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公開番号2025178295
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2025151972,2024056123
出願日2025-09-12,2024-03-29
発明の名称活性エネルギー線硬化型インキセット、印刷物製造方法、および印刷物
出願人artience株式会社
代理人
主分類C09D 11/101 20140101AFI20251128BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、多色刷りにおいて、優れた印刷品質と硬化性を有する活性エネルギー線硬化型インキセットを提供することであり、それを用いた印刷物製造方法および印刷物を提供することである。
【解決手段】インキAを印刷した後、インキBを印刷するためのインキセットであって、インキAのタック値(TAとする)が、4.7~12であり、インキBのタック値(TBとする)が、4.5~10であり、5≧TA-TB≧0.2であり、インキAは、紅インキ、藍インキ、および、墨インキからなる群より選ばれる1種以上のインキであり、インキBは、黄インキであり、黄インキ、紅インキ、藍インキ、および、墨インキはそれぞれ、着色剤を10~25質量%と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤2種以上とを含む、インキセット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
インキAを印刷した後、インキAに接するようにインキBを印刷するためのインキセットであって、
前記インキAの温度30℃、回転速度400rpmにおけるタック値(TAとする)が、4.7~12であり、
前記インキBの温度30℃、回転速度400rpmにおけるタック値(TBとする)が、4.5~10であり、
5≧TA-TB≧0.2 であり、
前記インキAは、活性エネルギー線硬化型紅インキ、活性エネルギー線硬化型藍インキ、および、活性エネルギー線硬化型墨インキからなる群より選ばれる1種以上のインキであり、
前記インキBは、活性エネルギー線硬化型黄インキであり、
前記活性エネルギー線硬化型黄インキ、前記活性エネルギー線硬化型紅インキ、前記活性エネルギー線硬化型藍インキ、および、前記活性エネルギー線硬化型墨インキはそれぞれ、着色剤と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤2種以上とを含み、
前記着色剤の含有量が、インキ全量中10~25質量%である、インキセット。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
光重合開始剤が、α-アミノアルキルフェノン系開始剤、および、チオキサントン系開始剤を含む、請求項1記載のインキセット。
【請求項3】
光重合開始剤の含有量が、インキ全量中2~15質量%である、請求項1記載のインキセット。
【請求項4】
α-アミノアルキルフェノン系開始剤が、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1- (4-ピペリジノフェニル)-ブタン-1-オンを含む、請求項2記載のインキセット。
【請求項5】
(メタ)アクリレート化合物が、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する化合物を含む、請求項1記載のインキセット。
【請求項6】
(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インキ全量中10~70質量%である、請求項1記載のインキセット。
【請求項7】
基材に、請求項1~6いずれか記載のインキセットを印刷し、活性エネルギー線で硬化した印刷物。
【請求項8】
基材が、紙またはフィルム基材である、請求項7記載の印刷物。
【請求項9】
インキAを印刷した後、インキAに接するようにインキBを印刷し、活性エネルギー線で硬化する印刷物の製造方法であって、
前記インキAの設定温度30℃、回転速度400rpmにおけるタック値(TAとする)が、4.7~12であり、
前記インキBの設定温度30℃、回転速度400rpmにおけるタック値(TBとする)が、4.5~10であり、
5≧TA-TB≧0.2 であり、
前記インキAは、活性エネルギー線硬化型紅インキ、活性エネルギー線硬化型藍インキ、および、活性エネルギー線硬化型墨インキからなる群より選ばれる1種以上のインキであり、
前記インキBは、活性エネルギー線硬化型黄インキであり、
前記活性エネルギー線硬化型黄インキ、前記活性エネルギー線硬化型紅インキ、前記活性エネルギー線硬化型藍インキ、および、前記活性エネルギー線硬化型墨インキはそれぞれ、着色剤と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤2種以上とを含み、
前記着色剤の含有量が、インキ全量中10~25質量%である、印刷物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多色刷りにおいて、優れた印刷品質と硬化性を有する活性エネルギー線硬化型インキセットであり、それを用いた印刷物の製造方法および印刷物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化型インキは、無溶剤型であり瞬間的に活性エネルギー線硬化乾燥することから、環境対応、印刷作業性に優れ、且つ高品質の印刷物が得られるとして、雑誌やチラシ等の印刷情報の分野から紙器等の食品包装向けパッケージ分野まで広く使用されている。
【0003】
通常、油性インキを用いた平版オフセット印刷の場合、墨インキ、藍インキ、紅インキ、黄インキの順でインキの多色重ね刷りが行われる 。しかし、活性エネルギー線硬化型インキを用いた平版オフセット印刷では、油性インキ を用いた印刷物と比較して、印刷物の色の重ね部分で光沢が落ちるという現象がみられており、重ね刷り部の光沢を改善した活性エネルギー線硬化型オフセットインキの提案がなされている、しかしながら、印刷品質と、硬化性の面では十分ではない状態であった。(特許文献1)
【0004】
また、オフセット印刷機を用いて、インキにタック差をつけることにより、ブランケットローラ上に塗布された複数色の積層インキ画像を1回の動作で被印刷体である円筒体側に印刷することができる円筒体の多色ウエット重ね印刷方法の提案があるが、紫外線硬化型インキと熱硬化型インキの混合であり、また円筒体への印刷方法となっており、シート基材への印刷に関しては用いられる手法ではなかった。(特許文献2)
【0005】
また、オフセット印刷方法により多色ウエット重ね印刷をする方法であって、被印刷体表面上に重ね刷りされる複数のインキのうち、インキの温度により各インキ間にタック差を設けて、タック差のついたインキを用いて被印刷体表面上に多色ウエット重ね印刷し焼き付け工程を1回とすることを特徴とする印刷方法は提案されているが、活性エネルギー線硬化型インキのへの転用は難しく、十分な印刷品質を得ることは難しかった。(特許文献3)
【0006】
また、近年は、従来から使用されている高圧水銀灯やメタルハライドランプといった光源に加えて、オゾンが発生しないオゾンレスメタルハライドランプを使用し230~420nmの紫外線を発生するような光源や、発光ピーク波長が350~420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオードUV-LED等、様々な種類の光源が使われている。そして、これら各種光源の波長域に合わせた吸収波長の異なる光重合開始剤を複数組み合わせた発明がなされているが、多色刷りにおいては、十分な硬化性を発現することが困難であった。(特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-79314号公報
特開平7-285262号公報
特開昭57-117991号公報
特許第6861282号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、多色刷りにおいて、優れた印刷品質と硬化性を有する活性エネルギー線硬化型インキセットを提供することであり、それを用いた印刷物の製造方法および印刷物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー線硬化型インキセットにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、インキAを印刷した後、インキAに接するようにインキBを印刷するためのインキセットであって、
前記インキAの温度30℃、回転速度400rpmにおけるタック値(TAとする)が、4.7~12であり、
前記インキBの温度30℃、回転速度400rpmにおけるタック値(TBとする)が、4.5~10であり、
5≧TA-TB≧0.2 であり、
前記インキAは、活性エネルギー線硬化型紅インキ、活性エネルギー線硬化型藍インキ、および、活性エネルギー線硬化型墨インキからなる群より選ばれる1種以上のインキであり、
前記インキBは、活性エネルギー線硬化型黄インキであり、
前記活性エネルギー線硬化型黄インキ、前記活性エネルギー線硬化型紅インキ、前記活性エネルギー線硬化型藍インキ、および、前記活性エネルギー線硬化型墨インキはそれぞれ、着色剤と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤2種以上とを含み、
前記着色剤の含有量が、インキ全量中10~25質量%である、インキセットに関する。
(【0011】以降は省略されています)

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