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公開番号
2025180834
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024088442
出願日
2024-05-30
発明の名称
リチウムイオン二次電池用正極活物質、および、全固体リチウムイオン二次電池
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H01M
4/525 20100101AFI20251204BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 リチウムニッケル複合酸化物の粒子と、その粒子表面を被覆する被覆層とを有する正極活物質であって、より高い充放電容量を有し、かつ、サイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池用正極活物質を提供することを目的とする。
【解決手段】 リチウムニッケル複合酸化物の粒子と、リチウムニッケル複合酸化物の粒子表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、リチウムニッケル複合酸化物の粒子は、Liと、Niと、Coと、酸素とを含有し、被覆層は、Liと、Nbと、Zrと、を含む化合物を含有する、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
リチウムニッケル複合酸化物の粒子と、前記リチウムニッケル複合酸化物の粒子表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、
前記リチウムニッケル複合酸化物の粒子は、Liと、Niと、Coと、酸素と、任意に、Mg、Al、Ca、Si、Sc、Ti、V、Fe、Cu、Cr、Mn、Zn、Zr、Nb、MoおよびWからなる群より選ばれた少なくとも1種である元素Mと、を含有し、
前記リチウムニッケル複合酸化物の粒子に含まれる、酸素以外の前記元素の物質量比が、
Li:Ni:Co:M=t:(1-x-y):x:y
(0.95≦t≦1.20、
0<x≦0.22、
0≦y≦0.15)で表され、
前記被覆層は、Liと、Nbと、Zrと、を含む化合物を含有する、
リチウムイオン二次電池用正極活物質。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記被覆層に含まれる、それぞれの前記元素の物質量比が、
Li:Nb:Zr=(a+1):(1-a):a(0.2≦a≦0.8)で表される、
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項3】
前記被覆層に含まれるNbおよびZrの物質量の合計が、前記リチウムニッケル複合酸化物の粒子の表面積1m
2
あたり27μmol以上404μmol以下である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項4】
前記正極活物質の表面に存在するNi、Co、M、NbおよびZrの物質量の合計に対する、前記正極活物質の表面に存在するNbおよびZrの物質量の合計の比率((Nb+Zr)/(Ni+Co+M+Nb+Zr))が、83%以上100%以下である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項5】
炭素含有量が、前記正極活物質全体に対して、0.5質量%以下であり、かつ、水分含有量が、前記正極活物質全体に対して、0.2質量%以下である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項6】
前記リチウムニッケル複合酸化物の粒子の比表面積が0.1m
2
/g以上1.5m
2
/g以下である、請求項1に記載に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項7】
前記リチウムニッケル複合酸化物の粒子は、空間群R-3mに属する結晶構造を有する層状岩塩型化合物である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項8】
少なくとも、正極と、負極と、固体電解質とを備え、前記正極は、請求項1~7のいずれか1項に記載の正極活物質を含む、全固体リチウムイオン二次電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質、および、これを用いた全固体リチウムイオン二次電池に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及にともない、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な二次電池の開発が強く望まれている。このような二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。現在、一般的なリチウムイオン二次電池には、正極活物質にLiCoO
2
、LiNiO
2
、LiMn
2
O
4
といった酸化物が用いられ、負極活物質にリチウム金属やリチウム合金、金属酸化物、あるいはカーボン等が用いられ、電解液にエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO
4
、LiPF
6
などのLi塩を支持塩として溶解させた電解液が用いられている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の構成要素の中で、特に電解液は耐熱性、電位窓などの化学的特性から、高速充電や安全性、寿命といった電池の性能を制限する要因となっている。そこで、電解液に替わり固体電解質を用いることで電池の性能を向上させた全固体リチウムイオン二次電池(以下、全固体電池ともいう)については、現在、研究開発が盛んに行われている。
【0004】
その研究開発の中で、硫化物の固体電解質はリチウムイオンの伝導性が高く、全固体電池に用いるのに好ましいことが、例えば、特許文献1に提案されている。しかし、例えば非特許文献1に開示されているように、硫化物の電解質と酸化物の正極活物質が接触すると、充放電中に電解質と正極活物質との界面において反応が起こり、高抵抗相が生成して電池の作動を阻害してしまうことがある。
【0005】
そこで、例えば、特許文献2では、高抵抗相の生成を抑制するため、正極活物質の表面にLiNbO
3
からなる被覆層を設けることが、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-56661号公報
特開2010-170715号公報
特開2019-139862号公報
【非特許文献】
【0007】
Narumi Ohta et al., “LiNbO3-coated LiCoO2 as cathode material for all solid-state lithium secondary batteries”, Electrochemistry Communications 9 (2007) 1486-1490
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明者らは、反応の阻害のために十分な量のLiNbO
3
のコートを行うと、LiNbO
3
コート層自体が抵抗層となり容量が低下するという傾向があることを見出した。
【0009】
また、例えば、特許文献3では、組成が次式:Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d
O
2
(式中、1.00≦a≦1.02、0.8≦b≦0.9、b+c+d=1である)で表される正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子の表面を部分的に被覆し、ニオブ酸リチウムと、ジルコン酸リチウム及びタングステン酸リチウムの内1種又は2種とを含む被覆層と、を有するリチウムイオン電池用正極活物が開示されている。また、特許文献3によれば、正極活物質粒子の表面を部分的に被覆し、ニオブ酸リチウムと、ジルコン酸リチウム及びタングステン酸リチウムのうち1種又は2種とを含む被覆層が部分的に設けられることにより、充放電サイクルでの反応抵抗増加を抑制し、放電容量およびサイクル特性が改善されるとしている。
【0010】
しかしながら、特許文献3では、被覆層としてニオブ酸リチウムと、ジルコン酸リチウム及び/又はタングステン酸リチウムと含む実施例B1~B3の正極活物質を、被覆層としてニオブ酸リチウムを単独で含む実施例A1の正極活物質と比較した場合、放電容量はほぼ同程度となっており、放電容量のさらなる向上が求められている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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