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公開番号2025177354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024084107
出願日2024-05-23
発明の名称医療用線材
出願人株式会社パイオラックスメディカルデバイス
代理人個人
主分類A61M 25/09 20060101AFI20251128BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】高い滑り性を有する医療用線材を提供する。
【解決手段】医療用線材10はチタンニッケル合金により形成されて、基部12と、基部12より縮径した縮径部14とを有する。基部12の表面には、熱処理による酸化被膜が形成されて、医療用線材10の高い滑り性を実現する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
チタンニッケル合金により形成された医療用線材であって、
基部と、前記基部より縮径した縮径部とを有し、
前記基部の表面には熱処理による酸化被膜が形成されている、
ことを特徴とする医療用線材。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記基部に、前記酸化被膜を除去することで形成されたマーカが設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療用線材。
【請求項3】
前記マーカは、使用者により直接目視可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の医療用線材。
【請求項4】
前記酸化被膜が設けられた領域の表面粗さと、前記マーカが形成された領域の表面粗さは異なる、
ことを特徴とする請求項2に記載の医療用線材。
【請求項5】
当該医療用線材は、塞栓コイル用デリバリワイヤまたはガイドワイヤに用いられる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の医療用線材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用線材に関し、特に塞栓コイル用デリバリワイヤまたはガイドワイヤに用いられる医療用線材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
脳動脈の治療において、動脈瘤内に複数の塞栓コイルを充填して血流を遮断することで動脈瘤の破裂を防いだり、あるいは抗癌剤等の投与に際して、分岐した2つの血管のうち一方の血管内に塞栓コイルを留置して、その血流を遮断し、他方の血管に抗癌剤等を流しやすくすることが行われている。特許文献1は、塞栓コイルをカテーテルの先端部から押し出すための塞栓コイル用プッシャ(塞栓コイル用デリバリワイヤ)を開示する。
【0003】
コイル塞栓術においては、まずガイドワイヤを体内の所定の位置まで移動させ、このガイドワイヤに沿ってカテーテルを前進させる。カテーテルの先端部が所望の位置に到達すると、カテーテルからガイドワイヤを抜去し、塞栓コイルをカテーテル内に配置して、カテーテルの基端部からプッシャを挿入していく。プッシャ先端の押圧部が塞栓コイルを押すことで、塞栓コイルはカテーテル先端部に向けて移動し、最終的にカテーテルの先端部から押し出されて、所望の位置に留置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-70866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コイル塞栓術においては、プッシャがカテーテル内を摺動するため、プッシャがカテーテルに対して高い滑り性を有することが求められる。従来、摺動抵抗を低減するために、プッシャの芯線をフッ素樹脂やウレタン樹脂でコーティングすることが行われているが、コーティング加工にはコストがかかるため、コーティング加工を行うことなく、プッシャの高い滑り性を安価に実現することが望まれている。なおカテーテル内を摺動するガイドワイヤについても同様の課題が存在し、ガイドワイヤの高い滑り性を安価に実現することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の医療用線材はチタンニッケル合金により形成されて、基部と、基部より縮径した縮径部とを有する。当該基部の表面には熱処理による酸化被膜が形成されており、この酸化被膜により医療用線材の高い滑り性を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
塞栓コイル用プッシャの断面の例を示す図である。
塞栓コイル用プッシャの使用態様を説明するための図である。
塞栓コイルを体内に留置した状態を説明するための図である。
塞栓コイル用プッシャの外観構成の例を示す図である。
線材の表面特性を測定する手法の概要を説明するための図である。
線材表面特性の測定結果を示す図である。
線材表面特性の測定結果のグラフを示す図である。
線材表面特性の測定結果のグラフを示す図である。
レーザ加工により形成したマーカを撮影した写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、実施例の医療用線材を用いて構成される塞栓コイル用プッシャの断面の例を示す。塞栓コイル用プッシャ1は、カテーテル内に配置された塞栓コイルをカテーテル外に押し出す際に用いられる医療器具である。塞栓コイル用プッシャ1は、基端側が太径で先端側が細径とされた長尺状部材である医療用線材10と、医療用線材10の先端に取り付けられて、塞栓コイルを押圧する押圧部20とを備える。
【0009】
実施例の医療用線材10は、チタンニッケル(Ti-Ni)合金により形成されて、塞栓コイル用プッシャ1の芯線を構成する。医療用線材10は、太径の基部12と、基部12より縮径した縮径部14とを有する。医療用線材10は、所定長に切断したチタンニッケル線の一端(先端)側をテーパ加工機で削って縮径することで作製される。図1に示す例では、縮径部14のテーパ角度が一定であるように示されているが、縮径部14のテーパ角度は軸方向において段階的に変化してよく、縮径部14の最先端部のテーパ角度はゼロとされてもよい。
【0010】
押圧部20は、金属線材を巻回して形成されるコイル部を有する。実施例のコイル部は、X線透過性材料の線材を巻回して形成されたX線透過領域と、X線不透過性材料の線材を巻回して形成されたX線不透過領域とを有する。X線透過領域は、ステンレスやピアノ線等のFe系合金、銅、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、又はこれらの合金からなる線材により形成されてよい。またX線不透過領域は、W、Pt、Ti、Pd、Rh、Au、Ag、Bi、Ta又はこれらの合金からなる線材により形成されてよい。コイル部は、X線不透過領域を、前後のX線透過領域で挟み込む構造を有してよい。
(【0011】以降は省略されています)

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