辺領域の雰囲気温度から、前記設備表面からの放散熱量を算出する放散熱量算出ステップと
を含むことを特徴とする設備温度管理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備の温度を管理する設備温度管理システム、プログラム及び方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、塗装乾燥炉などの設備は、自動車ボディなどのワークに塗布された塗料を乾燥させるために用いられる。このため、乾燥炉には、塗料を確実に乾燥させるために、絶えず熱風が供給されるようになっている。また、乾燥炉の内面全体には、乾燥炉外への熱の逃げを防止するための断熱材(図示略)が貼付されている。ところが、経年変化によって断熱材が劣化すると、断熱材の断熱性が低下して、乾燥炉内の熱が外部に漏れることがある。そこで、乾燥炉の表面をサーモカメラ等で定期的に撮像して温度を確認することにより、熱の漏れを検出する技術が従来提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-111714号公報
特開平6-138003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、乾燥炉の表面温度は複数箇所の測定点だけで測定されるため、乾燥炉の表面から放散される熱量の誤差が大きくなる可能性が高い。なお、測定点を増やせば誤差を小さくすることができるが、測定作業に時間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、設備表面からの放散熱量を短時間で高精度に検出することができる設備温度管理システム、設備温度管理プロググラム及び設備温度管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、設備の温度を管理するシステムであって、設備表面に接触して設けられる第1のARマーカーと、前記設備表面から離間して設けられる第2のARマーカーと、前記第1のARマーカーを含む設備表面領域を撮像して前記設備表面領域の可視画像及び熱画像を取得するとともに、前記第2のARマーカーを含む設備周辺領域を撮像して前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像を取得する撮像装置と、前記設備表面領域の可視画像及び熱画像と、前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像とを表示画面上に表示する表示装置と、前記第1のARマーカーが写り込んだ前記設備表面領域の可視画像における特定領域が前記表示画面上において選択された際に、その選択された前記特定領域を放散熱量算出エリアとして設定する算出エリア設定部と、前記設備表面領域の可視画像中に写り込んだ前記第1のARマーカーの大きさから、設定された前記放散熱量算出エリアの面積を算出する面積算出部と、算出された前記放散熱量算出エリアの面積、前記設備表面領域の前記熱画像に基づいて算出された設備表面温度、及び前記設備周辺領域の前記熱画像に基づいて算出された前記設備周辺領域の雰囲気温度から、前記設備表面からの放散熱量を算出する放散熱量算出部とを備えることを特徴とする設備温度管理システムをその要旨とする。
【0007】
請求項1に記載の発明では、設備表面領域の熱画像に基づいて設備表面温度を算出し、設備周辺領域の熱画像に基づいて雰囲気温度を算出し、設備表面領域の可視画像中に写り込んだ第1のARマーカーの大きさに基づいて放散熱量算出エリアの面積を算出する。そして、放散熱量算出部は、設備表面温度だけではなく、雰囲気温度や放散熱量算出エリアの面積にも基づいて、設備表面からの放散熱量を算出するため、放散熱量を高精度に検出することができる。また、設備表面温度を多数の測定点で測定しなくても、放散熱量の算出が可能となるため、放散熱量を短時間で検出することができる。
【0008】
なお、撮像装置としては、固定式の撮像装置や非固定式の撮像装置が挙げられるが、非固定式の撮像装置を用いることが好ましい。非固定式の撮像装置は固定式のものよりも一般的に安価であるため、設備の温度を低コストで管理することができる。しかも、非固定式の撮像装置を用いる場合には、撮像場所を移動することにより、1台の撮像装置で第1のARマーカー及び第2のARマーカーの全てを撮像することも可能である。よって、第1のARマーカー及び第2のARマーカーの全てを撮像するために多数の撮像装置を設置しなくても済む。従って、固定式の撮像装置を用いる場合と比較して、設備の温度の管理に必要なコストを大幅に低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記撮像装置が取得した画像中において、前記第1のARマーカーが含まれる場合に、当該画像が前記設備表面領域の可視画像及び熱画像であると認識し、前記第2のARマーカーが含まれる場合に、当該画像が前記設備周辺領域の可視画像及び熱画像であると認識する画像自動認識部をさらに備えることをその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、画像自動認識部がARマーカーの種類を判別することにより、撮像装置が取得した画像が、設備表面領域の画像であるか設備周辺領域の画像であるかを認識する。これにより、撮像装置が取得した画像を作業者が判別しなくても済むため、作業者の作業負担を軽減することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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