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公開番号
2025180353
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024087632
出願日
2024-05-30
発明の名称
電極材料、及び、電気化学セル
出願人
株式会社豊田中央研究所
,
株式会社デンソー
代理人
個人
,
個人
主分類
C25B
11/047 20210101AFI20251204BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】電極性能の経時劣化を抑制できる電極材料を提供する。
【解決手段】本発明に係る電極材料は、次の式(1)で表される組成を有する。
Ce
1―x―y
Zr
x
M
y
O
2-α
…(1)
但し、0<x<0.1、0.05<y<0.2、αは電気的中性の保たれる値、
MはGd、La、Nd、Y、及び、Smからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素。
CeO
2
に、ZrとMとをコドープすることで、酸化物イオンの導電率維持とOSCの向上を両立することができる。
この結果、酸化物イオンの導電率を確保しつつ、電極性能の経時劣化を抑制することができる。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
次の式(1)で表される組成を有する電極材料。
Ce
1―x―y
Zr
x
M
y
O
2-α
…(1)
但し、
0<x<0.10
0.05<y<0.20
αは電気的中性の保たれる値
MはGd、La、Nd、Y、及び、Smからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
700℃における比酸素貯蔵能(OSC/SSA)が1.5mg/m
2
超である請求項1に記載の電極材料。
但し、前記「比酸素貯蔵能(OSC/SSA)」とは、前記電極材料1g当たりの酸素貯蔵能(OSC)(mg/g)を前記電極材料の比表面積(SSA)(m
2
/g)で除した値をいう。
【請求項3】
導電率が1.0×10
-3
S/cm超である請求項1に記載の電極材料。
但し、前記「導電率」とは、700℃、大気中において交流インピーダンス測定を行うことにより得られたバルク抵抗から算出された値をいう。
【請求項4】
0.01≦x≦0.05
0.05<y≦0.15
を満たす請求項1に記載の電極材料。
【請求項5】
固体酸化物形電解セル(SOEC)の燃料極、又は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料極の固体酸化物電解質として用いられる請求項1に記載の電極材料。
【請求項6】
固体酸化物電解質からなる電解質層と、
前記電解質層の一方面側に形成される空気極と、
前記電解質層の他方面側に形成される燃料極と
を備え、
前記燃料極は、
請求項1に記載の電極材料からなる電解質粒子と、
Ni系粒子と
を含む
電気化学セル。
【請求項7】
前記燃料極の前記Ni系粒子の含有量は、20mass%以上70mass%以下である請求項6に記載の電気化学セル。
但し、前記「Ni系粒子の含有量」とは、前記電解質粒子と前記Ni系粒子の総質量に対する、前記Ni系粒子の質量の割合をいう。
【請求項8】
前記燃料極の空隙率が25%超40%未満である請求項6に記載の電気化学セル。
但し、前記「空隙率」とは、前記燃料極の理論比重に対する、前記理論比重と前記燃料極の実測比重の差の割合をいう。
【請求項9】
固体酸化物形電解セル(SOEC)、又は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)として用いられる請求項6に記載の電気化学セル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料、及び、電気化学セルに関し、さらに詳しくは、電極性能の経時劣化を抑制できる電極材料、及び、この電極材料を燃料極に含む電気化学セルに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質として酸化物イオン伝導体を用いた燃料電池である。SOFCのアノード(燃料極)にH
2
、CO、CH
4
等の燃料ガスを供給し、カソード(酸素極)にO
2
を供給すると、電極反応が進行し、電力を取り出すことができる。電極反応により生成したCO
2
やH
2
Oは、SOFC外に排出される。
一方、固体酸化物形電解セル(SOEC)は、SOFCと構成は同じであるが、SOFCとは逆の反応を起こさせるものである。すなわち、SOECのカソード(燃料極)にCO
2
やH
2
Oを供給し、電極間に電流を流すことで、COやH
2
を生成させることができる。
【0003】
SOECは、固体電解質層の一方面側にカソード(燃料極)が形成され、他方面側にアノード(空気極)が形成された単セルを備えている。このようなSOECを構成する部材の材料として、一般的には、以下のような材料が用いられている。
【0004】
(a)固体電解質層:イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)等。
(b)燃料極:Ni/YSZ、Ni―Fe/YSZ等。
(c)空気極:ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)等。
【0005】
SOECの燃料極は、一般に、Ni/YSZサーメットが用いられている。しかし、YSZは低温における酸化物イオンの導電率が低いため、低温でより酸化物イオンの導電率の高いガドリニウムドープトセリア(GDC)等のCeO
2
系の材料が近年、注目されている。
【0006】
例えば、特許文献1において、固体電解質として、
ZrO
2
、Y、Sc、Sm,Gd、および、Laからなる群より選択される少なくとも1種の元素がドープされたZrO
2
、CeO
2
、または、Gd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、および、Hoからなる群より選択される少なくとも1種の元素がドープされたCeO
2
を用いる構成が開示されている。
【0007】
また、特許文献2において、空気極側の反応防止層として、
希土類元素をドープし、希土類元素を酸化物としたときのドープ量が10mol%超30mol%未満のCeO
2
を用いる構成が開示されている。
【0008】
また、特許文献3において、固体酸化物形燃料電池の燃料極に、Ceアルコキシド、及び、Smアルコキシドを含む溶液を燃料極に含侵させ、燃料極内にCe
0.9
Sm
0.1
O
1.95
のような電極活性酸化物を析出させることができる構成が開示されている。
【0009】
また、特許文献4において、マンガンを含むペロブスカイト型酸化物からなる空気極空気極を備えた固体酸化物形燃料電池の構成が開示されている。
同文献には、このような固体酸化物形燃料電池は、出力性能、及び、耐久性に優れている点が記載されている。
【0010】
しかし、固体電解質としてCeO
2
系の材料を用いたとしても、SOEC等の動作温度はまだ高く、燃料極に供給される水素製造の原料となる水蒸気の温度は700℃以上の高温となっているのが現状である。
このような過酷な環境下では、H
2
O電解時に生成される水酸化物種により活性種であるNi系粒子等が酸化(水酸化物化)され、Ni系粒子等が蒸散し、燃料極の電極性能が経時劣化してしまう。このため、何らかの対策が急務となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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