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公開番号2025177552
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024084494
出願日2024-05-24
発明の名称柱梁接合部の構造
出願人JFEシビル株式会社
代理人個人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20251128BHJP(建築物)
要約【課題】複数の鉄骨梁が、互いの高さ方向の位置が異なるように、鉄筋コンクリート柱に貫入するようにして接合される柱梁接合部において、比較的簡単な構造で柱梁接合部の耐力を上げることができ、経済性、施工性、および構造性能に優れる、柱梁接合部の構造を提供する。
【解決手段】鉄筋コンクリート柱に複数の鉄骨梁が貫入するようにして接合される柱梁接合部の構造であって、前記複数の鉄骨梁は、互いの高さ方向の位置が異なるように前記鉄筋コンクリート柱に接合され、前記鉄骨梁のウェブのうち前記鉄筋コンクリート柱に貫入する部分に、ダブラープレートが設置されている、柱梁接合部の構造。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋コンクリート柱に複数の鉄骨梁が貫入するようにして接合される柱梁接合部の構造であって、
前記複数の鉄骨梁は、互いの高さ方向の位置が異なるように前記鉄筋コンクリート柱に接合され、
前記鉄骨梁のウェブのうち前記鉄筋コンクリート柱に貫入する部分に、ダブラープレートが設置されている、柱梁接合部の構造。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記複数の鉄骨梁のうちの少なくとも二本の鉄骨梁が同一構面内に配置され、該二本の鉄骨梁のうち梁せいの中心が高い方の鉄骨梁である上段の鉄骨梁の下端が、梁せいの中心が低い方の鉄骨梁である下段の鉄骨梁の上端よりも低く、
前記ダブラープレートは、前記上段の鉄骨梁の下端と前記下段の鉄骨梁の上端との間の高さに配置されている、請求項1に記載の柱梁接合部の構造。
【請求項3】
前記鉄筋コンクリート柱と前記鉄骨梁との柱梁接合部に、さらにブレースの端部が接合されている、請求項1に記載の柱梁接合部の構造。
【請求項4】
前記鉄筋コンクリート柱と前記鉄骨梁との柱梁接合部に、さらにブレースの端部が接合されている、請求項2に記載の柱梁接合部の構造。
【請求項5】
前記複数の鉄骨梁のうちの少なくとも二本の鉄骨梁が同一構面内に配置され、該二本の鉄骨梁のうち梁せいの中心が高い方の鉄骨梁である上段の鉄骨梁の下端が、梁せいの中心が低い方の鉄骨梁である下段の鉄骨梁の上端よりも高く、
前記上段の鉄骨梁の下フランジと前記下段の鉄骨梁の上フランジとが繋ぎ板により接合され、
前記鉄筋コンクリート柱と前記二本の鉄骨梁との柱梁接合部に、さらにブレースの端部が接合され、
前記ダブラープレートは、前記二本の鉄骨梁のうち前記ブレースと同じスパンに配置されている鉄骨梁のウェブのうち前記鉄筋コンクリート柱に貫入する部分に配置されている、請求項1に記載の柱梁接合部の構造。
【請求項6】
前記ダブラープレートは、前記二本の鉄骨梁のうち前記ブレースと同じスパンに配置されていない鉄骨梁のウェブのうち前記鉄筋コンクリート柱に貫入する部分には配置されていない、請求項5に記載の柱梁接合部の構造。
【請求項7】
前記鉄骨梁のウェブのうち前記鉄筋コンクリート柱に貫入する部分および前記ダブラープレートに、コンクリート充填用の孔が設けられている、請求項1~6のいずれかに記載の柱梁接合部の構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との柱梁接合部の構造に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
建築物の構造形式として、柱を鉄筋コンクリート造とし、梁を鉄骨造とした、RCS構造が用いられている。RCS構造は、圧縮力に強い鉄筋コンクリート部材を柱に、軽量で曲げやせん断に強い鉄骨部材を梁に用いるため、合理的な構造となる。すなわち、鉄骨梁によりロングスパン化を可能にしつつ、鉄筋コンクリート柱により経済的に建物剛性を高め、建物重量を確実に支えることができる。RCS構造は、その特長から、大スパンかつ積載荷重の大きな建築物、具体的には物流施設や店舗などに特に適している。
【0003】
RCS構造では、その柱梁接合部の構造をどのような形式にするのかが、建築物全体の構造性能を確保する上でのポイントになる。RCS構造の柱梁接合部の構造としては、鉄骨梁の端部が鉄筋コンクリート柱の一方の側面から反対側の側面に向かって貫入するようにして柱梁接合部が構成される形式(以下、梁貫通形式という)が多く用いられている。
【0004】
ここで、2階以上にトラックバースを有する物流倉庫のように床面に段差を形成する場合や、鉄筋コンクリート柱に接合される鉄骨梁の梁せいが異なる場合には、鉄筋コンクリート柱に接合される2以上の鉄骨梁の間に、高さ方向に段差が生じる。
【0005】
特許文献1には、RCS構造において、鉄筋コンクリート柱に接合される鉄骨梁同士に段差を簡単に形成することができる、柱梁接合部の構造が開示されている。具体的には、上段の鉄骨梁と下段の鉄骨梁とが鉄筋コンクリート柱に埋設される埋設部分において、上段の鉄骨梁と下段の鉄骨梁とを接合する繋ぎ部材が備えられている。繋ぎ部材は、上段の鉄骨梁のウェブと下段の鉄骨梁のウェブとの間に、繋ぎ部材の少なくとも一部が位置するように、上段の鉄骨梁と下段の鉄骨梁のフランジに接合されている。
【0006】
また、非特許文献1~非特許文献3には、RCS構造において、鉄筋コンクリート柱に接合される2以上の鉄骨梁の天端の高さが異なる場合や、2以上の鉄骨梁の天端の高さが等しいが梁せいが異なる場合の、柱梁接合部の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-162645号公報
【非特許文献】
【0008】
佐川 隆之、外3名、「段差梁を有する鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁で構成される架構の構造性能に関する実験的および解析的研究 コンクリート工学年次論文集」、コンクリート工学年次論文集、Vol.37、No.2、2015年2月、pp.1045-1050
荒金 直樹、外3名、「柱RC梁S混合構造架構の構造性能:その4~6」、日本建築学会大会学術講演梗概集、一般社団法人日本建築学会、2013年7月、pp.1467-1472
原田 雅俊、外1名、「梁偏心・梁段差を有する柱RC梁S混合構造の十字形柱梁接合部の構造性能 その1~2」、日本建築学会大会学術講演梗概集、一般社団法人日本建築学会、2018年7月、pp.1457-1460
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような梁貫通形式の柱梁接合部の構造では、その耐力を上げようとすると、次のような課題が存在する。
【0010】
まず、柱梁接合部の耐力を上げる方法として、柱梁接合部内のみコンクリートの強度を上げようとすると、柱梁接合部内とそれ以外の鉄筋コンクリート柱とで、強度が異なるコンクリートを打ち分ける必要が生じるため、施工性や構造性能において好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

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