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公開番号2025179907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024086835
出願日2024-05-29
発明の名称原子炉非常停止装置および原子炉並びに原子炉の制御方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G21C 9/033 20060101AFI20251204BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】原子炉非常停止装置および原子炉並びに原子炉の制御方法において、原子炉を適正に非常停止可能であると共に装置の簡素化を図る。
【解決手段】収納容器と、収納容器と原子炉の内部とを連通する通路と、収納容器に固体状態で収納されて前記原子炉の温度が上昇して予め設定された所定温度に到達すると少なくとも一部が溶融し、流動して前記通路を通って原子炉の内部に供給される中性子吸収体と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
収納容器と、
前記収納容器と原子炉の内部とを連通する通路と、
前記収納容器に固体状態で収納されて前記原子炉の温度が上昇して予め設定された所定温度に到達すると少なくとも一部が溶融し、流動して前記通路を通って前記原子炉の内部に供給される中性子吸収体と、
を備える原子炉非常停止装置。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記収納容器は、前記原子炉における鉛直方向の上方に配置され、前記通路は、鉛直方向に沿って配置され、上端部が前記収納容器に連通され、下端部が前記原子炉の炉心に連通される、
請求項1に記載の原子炉非常停止装置。
【請求項3】
前記原子炉は、複数の燃料ブロックが環状に配置されて構成される炉心と、前記複数の燃料ブロック間の隙間に配置される収容部とを有し、前記通路は、下端部が前記収容部に連通される、
請求項2に記載の原子炉非常停止装置。
【請求項4】
前記収容部は、前記炉心の中心部の隙間に配置される第1収容部と、前記複数の燃料ブロックにおける周方向の隙間に配置される複数の第2収容部とを有し、前記通路は、下端部が前記第2収容部に連通される、
請求項3に記載の原子炉非常停止装置。
【請求項5】
前記通路は、複数設けられ、前記収容部の異なる位置に連通する、
請求項3に記載の原子炉非常停止装置。
【請求項6】
前記中性子吸収体は、前記通路を通過可能な中性子吸収機能を有する複数の粒状体と、常温で固体状態となって前記所定温度以上で流動体になる材料で作成された前記複数の粒状体を繋ぎ合わせる連結体とを有する、
請求項1に記載の原子炉非常停止装置。
【請求項7】
複数の燃料ブロックが環状に配置されて構成される炉心と、
前記複数の燃料ブロック間の隙間に配置される収容部と、
前記収納容器の前記中性子吸収体を前記収容部に供給可能な請求項1に記載の原子炉非常停止装置と、
を備える原子炉。
【請求項8】
中性子吸収体を収納容器に固体状態で維持するステップと、
原子炉の炉心の温度が上昇して予め設定された所定温度に到達すると前記中性子吸収体の少なくとも一部が溶融し、流動して通路を通って前記炉心に供給されるステップと、
を有する原子炉の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、原子炉非常停止装置および原子炉並びに原子炉の制御方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
原子力発電システムは、核燃料を格納した原子炉を有する。原子力発電システムは、原子炉で核燃料により核反応を生じさせ、発生した熱を外部に取り出して冷却媒体を加熱する。加熱された冷却媒体は、タービンを駆動回転することで発電機により発電を行う。このような原子力発電システムとしては、特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-128323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子炉は、非常用停止装置が設けられる。従来の原子炉には、核燃料が環状をなし、非常用停止装置は、中性子吸収材を遮へい通路から核燃料の内側に供給するものがある。この場合、中性子吸収材は、球体などの固体であり、原子炉の温度がしきい値温度まで上昇すると弁体が開放され、中性子吸収材が遮へい通路から核燃料の内側に供給される。そのため、弁体の開閉機構が必要となり、原子炉の構造が複雑化してしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、原子炉を適正に非常停止可能であると共に装置の簡素化を図る原子炉非常停止装置および原子炉並びに原子炉の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の原子炉非常停止装置は、収納容器と、前記収納容器と原子炉の内部とを連通する通路と、前記収納容器に固体状態で収納されて前記原子炉の温度が上昇して予め設定された所定温度に到達すると少なくとも一部が溶融し、流動して前記通路を通って前記原子炉の内部に供給される中性子吸収体と、を備える。
【0007】
また、本開示の原子炉は、複数の燃料ブロックが環状に配置されて構成される炉心と、前記複数の燃料ブロック間の隙間に配置される収容部と、前記収納容器の前記中性子吸収体を前記収容部に供給可能な前記原子炉非常停止装置と、を備える。
【0008】
また、本開示の原子炉の制御方法は、中性子吸収体を収納容器に固体状態で維持するステップと、原子炉の炉心の温度が上昇して予め設定された所定温度に到達すると前記中性子吸収体の少なくとも一部が溶融し、流動して通路を通って前記炉心に供給されるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の原子炉非常停止装置および原子炉並びに原子炉の制御方法によれば、原子炉を適正に非常停止することができると共に、装置の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1実施形態の原子力発電システムを表す概略図である。
図2は、第1実施形態の原子炉ユニットを表す縦断面図である。
図3は、第1実施形態の原子炉非常停止装置を表す原子炉ユニットの縦断面図である。
図4は、原子炉を表す水平断面図である。
図5は、原子炉非常停止装置の作動状態を表す原子炉の縦断面図である。
図6は、第2実施形態の原子炉非常停止装置を表す原子炉ユニットの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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