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公開番号2025180134
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024087269
出願日2024-05-29
発明の名称回転方向検出装置及び回転方向検出方法
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人
主分類G01D 5/244 20060101AFI20251204BHJP(測定;試験)
要約【課題】特殊な着磁パターンの回転体を用いることなく、かつ、1つの磁気センサからのセンサ信号に基づいて、回転体の回転方向を検出すること。
【解決手段】センサ装置20は、磁気センサ素子22の検知軸の方向が、円形の回転体30の接線方向とずれて設置される。このため、回転体の回転に伴って磁気センサ素子から出力されるセンサ信号の波形が歪む。パルス信号生成部24は、センサ信号がオン閾値とオフ閾値とのいずれかを満たしたときに、レベルが反転するパルス信号を生成する。オン閾値とオフ閾値とは異なる値に設定される。このため、回転体が一方向に回転したときと、一方向とは逆向きの他方向に回転したときとで、生成されるパルス信号のデューティ比が異なることになる。従って、パルス信号のデューティ比に基づき、回転体の回転方向を判定することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転方向に均等な間隔で着磁された実質的に円形の回転体(30)と、
前記回転体の回転による磁束変化に応じたセンサ信号を出力する1つの磁気センサ(22)と、
前記磁気センサから出力される前記センサ信号に基づいて、前記回転体の回転方向を判定する判定処理部(10、24)と、を備え、
前記磁気センサは、検知軸の方向が、前記回転体の接線方向とずれて設置され、
前記判定処理部は、前記センサ信号がオン閾値とオフ閾値とのいずれかを満たしたときに、レベルが反転するパルス信号を生成し、
前記オン閾値と前記オフ閾値とは異なる値に設定され、
前記判定処理部は、前記パルス信号のデューティ比に基づき、前記回転体の回転方向を判定する、回転方向検出装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記回転体の回転に応じて、前記磁気センサに作用する磁束の向きが、第1の方向と、前記第1の方向とは反対向きの第2の方向とに変化し、
前記判定処理部は、前記磁気センサに作用する磁束の向きが前記第1の方向になる近傍と、前記第2の方向になる近傍との少なくとも一方において、前記回転体の回転方向を判定する、請求項1に記載の回転方向検出装置。
【請求項3】
前記回転体の回転に応じて、前記磁気センサに作用する磁束の向きが、第1の方向と、前記第1の方向とは反対向きの第2の方向とに変化し、
前記判定処理部は、前記磁気センサに作用する磁束の向きが前記第1の方向になる近傍と、前記第2の方向になる近傍との一方で前記回転体の回転方向を判定する片側判定と、前記磁気センサに作用する磁束の向きが前記第1の方向になる近傍と、前記第2の方向になる近傍との両方で前記回転体の回転方向を判定する両側判定と、を切り替え可能に構成される、請求項1に記載の回転方向検出装置。
【請求項4】
前記回転方向検出装置は、正転方向又は逆転方向への回転によりウインドウを開閉するモータの回転方向の検出に用いられる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転方向検出装置。
【請求項5】
前記回転体の回転に応じて、前記磁気センサに作用する磁束の向きが、第1の方向と、前記第1の方向とは反対向きの第2の方向とに変化し、
前記判定処理部は、前記磁気センサに作用する磁束の向きが前記第1の方向になる近傍と、前記第2の方向になる近傍との一方で前記回転体の回転方向を判定する片側判定と、前記磁気センサに作用する磁束の向きが前記第1の方向になる近傍と、前記第2の方向になる近傍との両方で前記回転体の回転方向を判定する両側判定と、を切り替え可能に構成され、
前記判定処理部は、前記モータが正転方向に回転して前記ウインドウが開けられるときに前記片側判定を実行し、前記モータが逆転方向に回転して前記ウインドウが閉じられるときに前記両側判定を実行する、請求項4に記載の回転方向検出装置。
【請求項6】
前記判定処理部は、前記ウインドウが閉じられるとき、前記ウインドウが完全に閉成される閉成位置へ所定距離まで接近したときから前記閉成位置に達するまで、前記両側判定を実行する、請求項5に記載の回転方向検出装置。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサによって実行され、1つの磁気センサ(22)から出力される、回転方向に均等な間隔で着磁された実質的に円形の回転体(30)の回転による磁束変化に応じたセンサ信号に基づいて、前記回転体の回転方向を判定する回転方向検出方法であって、
前記磁気センサは、検知軸の方向が、前記回転体の接線方向とずれて設置され、
前記センサ信号がオン閾値とオフ閾値とのいずれかを満たしたときに、レベルが反転するパルス信号を生成すること、
前記オン閾値と前記オフ閾値とは異なる値に設定され、及び、
前記パルス信号のデューティ比に基づき、前記回転体の回転方向を判定すること、を備える回転方向検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、回転方向検出装置及び回転方向検出方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁気センサと環状の磁気ロータとを有する磁気エンコーダについて記載されている。磁気ロータの表面には、N極とS極を交互に配置した着磁パターンが形成される。着磁パターンには、磁気ロータの全周を等角度に分割した分割領域が画定される。各分割領域内では、N極とS極の幅の比は全て一定比率であるとともに、N極とS極の幅の比は、複数の分割領域毎に異なる。このようにして、N極とS極の幅の比に対応する、あるDUTY比が計測され、その後、次の異なるDUTY比が計測された時点で、又は、同じDUTY比が続くことが判別された時点で、磁気ロータの絶対角を判定することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-64897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば、車両のウインドウを開閉するモータのように、正転方向と逆転方向との両方向に回転するモータについては、モータが所望の方向に正しく回転しているか否かを確認するために、モータの回転方向を検出することが求められる場合がある。
【0005】
一般的には、モータの回転方向を検出するために、例えば、モータの回転軸に磁気ロータを取り付け、さらに、磁気ロータに対して、所定の位相差を有するセンサ信号を出力するように、2個の磁気センサを配置する構成が採用され得る。この場合、2個の磁気センサのセンサ信号が変化する順序に基づいて、モータの回転方向を判定することが可能となる。
【0006】
また、上述した特許文献1に記載のように、磁気ロータの着磁パターンにおけるN極とS極の幅の比を分割領域毎に異ならせることにより、N極とS極の幅の比に対応するDUTY比が、磁気ロータの回転に応じて変化することになる。この場合、DUTY比の変化の順序によって、磁気ロータの回転方向を判定することが可能となる。
【0007】
しかしながら、前者の場合、モータの回転方向を検出するため、2個の磁気センサが必要になる。このため、コストアップや体格の増大を招くとの問題が生じる。また、後者の場合、1個の磁気センサによって回転方向を検出可能となるが、磁気ロータへの着磁パターンが特殊であるため、磁気ロータの製造に手間が掛かるとともに、製造コストが上昇するとの問題がある。
【0008】
本開示は、上述した点に鑑みてなされたものであり、特殊な着磁パターンの回転体を用いることなく、かつ、1つの磁気センサからのセンサ信号に基づいて、回転体の回転方向を検出することが可能な回転方向検出装置及び回転方向検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示に係る回転方向検出装置は、
回転方向に均等な間隔で着磁された実質的に円形の回転体(30)と、
回転体の回転による磁束変化に応じたセンサ信号を出力する1つの磁気センサ(22)と、
磁気センサから出力されるセンサ信号に基づいて、回転体の回転方向を判定する判定処理部(10、24)と、を備え、
磁気センサは、検知軸の方向が、回転体の接線方向とずれて設置され、
判定処理部は、センサ信号がオン閾値とオフ閾値とのいずれかを満たしたときに、レベルが反転するパルス信号を生成し、
オン閾値とオフ閾値とは異なる値に設定され、
判定処理部は、パルス信号のデューティ比に基づき、回転体の回転方向を判定する、ように構成される。
【0010】
また、本開示による回転方向検出方法は、少なくとも1つのプロセッサによって実行され、1つの磁気センサ(22)から出力される、回転方向に均等な間隔で着磁された実質的に円形の回転体(30)の回転による磁束変化に応じたセンサ信号に基づいて、回転体の回転方向を判定する回転方向検出方法であって、
磁気センサは、検知軸の方向が、回転体の接線方向とずれて設置され、
センサ信号がオン閾値とオフ閾値とのいずれかを満たしたときに、レベルが反転するパルス信号を生成すること、
オン閾値とオフ閾値とは異なる値に設定され、及び、
パルス信号のデューティ比に基づき、回転体の回転方向を判定すること、を備える、ように構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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