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公開番号
2025180016
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-11
出願番号
2024087058
出願日
2024-05-29
発明の名称
アンカー用着脱式ターゲット治具
出願人
個人
,
個人
代理人
個人
主分類
G01C
15/06 20060101AFI20251204BHJP(測定;試験)
要約
【課題】躯体コンクリートに打ち込まれたアンカーの位置を特定するための写真撮影及び計測処理に用いられるターゲットとして、アンカーに簡単且つ迅速に着脱することができ、再利用も可能とする。
【解決手段】アンカー用着脱式ターゲット治具1を、撓み変形可能なターゲット片2を着脱可能に取着するターゲット取付部11を備えた治具本体部1A、1Bと、アンカー3の軸部31に対して弾性変形により着脱可能に嵌着されるアンカークリップ部1A1、1B1とを一体に備え、ターゲット取付部11を、治具本体部1A2、1B2の一部を薄肉とした収容凹部1A2a、1B2aと、収容凹部1A2a、1B2aの開口縁を狭める鍔部1A2b、1B2bとを有し、撓ませたターゲット片2を鍔部1A2b、1B2bの内側を通じて収容凹部1A2a、1B2aに挿入することでターゲット取付部11に着脱可能に嵌め込むように構成した。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
躯体コンクリートから突出するアンカーに対して着脱して用いるターゲット治具であって、
写真撮影及び計測処理により前記アンカーの位置を特定するために用いられる撓み変形可能なターゲット片を着脱可能に取着するターゲット取付部を備えた治具本体部と、当該治具本体部に連続して一体に設けられ前記アンカーの軸部に対して弾性変形により着脱可能に嵌着されるアンカークリップ部とを備えており、
前記ターゲット取付部を、前記治具本体部の一部を薄肉として形成した収容凹部と、前記治具本体部の表面において前記収容凹部による開口縁の一部又は全部を塞ぐ鍔部とを有する構成とし、撓ませた状態の前記ターゲット片を前記鍔部の内側を通じて前記収容凹部に挿入することで前記ターゲット片を前記ターゲット取付部に着脱可能に嵌め込むように構成していることを特徴とするアンカー用着脱式ターゲット治具.
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記アンカークリップ部を、前記アンカーの径に対応した部分円弧状をなす腕部の両先端部に内側へ突出する爪部を備えた構成としている請求項1に記載のアンカー用着脱式ターゲット治具。
【請求項3】
前記アンカークリップ部の前端部近傍に前記治具本体部を配置する接続部を形成し、前記治具本体部を、前記ターゲット取付部に嵌め込んだ前記ターゲット片の中心が前記アンカーの軸心と一致するように構成している請求項1又は2に記載のアンカー用着脱式ターゲット治具。
【請求項4】
前記アンカークリップ部の周囲に前記治具本体部を配置する接続部を形成し、前記治具本体部に、前記ターゲット取付部に嵌め込んだ前記ターゲット片の中心が略均等に配置されるように複数のターゲット取付部を形成している請求項1又は2に記載のアンカー用着脱式ターゲット治具。
【請求項5】
前記ターゲット取付部を共通の大きさ及び構成としている請求項1に記載のアンカー用着脱式ターゲット治具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物を施工する際に、構造物に配設されるアンカーの位置を正確に計測するために用いられ、アンカーに着脱することができるターゲット治具に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
高速道路、鉄道、港湾施設、橋梁、ビル等のコンクリート構造物を施工したり、補修や耐震補強工事のための施工を行う際に、母材となる躯体コンクリートに他の取付物を取り付けるためにアンカーが用いられており、躯体コンクリートの打設前に所定位置に取り付けておく先付アンカーや、躯体コンクリートの硬化後に所定位置に穿孔してアンカーを打ち込む後付アンカーが知られている。例えば、躯体コンクリートの硬化後の穿孔箇所に後付アンカーを打ち込んでエポキシ樹脂等で固定した後、後付アンカーを介して躯体コンクリートにブラケットを取り付ける場合、従来は多数あるアンカーの先端位置をベニヤ板等に写し取って特定し、そのベニヤ板からフィルムにアンカーの先端位置を転写した上で、フィルムをブラケットに敷いてアンカーの先端位置にアンカー穴を開けるという作業が行われていた。このような作業が必要な理由としては、アンカーが躯体コンクリートの表面に対して必ずしも垂直に打ち込まれているとは限らず、一定間隔でアンカーを打ち込んだ場合でも、実際にはその間隔にはバラツキが生じているという状況があることが挙げられるが、この作業には、通常約10日を要していたため、この期間短縮が施工期間の長期化の要因の一つとなっていた。
【0003】
近年では、アンカー穴の位置特定のために3次元デジタルカメラやCADといったコンピュータプログラムが用いられるようになってきており、アンカー穴を開けるまでの期間が短縮されてきている。例えば、特許文献1によれば、アンカー等の計測対象物の計測点に計測用ターゲットを貼付し、計測用ターゲットを複数含む写真画像を撮影し、写真画像に基づいて計測点を座標を取得し、写真画像内の計測用ターゲットから計測点における図形要素を取得し、座標と図形要素に基づいて計測対象物の全部又は一部をCADで利用できるように図化する、という写真計測図化方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平2015-75389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した写真計測図化方法では、同文献の第0041段落に、「計測用ターゲット200は計測対象物に貼付されることから、貼付後に剥がれ落ちないよう軽量かつ小サイズのものが望ましく、表示面(識別構成点201が表示された面)の裏面に磁石などの貼付材を備えてもよい。」と記載されている通り、金属製アンカーに磁石等で貼付することが想定されている。その他の計測用ターゲットとしては、表示面の裏面が粘着シールとなっており、アンカーの先端等に貼付するタイプのものも市販品としてしられている。これらの計測用ターゲットは、躯体コンクリートに打ち込まれたアンカー等の計測対象物の計測点(アンカーの先端等)に一つ一つ貼付していく(同文献の第0043段落)作業が必要であり、この貼付作業にもある程度の時間と手間がかかっているのが現状である。また、同文献の第0043段落によれば、直線を構成する計測点には直線用の計測用ターゲットを適用し、円弧を構成する計測点には円弧用の計測用ターゲットを適用するというように、複数の計測点が構成する図形によって複数種類の計測用ターゲットを用意する必要があり、それらを判別するために、色や模様を付しておくという事前準備も必要となっている。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、躯体コンクリートに打ち込まれたアンカーに対して一つ一つターゲットを貼付する手間を省き、事前にターゲットを保持させた状態の治具をアンカーに取り付けることで作業時間、ひいては施工期間の短縮を図るべく、安価で簡易な構成でありながら正確にアンカーの位置を写真撮影により特定することができ、繰り返して再利用することも可能なアンカー用着脱式ターゲット治具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係るアンカー用着脱式ターゲット治具は、躯体コンクリートから突出するアンカーに対して着脱して用いるターゲット治具であって、写真撮影及び計測処理によりアンカーの位置を特定するために用いられる撓み変形可能なターゲット片を着脱可能に取着するターゲット取付部を備えた治具本体部と、治具本体部に連続して一体に設けられアンカーの軸部に対して弾性変形により着脱可能に嵌着されるアンカークリップ部とを備えており、ターゲット取付部を、治具本体部の一部を薄肉として形成した収容凹部と、治具本体部の表面において収容凹部による開口縁の一部又は全部を塞ぐ鍔部とを有する構成とし、撓ませた状態のターゲット片を鍔部の内側を通じて収容凹部に挿入することでターゲット片をターゲット取付部に着脱可能に嵌め込むように構成していることを特徴とするものである。
【0008】
このような本発明のアンカー用着脱式ターゲット治具(以下、単に「ターゲット治具」と省略する場合がある)では、予めターゲット片を撓ませて治具本体部のターゲット取付部に嵌め込んだ状態としておくことができる。ターゲット片はターゲット取付部において鍔部によって収容凹部内に保持されているため、アンカーにターゲット治具を取り付けた使用時にもターゲット片が脱落することがない。このように準備されたターゲット治具は、躯体コンクリートから突出するアンカーの軸部にアンカークリップ部を嵌着するだけで、写真撮影により位置計測される対象であるアンカーにターゲットを正確に取り付けることができるため、ターゲットの取付作業時間や作業を大幅に削減することが可能となり、コンクリート構造物の施工期間の短縮やコスト削減にも大きく寄与することができる。ターゲット取付部にターゲット片を嵌め込んだ状態で本発明のターゲット治具を販売していれば、購入したターゲット治具をそのまま施工現場で使用することができる。また、写真撮影後には、アンカーの軸部からアンカークリップ部による嵌着を解除してターゲット治具を取り外せば、別の作業場所でターゲット治具を再利用することができることからも、施工コストを削減することができる。さらに、消耗や劣化したターゲット片を再び撓ませてターゲット取付部から取り出し、新たなターゲット片をターゲット取付部に嵌め込めば、ターゲットだけの交換で治具自体を再利用することができ、この点からもコスト削減に資するものとなる。
【0009】
本発明のターゲット治具においては、アンカークリップ部を、アンカーの径に対応した部分円弧状をなす腕部の両先端部に内側へ突出する爪部を備えた構成とすることで、簡易な構成でアンカーの軸部に対するアンカークリップ部の嵌着状態を維持させつつ、着脱作業も迅速に行うことができる。施工現場では、複数種類の太さの軸部を有するアンカーが使用されることがあるため、標準的な複数種類の太さの軸部を有するアンカーに対応する腕部を有するターゲット治具を複数種類用意しておけばよい。
【0010】
また、本発明のターゲット治具を、アンカーの先端部への取付専用のものとする場合には、アンカークリップ部の前端部近傍に治具本体部を配置する接続部を形成し、治具本体部を、ターゲット取付部に嵌め込んだターゲット片の中心がアンカーの軸心と一致するように構成すればよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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