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公開番号2025178090
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2025008996
出願日2025-01-22
発明の名称不活性化方法及び不活性化装置
出願人株式会社豊田中央研究所,トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類H01M 10/54 20060101AFI20251128BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ニッケル水素電池を不活性化させる新規の不活性化方法及び不活性化装置を提供する。
【解決手段】本開示の不活性化方法は、NとOとを含むアニオン、及び/又はNとHとを含むカチオンが溶解した不活性化液を、ニッケル水素電池の正極及び/又は負極と反応させ、ニッケル水素電池を不活性化する不活性化工程、を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
NとOとを含むアニオン、及び/又はNとHとを含むカチオンが溶解した不活性化液を、ニッケル水素電池の正極及び/又は負極と反応させ、ニッケル水素電池を不活性化する不活性化工程、
を含む不活性化方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記不活性化液は、Ni-MH中のHを脱離させたうえで生成する物質が正極にHを挿入させ、そのあとに再び負極中のHを脱離させるシャトル反応が可能な溶液である、請求項1に記載の不活性化方法。
【請求項3】
前記不活性化液は、硝酸アニオン、亜硝酸アニオン、及び一級アンモニウムカチオン、二級アンモニウムカチオン、三級アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオンのうちいずれか1以上を含む、請求項1又は2に記載の不活性化方法。
【請求項4】
前記不活性化液は、硝酸アニオン及び亜硝酸アニオンに対してはアルカリカチオンであり、アンモニウムカチオンに対しては硫酸アニオン及び/又はハロゲンを含む、請求項3に記載の不活性化方法。
【請求項5】
前記不活性化液は、アルカリ性である、請求項1又は2に記載の不活性化方法。
【請求項6】
前記不活性化工程では、NとOとを含むアニオン及び/又はNとHとを含むカチオンを含有した不活性化物質の物質量(mol)に正負極のプロトンの反応数を乗じた数で、不活性化する前記ニッケル水素電池の容量(mAh)を除算して得られる不活性化指数が、4Ah/mol以上75Ah/mol以下の範囲内に溶媒及び前記不活性化物質を選択し濃度と投入量を調整した前記不活性化液を用いる、請求項1又は2に記載の不活性化方法。
【請求項7】
前記不活性化液は、2mol/L以上8mol/L以下の範囲で硝酸アンモニウムを不活性化物質として含む、請求項1又は2に記載の不活性化方法。
【請求項8】
ニッケル水素電池を不活性化する不活性化装置であって、
NとOとを含むアニオン、及び/又はNとHとを含むカチオンが溶解した不活性化液を、ニッケル水素電池の正極及び/又は負極と反応させ、ニッケル水素電池を不活性化する不活性処理を実行する処理部、
を備えた不活性化装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、不活性化方法及び不活性化装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、蓄電デバイスとしては、水素吸蔵合金を主体とする負極と,正極とを有する密閉型金属-水素アルカリ蓄電池において、負極に蓄積された水素を酸化させる酸化剤を供給する酸化剤供給手段が設けられているものが提案されている(特許文献1参照)。この蓄電デバイスでは、負極の利用率を向上させることにより、サイクル特性が向上された密閉型金属-水素アルカリ蓄電池を提供することができるとしている。また、溶解、粉砕された水素吸蔵合金を安定化させるための水素吸蔵合金の安定化処理方法に当たり、粉砕された水素吸蔵合金粉末を、一旦、炭酸ガス雰囲気中に暴露し、その後、大気中に取り出す方法が提案されている(特許文献2参照)。この安定化方法では、表面に酸化物の皮膜を形成することなく水素吸蔵合金を安定化することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-251108号公報
特開平10-195503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に用いられているニッケル水素電池をリサイクルする場合、電池の不活性化を図ることが、より安全なリサイクル処理を図るために求められていた。特許文献2の安定化方法では、水素吸蔵合金を安定化する処理は検討されているが、電池としての処理はまだ十分検討されていなかった。
【0005】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、ニッケル水素電池を不活性化させる新規の不活性化方法及び不活性化装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、含窒素アニオン及び含窒素カチオンを用いると、その酸化還元サイクルによって、ニッケル水素電池をより効率的に不活性化させることができることを見出し、本開示の発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本開示の不活性化方法は、
NとOとを含むアニオン、及び/又はNとHとを含むカチオンが溶解した不活性化液を、ニッケル水素電池の正極及び/又は負極と反応させ、ニッケル水素電池を不活性化する不活性化工程、
を含むものである。
【0008】
また、本開示の不活性化装置は、
ニッケル水素電池を不活性化する不活性化装置であって、
NとOとを含むアニオン、及び/又はNとHとを含むカチオンが溶解した不活性化液を、ニッケル水素電池の正極及び/又は負極と反応させ、ニッケル水素電池を不活性化する不活性処理を実行する処理部、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この不活性化方法及び不活性化装置では、ニッケル水素電池を不活性化させる新規の不活性化方法及び不活性化装置を提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、不活性化液に含まれる含窒素カチオン及び含窒素アニオンが酸化還元反応し、正極及び負極にて不活性化反応が進行するためであると推察される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
電池リサイクル処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
Ni-MH二次電池20の構成の概略を表す断面図。
小型Ni-MH電池の5サイクルの放電曲線。
KNO
2
での小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図とアンモニア検出結果。
NaNO
2
での小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図。
KNO
3
での小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図とアンモニア、亜硝酸の検出結果。
(NH
4

2
SO
4
での小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図と亜硝酸検出結果。

3
Fe(CN)
6
での小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図。
1,5-ジヒドロアントラキノンでの小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図。
1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウムでの小型Ni-MH電池の不活性化の挙動図。
実験例10~13の亜硝酸イオン濃度と不活性化時間との関係図。
実施例11、13,14の亜硝酸Na水溶液注入量と不活性化時間との関係図。
実験例11、16~19の亜硝酸Na水溶液と硝酸アンモニウム濃度と不活化時間との関係図。
実験例10~19の不活性化剤の不活性化指数と不活性化時間との関係図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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