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公開番号2025180873
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024088534
出願日2024-05-31
発明の名称スポット溶接部材用被覆鋼板およびスポット溶接部材の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23C 24/08 20060101AFI20251204BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】 本発明は、耐遅れ破壊特性に優れたスポット溶接部材用被覆鋼板および前記鋼板を用いたスポット溶接部材の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた皮膜と、を備えるスポット溶接部材用被覆鋼板であって、前記下地鋼板は、C含有量が0.07質量%以上である成分組成を有し、前記皮膜が、Tiおよび/またはTi化合物を含有し、前記皮膜のTiとしての片面当たりの付着量が10~2000mg/m2である、スポット溶接部材用被覆鋼板。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた皮膜と、を備えるスポット溶接部材用被覆鋼板であって、
前記下地鋼板は、C含有量が0.07質量%以上である成分組成を有し、
前記皮膜が、Tiおよび/またはTi化合物を含有し、
前記皮膜のTiとしての片面当たりの付着量が10~2000mg/m

である、
スポット溶接部材用被覆鋼板。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
2枚以上の鋼板を重ね合わせてスポット溶接部材を製造するスポット溶接部材の製造方法であって、
前記2枚以上の鋼板のうち少なくとも1枚は請求項1に記載のスポット溶接部材用被覆鋼板であり、
前記スポット溶接部材用被覆鋼板の皮膜側に他の前記鋼板が配置されるように重ね合わせ、スポット溶接してスポット溶接部材を製造する、スポット溶接部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スポット溶接部材用被覆鋼板およびスポット溶接部材の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
腐食環境に晒されない自動車車体内部には、板厚精度や安価であることを理由に冷延鋼板が用いられている。近年は、自動車のCO

排出量の低減および安全性確保の観点から、自動車に用いられる冷延鋼板の高強度化が図られている。
【0003】
しかしながら、鋼材の強度の増加と共に、遅れ破壊という現象が生じやすくなることが知られている。特に、引張り強さが1180MPa以上の冷延鋼板(高強度鋼板)で遅れ破壊の感受性が顕著となる。なお、遅れ破壊とは、材料、ここでは鋼板が静的な負荷応力(引張り強さ以下の負荷応力)を受けた状態で、ある時間が経過したとき、外見上はほとんど塑性変形を伴うことなく、突然脆性的な破壊が生じる現象をいう。
【0004】
鋼板の遅れ破壊は、プレス加工により所定の形状に成形したときの残留応力と、応力集中部における鋼板の水素脆性により生じるものであることが知られている。遅れ破壊の原因となる水素は、ほとんどの場合、外部環境から鋼板中に侵入、拡散した水素であると考えられており、代表的には、鋼板の腐食の際に発生した水素が鋼板中に侵入、拡散したものである。
【0005】
高強度鋼板における遅れ破壊を防止するために、例えば、特許文献1では、引張強度が1180MPa以上の鋼板の表面に、鋼板表面に0.1NのNa塩の場合にpH3~6.5の範囲でpH緩衝性を有するアニオン化合物を含有する皮膜を形成することにより、鋼板内部への水素侵入を大幅に抑制する技術が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-188707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で提案されている鋼板であれば、外部環境から鋼板内部に侵入する水素量を低減させることが出来るため、腐食環境で用いる鋼板の遅れ破壊を抑制することができると予想された。しかしながら、特許文献1に記載の鋼板で溶接部材を製造したところ、溶接部において遅れ破壊が生じる場合があることが明らかとなった。
【0008】
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、耐遅れ破壊特性に優れたスポット溶接部材用被覆鋼板および前記鋼板を用いたスポット溶接部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
[1] 下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた皮膜と、を備えるスポット溶接部材用被覆鋼板であって、
前記下地鋼板は、C含有量が0.07質量%以上である成分組成を有し、
前記皮膜が、Tiおよび/またはTi化合物を含有し、
前記皮膜のTiとしての片面当たりの付着量が10~2000mg/m

である、
スポット溶接部材用被覆鋼板。
[2] 2枚以上の鋼板を重ね合わせてスポット溶接部材を製造するスポット溶接部材の製造方法であって、
前記2枚以上の鋼板のうち少なくとも1枚は[1]に記載のスポット溶接部材用被覆鋼板であり、
前記スポット溶接部材用被覆鋼板の皮膜側に他の前記鋼板が配置されるように重ね合わせ、スポット溶接してスポット溶接部材を製造する、スポット溶接部材の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐遅れ破壊特性に優れたスポット溶接部材用被覆鋼板を得ることができる。前記スポット溶接部材用被覆鋼板を用いて、所定のスポット溶接部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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