TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025180604
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024088050
出願日
2024-05-30
発明の名称
車両の制御装置及び制御方法
出願人
マツダ株式会社
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
F16D
48/06 20060101AFI20251204BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】摩擦締結要素が解放状態であるときの、摩擦板同士の焼き付きを抑制する。
【解決手段】車両Vは、駆動源50と、駆動源50からの回転動力が入力される湿式の摩擦締結要素10とを備える。摩擦締結要素10は、締結状態および解放状態になる第1摩擦板14及び第2摩擦板24を含む。解放状態において、第1摩擦板14と第2摩擦板24との回転数差が、第1閾値未満の状態から上昇して、第1閾値よりも大きい第2閾値以上なったときには、第1摩擦板14の回転数を低下させることで回転数差を小さくする回転数抑制制御を実行し、解放状態において、回転数抑制制御を実行した状態で、回転数差が、第1閾値未満になったときには、回転数抑制制御を終了する。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の制御装置であって、
駆動源と、
前記駆動源からの回転動力が入力される湿式の摩擦締結要素と、
前記駆動源を制御する制御部と、を備え、
前記摩擦締結要素は、
締結状態および解放状態になる第1摩擦板及び第2摩擦板と、
前記第1摩擦板と係合し、前記駆動源からの回転動力により前記第1摩擦板と共に回転する第1部材と、
前記第2摩擦板と係合し、前記締結状態において、前記第1部材から回転動力が伝達される第2部材と、
を含み、
前記制御部は、
前記解放状態において、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との回転数差が、第1閾値未満の状態から上昇して、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なったときには、前記第1摩擦板の回転数を低下させることで回転数差を小さくする回転数抑制制御を実行し、
前記解放状態において、前記回転数抑制制御を実行した状態で、前記回転数差が前記第1閾値未満になったときには、前記回転数抑制制御を終了する、車両の制御装置。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
前記制御部は、前記回転数抑制制御において、前記駆動源の出力を低下させることで前記第1摩擦板の回転数を低下させる車両の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両の制御装置において、
前記摩擦締結要素は、前記駆動源の回転動力を変速する自動変速機の一部であり、
前記制御部は、
前記自動変速機を制御するとともに、前記回転数差が、前記第1閾値未満の状態から上昇して、前記第1閾値よりも大きくかつ前記第2閾値よりも小さい第3閾値以上になったときには、前記自動変速機をシフトアップさせ、
前記自動変速機をシフトアップさせた後、前記回転数差が、前記第3閾値を超えて前記第2閾値以上になったときには、前記駆動源の出力を低下させる車両の制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車両の制御装置において、
前記摩擦締結要素は、前記駆動源の回転動力を変速する自動変速機の一部であり、
前記制御部は、前記自動変速機を制御するとともに、前記回転数抑制制御において、前記駆動源の出力を低下させかつ前記自動変速機をシフトアップさせることで前記第1摩擦板の回転数を低下させる車両の制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の車両の制御装置において、
前記制御部は、前記摩擦締結要素の温度が所定温度未満のときには、前記回転数抑制制御を禁止する車両の制御装置。
【請求項6】
請求項2に記載の車両の制御装置において、
前記制御部は、前記摩擦締結要素の温度が所定温度未満のときには、前記回転数抑制制御において、前記摩擦締結要素の温度が前記所定温度以上のときと比較して、前記駆動源の出力を低下させる速度を低くする車両の制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記第2閾値は、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間に供給される潤滑油の粘度、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間隔、及び前記第2摩擦板と前記第2部材との間の静止摩擦を考慮して設定された値である、車両の制御装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記第1閾値は、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間に供給される潤滑油の粘度、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間隔、及び前記第2摩擦板と前記第2部材との間の動摩擦を考慮して設定された値である、車両の制御装置。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記回転数差を検出する回転数差算出部を更に備え、
前記摩擦締結要素は自動変速機の一部であり、
前記回転数差算出部は、前記自動変速機のギヤ段と、前記自動変速機の入力回転数若しくは出力回転数とに基づいて、前記回転数差を算出する、車両の制御装置。
【請求項10】
車両の制御方法であって、
前記車両は、
駆動源と、
前記駆動源からの回転動力が入力される湿式の摩擦締結要素と、を含み、
前記摩擦締結要素は、
締結状態および解放状態になる第1摩擦板及び第2摩擦板と、
前記第1摩擦板と係合し、前記駆動源からの回転動力により前記第1摩擦板と共に回転する第1部材と、
前記第2摩擦板と係合し、前記締結状態において、前記第1部材から回転動力が伝達される第2部材と、
を有し、
前記解放状態において、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との回転数差が、第1閾値未満の状態から上昇して、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なったときには、前記第1摩擦板の回転数を低下させることで回転数差を小さくする回転数抑制制御を実行するステップと、
前記解放状態において、前記回転数抑制制御を実行した状態で、前記回転数差が前記第1閾値未満になったときには、前記回転数抑制制御を終了するステップと、を備える車両の制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、車両の制御装置及び制御方法に関する技術分野に属する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、筒状の外側部材と係合した複数の外側摩擦板と、外側部材の内側に配置された内側部材と係合した複数の内側摩擦板とを締結させて、内側部材から外側部材に動力を伝達する摩擦締結要素が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された油圧クラッチ作動装置では、指示油圧に作動油を調圧する調圧部材を備え、調圧部材は、吐出油を作動油と摩擦係合部に供給される潤滑油とに分けると共に、潤滑油の給油流量を規定する流路面積を変更可能であり、制御装置は、摩擦係合部が係合状態になるとき、流路面積が第1摩擦係合要素(第1摩擦板)の回転速度と第2摩擦係合要素(第2摩擦板)の回転速度との差である回転速度差に基づいて可変に設定される設定面積になるように調圧部材を制御し、摩擦係合部が係合状態になるとき、流路面積を設定面積としている調圧部材により作動油が指示油圧に調圧されるように油圧ポンプを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-149458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、摩擦締結要素が解放状態であるときに、第1摩擦板が高速で回転して、第1摩擦板の回転数と第2摩擦板の回転数との差が大きくなると、第2摩擦板が振動することがある。第2摩擦板が振動すると、第2摩擦板が第1摩擦板に接触して焼き付きを起こすおそれがある。特許文献1に記載のような制御を摩擦締結要素が解放状態であるときに適用すると、回転数差が高いほど、潤滑油の供給量が増大されるようになる。このため、第1摩擦板が高速で回転するときには、潤滑油により第2摩擦板の振動を小さくできる効果が期待される。
【0006】
しかしながら、本願発明者らが鋭意検討したところ、第2摩擦板が振動し始める回転数差と、第2摩擦板が振動し始めてから振動しなくなる回転数差とは異なることが分かった。特許文献1に記載の制御では、第2摩擦板が振動しているときに、潤滑油が不足して、第2摩擦板の振動を十分に抑制できないおそれがある。
【0007】
ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、摩擦締結要素が解放状態であるときの、摩擦板同士の焼き付きを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術の第1の態様は、車両の制御装置を対象として、駆動源と、前記駆動源からの回転動力が入力される湿式の摩擦締結要素と、前記駆動源を制御する制御部と、を備え、前記摩擦締結要素は、締結状態および解放状態になる第1摩擦板及び第2摩擦板と、前記第1摩擦板と係合し、前記駆動源からの回転動力により前記第1摩擦板と共に回転する第1部材と、前記第2摩擦板と係合し、前記締結状態において、前記第1部材から回転動力が伝達される第2部材と、を含み、前記制御部は、前記解放状態において、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との回転数差が、第1閾値未満の状態から上昇して、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なったときには、前記第1摩擦板の回転数を低下させることで回転数差を小さくする回転数抑制制御を実行し、前記解放状態において、前記回転数抑制制御を実行した状態で、前記回転数差が前記第1閾値未満になったときには、前記回転数抑制制御を終了する。
【0009】
第1の態様では、回転数抑制制御を実行した後、回転数差が第2閾値未満となっても、回転数差が第1閾値未満になるまでは、回転数抑制制御が実行される。このため、回転数差を、第2摩擦板が振動しにくい回転数差まで迅速に低下させることができ、第2摩擦板の振動を効率よく抑制できる。したがって、制御装置は、摩擦締結要素が解放状態であるときの、摩擦板同士の焼き付きを抑制できる。
【0010】
ここに開示された技術の第2の態様は、第1の態様において、前記制御部は、前記回転数抑制制御において、前記駆動源の出力を低下させることで前記第1摩擦板の回転数を低下させる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る