TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025180396
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024087711
出願日
2024-05-30
発明の名称
粉末冶金用混合粉末、および焼結部品の製造方法
出願人
住友電気工業株式会社
,
住友電工焼結合金株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B22F
1/00 20220101AFI20251204BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】飛散し難い黒鉛粉末を含む粉末冶金用混合粉末を提供する。
【解決手段】金属粉末と黒鉛粉末とを含み、前記黒鉛粉末は球状黒鉛粉末を含み、前記球状黒鉛粉末の各粒子は、短軸の長さに対する長軸の長さの比で表されるアスペクト比が4以下であり、前記黒鉛粉末に占める前記球状黒鉛粉末の含有割合が70%以上であり、前記黒鉛粉末の見掛密度が0.2g/cm
3
以上であり、前記黒鉛粉末のタップ密度が0.5g/cm
3
以上である、粉末冶金用混合粉末。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
金属粉末と黒鉛粉末とを含み、
前記黒鉛粉末は球状黒鉛粉末を含み、
前記球状黒鉛粉末の各粒子は、短軸の長さに対する長軸の長さの比で表されるアスペクト比が4以下であり、
前記黒鉛粉末に占める前記球状黒鉛粉末の含有割合が70%以上であり、
前記黒鉛粉末の見掛密度が0.2g/cm
3
以上であり、
前記黒鉛粉末のタップ密度が0.5g/cm
3
以上である、
粉末冶金用混合粉末。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記金属粉末は鉄基粉末を含み、
前記鉄基粉末の各粒子は、鉄を50質量%超含む、請求項1に記載の粉末冶金用混合粉末。
【請求項3】
前記粉末冶金用混合粉末に占める前記鉄基粉末の含有割合が90質量%以上である、請求項2に記載の粉末冶金用混合粉末。
【請求項4】
前記金属粉末は銅粉末をさらに含み、
前記粉末冶金用混合粉末に占める前記銅粉末の含有割合が0質量%超8.0質量%以下であり、
前記粉末冶金用混合粉末に占める前記黒鉛粉末の含有割合が0.1質量%以上2.0質量%以下である、請求項3に記載の粉末冶金用混合粉末。
【請求項5】
前記黒鉛粉末の平均粒径は3μm以上40μm以下である、請求項1に記載の粉末冶金用混合粉末。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の粉末冶金用混合粉末を準備する工程と、
前記粉末冶金用混合粉末を含む原料粉末をプレスして成形体を作製する工程と、
前記成形体を焼結する工程と、を備える、
焼結部品の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、粉末冶金用混合粉末、および焼結部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鉄粉と銅粉と黒鉛粉末とを含む粉末原料とバインダーとが混合された粉末冶金用混合粉末が開示されている。この混合粉末では、特定の脂肪酸エステルをバインダーとして使用することで、黒鉛粉末が分散不良によって偏析することを防止すると共に、混合粉末の取り扱い時の粉塵を抑えている。
【0003】
特許文献2には、鉄系粉と銅粉と黒鉛粉とを含む粉末冶金用混合粉が開示されている。この混合粉では、銅粉に含まれるPbの含有量を制限することで、粉末冶金用混合粉を用いて得られる焼結体の寸法変動を低減している。黒鉛粉は、鱗片状の天然黒鉛粉である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-176606号公報
特開平9-287002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バインダーを使用しなくても黒鉛粉末が偏在し難い粉末冶金用混合粉末が求められている。黒鉛粉末は、鉄粉および銅粉といった金属粉末に比べて比重が小さく、飛散し易い。飛散し難い黒鉛粉末自体の構成は十分に検討されていない。
【0006】
本開示は、飛散し難い黒鉛粉末を含む粉末冶金用混合粉末を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の粉末冶金用混合粉末は、金属粉末と黒鉛粉末とを含む。前記黒鉛粉末は球状黒鉛粉末を含む。前記球状黒鉛粉末の各粒子は、短軸の長さに対する長軸の長さの比で表されるアスペクト比が4以下である。前記黒鉛粉末に占める前記球状黒鉛粉末の含有割合が70%以上である。前記黒鉛粉末の見掛密度が0.2g/cm
3
以上である。前記黒鉛粉末のタップ密度が0.5g/cm
3
以上である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の粉末冶金用混合粉末は、黒鉛粉末に球状黒鉛粉末を所定の含有割合で含むことで、黒鉛粉末が飛散し難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施形態の粉末冶金用混合粉末の一例を示す概略図である。
図2は、実施形態の粉末冶金用混合粉末に含まれる黒鉛粉末を走査型電子顕微鏡で撮影したSEM画像を示す図である。
図3は、実施形態の焼結部品の製造方法を説明する概略図である。
図4は、試料No.1-11の黒鉛粉末を走査型電子顕微鏡で撮影したSEM画像を示す図である。
図5は、試験例1における黒鉛粉末の平均粒径と見掛密度との関係を示すグラフである。
図6は、試験例1における黒鉛粉末の平均粒径とタップ密度との関係を示すグラフである。
図7は、試験例1における黒鉛粉末の飛散性の評価方法を説明する概略図である。
図8は、試験例1における黒鉛粉末の飛散性の評価結果を示すグラフである。
図9は、試験例2における焼結部品の寸法ばらつきの評価方法を説明する概略図である。
図10は、試験例2における焼結部品の寸法ばらつきの評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
従来、プレス成形する前の粉末冶金用混合粉末において金属粉末と黒鉛粉末とが均一に混合されていれば、作製された成形体中に黒鉛粉末が均一に分散されると考えられていた。しかし、本発明者らが鋭意研究した結果、黒鉛粉末が主として鱗片状の黒鉛粉末を含む場合、粉末冶金用混合粉末をプレス用の金型に供給するときに黒鉛粉末が飛散し、飛散した黒鉛粉末が金型のキャビティに充填された粉末上に堆積することがわかった。つまり、黒鉛粉末が飛散することで、キャビティ内の粉末冶金用混合粉末において黒鉛粉末が偏在することがわかった。偏在とは、粉末冶金用混合粉末中において、黒鉛粉末の分布に偏りがあることである。偏在には、粉末冶金用混合粉末中に黒鉛粉末が分散不良によって不均一に偏ることはもちろん、粉末冶金用混合粉末を用いて作製された成形体中に黒鉛粉末が不均一に偏ることも含まれる。黒鉛粉末が偏在した状態でプレスすると、作製された成形体中に黒鉛粉末が不均一に偏ることになる。そこで、球状黒鉛粉末を用いて成形体を作製したところ、作製された成形体中に黒鉛粉末が均一に分散することがわかった。最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る