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公開番号
2025179100
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-09
出願番号
2025140807,2022575157
出願日
2025-08-26,2021-12-17
発明の名称
フィルムロール及びフィルムロールの製造方法
出願人
コニカミノルタ株式会社
代理人
弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類
B29C
55/14 20060101AFI20251202BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】本発明の課題は、輸送時や長期保管時に巻き故障が少なく、かつ品質を保持できるフィルムロールを提供することである。また、生産収率が高く、検査負荷も大幅に軽減した当該フィルムロールの製造方法を提供することである。
【解決手段】
本発明のフィルムロールは、単層の光学フィルムが巻き取られたフィルムロールであって、前記光学フィルム内の任意の点を中心として、直径1000mmの範囲内で測定した膜厚の平均最大高低差(P-V)
ave1
が、0.15~0.40μmであり、かつ、前記フィルムロールの中央部の外径Dcと端部の外径Deとの比(Dc/De)が、0.98~1.02であることを特徴とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
単層の光学フィルムが巻き取られたフィルムロールであって、
前記光学フィルム内の任意の点を中心として、直径1000mmの範囲内の膜厚の平均最大高低差(P-V)
ave1
が0.15~0.40μm、
かつ前記フィルムロールの中央部と端部の比(中央部の外径/端部の外径)が0.98~1.02である
ことを特徴とするフィルムロール。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
単層の光学フィルムが巻き取られたフィルムロールであって、
前記光学フィルム内の任意の点を中心として、直径1000mmの範囲内の膜厚の平均最大高低差(P-V)
ave1
が0.15~0.40μm、
かつ前記フィルムロールの中央部と端部の表面の反射率より求めたCIE1976L
*
a
*
b
*
表色系により規定されるa
*
値及びb
*
値が下記式(1)を満たす
式(1):
-1.0<(端部a
*
-中央部a
*
)+(端部b
*
-中央部b
*
)<1.0
ことを特徴とするフィルムロール。
【請求項3】
前記光学フィルムの幅手方向に対して斜め方向に下記ステップ1~ステップ3の順で測定した膜厚の平均最大高低差(P-V)
ave2
が、0.15~0.40μmである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルムロール。
ステップ1:
端部の任意の位置における膜厚測定後、測定毎に前記任意の位置から幅手方向に50mm、かつ長手方向に620mm移動させた位置の膜厚を測定し、それを他方の端部まで繰り返して、光学フィルムの幅手方向に対して斜め方向の膜厚のそれぞれの最大高低差を算出する。
ステップ2:
前記ステップ1の終了後に、長手方向の移動位置の合計の距離が1000mに到達するまで前記ステップ1と同様の測定を行い、光学フィルムの幅手方向に対して斜め方向の膜厚のそれぞれの最大高低差をさらに算出する。
ステップ3:
前記ステップ1及び2から得られた光学フィルムの幅手方向に対して斜め方向の膜厚のそれぞれの最大高低差から光学フィルムの幅手方向に対して斜め方向の膜厚の平均最大高低差(P-V)
ave2
を算出する。
【請求項4】
前記光学フィルム内の任意の点を中心として、直径1000mmの範囲内の平均差分配向角θ
ave
°及び平均差分膜厚d
ave
μmを算出したとき、平均差分配向角θ
ave
°と平均差分膜厚d
ave
μmとが下記式(2)を満たす
式(2):
800<|平均差分配向角θ
ave
/平均差分膜厚d
ave
×10
-3
|<10000
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のフィルムロール。
【請求項5】
前記光学フィルムが、無機微粒子を含有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のフィルムロール。
【請求項6】
前記光学フィルムの幅が、2400~3000mmである
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のフィルムロール。
【請求項7】
前記フィルムロールの長さが、7500~10000mである
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のフィルムロール。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のフィルムロールの製造方法であって、
少なくとも光学フィルムを延伸炉内で延伸する延伸工程、及び平坦化処理工程を有し、
前記平坦化処理工程において、前記延伸炉内の温度に対して50~200℃の高い温度にて平坦化処理する
ことを特徴とするフィルムロールの製造方法。
【請求項9】
前記延伸工程において、赤外線(IR)ヒーターを用いて前記平坦化処理が行われ、かつ、
前記赤外線(IR)ヒーターの100mm離れた位置の中央部の熱量Aと端部の熱量の平均値Bが下記式(3)を満たす
式(3):
0.2<(B/A)<0.6
ことを特徴とする請求項8に記載のフィルムロールの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法に関する。
より詳しくは、輸送時や長期保管時に巻き故障が少なく、かつ品質を保持できるフィルムロールに関する。
また、生産収率が高く、検査負荷も大幅に軽減した当該フィルムロールの製造方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
昨今、画像表示装置の薄膜化が要望され、液晶ディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)及び電子ペーパー等の画像表示装置に具備される光学保護フィルムや光学機能性フィルムは、通常ロールにて次工程に供給されるため、上記のような光学フィルムに対しても薄膜化が要望されている。
さらに、光学フィルムには、生産効率を上げるために長尺化及び広幅化も要望されている。
【0003】
光学フィルムは、通常製造された後ロール状に巻き取られ、フィルムロールとして保管や輸送がされることから、フィルムをロール状に巻き取る技術としては、一般的には下記技術が知られている。
(1)光学フィルムを、貼りつき抑制機能を有するプロテクトフィルムと一緒に巻き取る技術
(2)光学フィルムを、一方の面に貼りつきを抑制するアンチブロッキング層を設けて巻き取る技術
(3)あらかじめ光学フィルムの端部にナーリング加工を行ったものを巻き取ることで、光学フィルムを巻き取る際に、一緒にエアー層(空気層)を取り込むことで、製品部品の光学フィルムの貼りつきを抑制する技術
【0004】
前記(1)の技術に関しては、フィルムロールを利用する顧客が光学フィルムを適用する製品の製造工程においてプロテクトフィルムによる廃棄物が発生することが問題となっている。
また、プロテクトフィルムには、粒子等によるアンチブロッキング機能が付与されているため、当該粒子等による製品部分への押し込みにより光学フィルムに凹みや傷ができてしまうことが問題となっている。
【0005】
前記(2)の技術に関しては、プロテクトフィルムと同様に、粒子等による製品部分への押し込みにより光学フィルムに凹みや傷ができてしまうことが問題となっている。
また、上記以外にもフィルムロールを利用する顧客が光学フィルムを適用する製品の製造工程において搬送に伴った工程汚染が問題となっている。
【0006】
(3)の技術に関しては、製品輸送時や経時で、フィルムロール中に取り込まれたエアー層(空気層)の空気が抜けることによりたわみが生じることや、フィルムロールの巻き芯にて貼りつきが生じることで、フィルムロールの巻き芯部分が使用できない無駄な廃棄物となってしまい、環境負荷が大きくなるといったことが問題となっている。
【0007】
上記(1)~(3)の巻取り技術に問題点があることから、フィルムロールには種々の改善が求められている。
上記問題に関して、光学フィルムの端部にナーリング加工を施し、エアー層(空気層)を取り込み、光学フィルム面内の均一性をよくすることで位相差のバラつきを抑制し、表示品質を改善する発明が開示されている(特許文献1参照。)。
ただ、上記の発明では、フィルムロールの端部にナーリング加工が施されていることにより、端部のロール径が中央部のロール径に比べて大きくなってしまい、製品輸送時や経時でエアー層(空気層)の空気が抜けることとナーリングが支柱となってロールがたわむことにより、ロールの周方向(長手)の応力に差異が生じてしまい、品質が劣化してしまうといった問題が残されていた。
【0008】
以上のことから、トラックや船等の輸送による振動劣化や時間経過といった外部環境に強く、製品発送時点の品質とほとんど変わらずに提供することができ、長期の製品保管を想定した調達を実現し、物流コストも抑え、さらに、巻芯から巻外に至るまで高品質なフィルムロールを提供することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2007-254699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、輸送時や長期保管時に巻き故障が少なく、かつ品質を保持できるフィルムロールを提供することである。また、生産収率が高く、検査負荷も大幅に軽減した当該フィルムロールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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