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公開番号
2025177758
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024084837
出願日
2024-05-24
発明の名称
電子写真用クリーニングブレード、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置並びにウレタン成形体
出願人
キヤノン株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
G03G
21/00 20060101AFI20251128BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】吸湿抑制により高湿環境においても硬度が低下しにくく、かつ優れたクリーニング性能を有するクリーニングブレード並びに上記クリーニングブレードを有するプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置の提供。
【解決手段】ポリウレタンを含有する弾性部材と、支持部材とを具備する電子写真用クリーニングブレードであって、該弾性部材の、振動周波数が1×10
-3
Hz時の貯蔵弾性率が12.0~18.0MPaであり、該弾性部材からサンプリングした試料の50℃環境でのパルスNMR測定において、スピン-スピン緩和時間(T2
L
)が250~360μsのセグメントが存在し、該ポリウレタンエラストマーが、特定の構造を有するポリシロキサンセグメントを有し、該ポリシロキサンセグメントが、該ポリウレタンエラストマーのポリウレタン骨格と結合している、電子写真用クリーニングブレード。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリウレタンを含有する弾性部材及び該弾性部材を支持する支持部材を具備し、
移動する被清掃部材の表面に該弾性部材の一部を当接させて、該被清掃部材の表面を清掃する電子写真用クリーニングブレードであって、
24℃環境において、該弾性部材の、振動周波数が1×10
-3
Hz時の貯蔵弾性率が、12.0~18.0MPaであり、
該弾性部材からサンプリングした試料の50℃環境でのパルスNMR測定において、スピン-スピン緩和時間(T2
L
)が250~360μsのセグメントが存在し、
該ポリウレタンが、ポリウレタンエラストマーを含有し、
該ポリウレタンエラストマーが、下記式(1)で示される構造を有するポリシロキサンセグメントを有し、
該ポリシロキサンセグメントが、該ポリウレタンエラストマーにおけるポリウレタン骨格を含む構造と結合しており、
1つの該ポリシロキサンセグメントあたりの、式(1)で示される構造の数Iが、7~195である、
ことを特徴とする電子写真用クリーニングブレード。
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2025177758000026.tif
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続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記ポリシロキサンセグメントが下記式(2)で示される構造を介して前記ポリウレタン骨格に結合しており、
1つの前記ポリシロキサンセグメントあたりの、式(2)で示される構造の数mが、1~10である、請求項1に記載の電子写真用クリーニングブレード。
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(式(2)中、nは1~5の整数を示し、*は前記ポリウレタン骨格との結合部位を示す。)
【請求項3】
前記弾性部材からサンプリングした試料の50℃環境でのパルスNMR測定において、スピン-スピン緩和時間(T2
L
)が250~320μsのセグメントが存在する、請求項1に記載の電子写真用クリーニングブレード。
【請求項4】
前記mが2~10の整数である、請求項2に記載の電子写真用クリーニングブレード。
【請求項5】
前記ポリウレタンエラストマーが、前記式(1)で示される構造を0.5~15質量%含有している、請求項1に記載の電子写真用クリーニングブレード。
【請求項6】
前記ポリシロキサンセグメントが、下記式(3)で示される構造を有するポリシロキサンがウレタン結合した構造である、請求項1に記載の電子写真用クリーニングブレード。
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2025177758000028.tif
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(式(3)中、I及びmは平均付加モル数であり、Iは7~195であり、mは1~10であり、nは1~5の整数である。(-O-Si(CH
3
)
2
-)で表されるシロキサン構造及び(-O-Si(CH
3
)((CH
2
)
n
OH)-)で表される構造の配列は、ブロック共重合でもよいし、ランダム共重合でもよい。)
【請求項7】
ATR結晶としてダイヤモンドを用いた前記弾性部材のFT-IR測定において、
1415cm
-1
のピーク強度の1538cm
-1
のピーク強度に対する比の値が、0.50~0.65である、請求項1に記載の電子写真用クリーニングブレード。
【請求項8】
前記電子写真用クリーニングブレードの前記被清掃部材の表面と当接する側を該電子写真用クリーニングブレードの先端側と定義したときに、
前記弾性部材は、少なくとも該先端側において、該被清掃部材に面する主面と、該主面と共に先端側エッジを形成する先端面とを有する板形状を有し、
該先端面に、該先端側エッジと平行に、該先端側エッジとの距離が0.5mmである第3の線分を引いたと仮定したときに、
該第3の線分の長さをL’とし、該第3の線分上の一端側から1/8L’、1/2L’、7/8L’の点を各々、P0’、P1’、P2’とし、
該P0’、該P1’及び該P2’の各々においてサンプリングされる試料を、イオン化室内で加熱気化させ、試料分子をイオン化する直接試料導入方式の質量分析計を用いて、昇温速度10℃/s、1000℃まで加熱したときに得られる、全てのイオンの検出量をM1とし、
ポリメリックMDIに由来する、m/z値が380.5~381.5の範囲に対応する抽出イオンサーモグラムのピークの積分強度をM2としたとき、
M2/M1が0.0010未満である、
請求項1に記載の電子写真用クリーニングブレード。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電子写真用クリーニングブレードと被清掃部材とを有する、プロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電子写真用クリーニングブレードと被清掃部材とを有する、電子写真画像形成装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真装置に使用されるクリーニングブレード、プロセスカートリッジ及び画像形成装置並びにウレタン成形体に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
電子写真装置では、感光体などの像担持体や中間転写体から被転写体上にトナー像を転写後、像担持体や中間転写体の表面に残留したトナーを除去するために、清掃部材を備えている。以下、像担持体や中間転写体を被清掃部材ともいう。これらの清掃部材の一つに、クリーニングブレードがある。
近年、電子写真装置の長寿命化による耐久枚数の増加に伴い、クリーニング性能を高次元で長期に達成できるクリーニングブレードが求められている。長寿命化に際して、被清掃部材である感光ドラムのクリーニングブレードと当接する箇所の削れを低減することが必要となる。
この観点で、特許文献1において硬度が一定値以下の柔らかいクリーニングブレードを用いることで感光ドラムの削れを抑制できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平7-098558号公報
特開2003-186366号公報
特開2020-024375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年ではトナーの球形化、プロセス高速化が進んでいるため、柔らかいクリーニングブレードでは、クリーニング不良が発生しやすい。これを考慮すると、クリーニングブレードの硬度を、感光ドラムの削れを低減可能な程度に低く、かつトナーがすり抜けない程度に高くすることが考えられる。
また、クリーニングブレードを構成する弾性部材は、高湿環境においては吸湿による硬度低下が起こりやすくなる。そのため、クリーニングブレードの硬度を上記の通り制御し、かつ吸湿による硬度低下を見越した設計にする必要があり、結果として使用できる硬度幅が狭くなってしまう。ゆえに、優れたクリーニング性能と長寿命化のためのドラム削れ抑制との両立は困難である。
【0005】
本開示は、長寿命かつ高速システムにおいても優れたクリーニング性能を安定して発揮し得るクリーニングブレードの提供に向けたものである。具体的には、吸湿抑制により高湿環境においても硬度が低下しにくく、かつ優れたクリーニング性能を有するクリーニングブレードの提供に向けたものである。
また、本開示は、上記クリーニングブレードを有するプロセスカートリッジの提供に向けたものである。これにより、カートリッジの長寿命化に寄与できる。また、本開示は、上記クリーニングブレードを有する電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。また、本開示は、吸湿しにくく湿度変化による硬度変化の小さいウレタン成形体の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一の態様によれば、ポリウレタンを含有する弾性部材及び該弾性部
材を支持する支持部材を具備し、
移動する被清掃部材の表面に該弾性部材の一部を当接させて、該被清掃部材の表面を清掃する電子写真用クリーニングブレードであって、
24℃環境において、該弾性部材の、振動周波数が1×10
-3
Hz時の貯蔵弾性率が、12.0~18.0MPaであり、
該弾性部材からサンプリングした試料の50℃環境でのパルスNMR測定において、スピン-スピン緩和時間(T2
L
)が250~360μsのセグメントが存在し、
該ポリウレタンが、ポリウレタンエラストマーを含有し、
該ポリウレタンエラストマーが、下記式(1)で示される構造を有するポリシロキサンセグメントを有し、
該ポリシロキサンセグメントが、該ポリウレタンエラストマーにおけるポリウレタン骨格を含む構造と結合しており、
1つの該ポリシロキサンセグメントあたりの、式(1)で示される構造の数Iが、7~195である、
ことを特徴とする電子写真用クリーニングブレードが提供される。
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【0007】
本開示の少なくとも一の態様によれば、上記電子写真用クリーニングブレードと被清掃部材とを有する、プロセスカートリッジが提供される。
また、本開示の少なくとも一の態様によれば、上記電子写真用クリーニングブレードと被清掃部材とを有する、電子写真画像形成装置が提供される。
【0008】
本開示の少なくとも一の態様によれば、ポリウレタンを含有するウレタン成形体であって、
24℃環境において、該ポリウレタンの、振動周波数が1×10
-3
Hz時の貯蔵弾性率が、12.0~18.0MPaであり、
該ウレタン成形体からサンプリングした試料の50℃環境でのパルスNMR測定において、スピン-スピン緩和時間(T2
L
)が250~360μsのセグメントが存在し、
該ポリウレタンが、ポリウレタンエラストマーを含有し、
該ポリウレタンエラストマーが、下記式(1)で示される構造を有するポリシロキサンセグメントを有し、
該ポリシロキサンセグメントが、該ポリウレタンエラストマーにおけるポリウレタン骨格を含む構造と結合しており、
1つの該ポリシロキサンセグメントあたりの、式(1)で示される構造の数Iが、7~195である、ウレタン成形体が提供される。
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【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、吸湿抑制により高湿環境においても硬度が低下しにくく、かつ優れたクリーニング性能を有するクリーニングブレードを提供できる。また、本開示の他の態様によれば、吸湿しにくく湿度変化による硬度変化の小さいウレタン成形体を提供できる。
さらに、本開示の他の態様によれば、上記クリーニングブレードを有するプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の一態様に係る電子写真用クリーニングブレードの概略斜視図。
プロセスカートリッジの静止時に、クリーニングブレードのエッジが被清掃部材に当接した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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