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公開番号
2025177308
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024083996
出願日
2024-05-23
発明の名称
腐食電位測定方法及び腐食電位測定装置
出願人
日立GEベルノバニュークリアエナジー株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
G21D
1/00 20060101AFI20251128BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】本発明は、低コストで構築でき、炉内のSCC保護対象部における腐食電位を精度よく評価できるとともに、SCC保護対象部の表面における貴金属の脱離に伴う貴金属注入の再施工時期を適切に決定することができる腐食電位測定方法を提供する。
【解決手段】本発明の腐食電位測定方法は、炉水が流れる腐食電位測定マニホールドP50a内に、300系ステンレス鋼の腐食電位を測定するSUS316L電極P35a3を設置し、SUS316L電極P35a3の下流側に、82合金の腐食電位を測定する82合金電極P35a5を設置し、82合金電極P35a5における炉水の流動条件に基づく第1の物質移動係数を、炉内の応力腐食割れの保護対象部を形成する82合金が臨む炉水の流動条件に基づく第2の物質移動係数に対応するように設定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
炉水に水素と貴金属とを添加する工程を有し、300系ステンレス鋼からなる第1構造材料と、流れ加速型腐食を生じる第2構造材料とを備える原子力プラントにおける腐食電位測定方法であって、
炉水が流れる配管内に、前記第1構造材料の腐食電位を測定する第1腐食電位測定部を設置し、前記第1腐食電位測定部の下流側に、又は前記第1腐食電位測定部に対して並列に、前記第2構造材料の腐食電位を測定する第2腐食電位測定部を設置し、
前記第2腐食電位測定部における炉水の流動条件に基づく第1の物質移動係数を、炉内の応力腐食割れの保護対象部を形成する前記第2構造材料が臨む炉水の流動条件に基づく第2の物質移動係数に対応するように設定する腐食電位測定方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記配管は、炉底部から炉水が流れ出るボトムドレンラインであり、
前記第2構造材料は、82合金であり、
前記第1腐食電位測定部及び前記第2腐食電位測定部で測定された前記腐食電位を監視することによって、貴金属注入時の前記第1構造材料及び第2構造材料の表面に対する貴金属付着状態、原子力プラントの運転中の前記腐食電位の値、及び脱離による貴金属減少に伴う前記腐食電位の上昇を監視し、
前記第2腐食電位測定部の炉水の流動条件は、少なくとも2つの互いに異なる炉水流速を実現するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の腐食電位測定方法。
【請求項3】
前記第2腐食電位測定部での少なくとも1つの部位での第1の物質移動係数が、炉内の応力腐食割れの保護対象部での第2の物質移動係数と同等となるように、前記配管での炉水流速、前記配管の代表径、及び炉水温度が設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の腐食電位測定方法。
【請求項4】
前記第2構造材料は、ニッケル/鉄組成比が10以上であるとともに鉄組成が7.5%以下である部位と、溶接により希釈されてニッケル/鉄組成比が10以上であるとともに鉄組成が7%以下となった部位とを有するニッケル基合金であることを特徴とする請求項1に記載の腐食電位測定方法。
【請求項5】
前記第2構造材料は、炭素鋼であり、前記第2構造材料が臨む炉水の流動条件に基づく第1の物質移動係数が原子炉水浄化系配管の流動条件に基づく第2の物質移動係数に対応するように設定することを特徴とする請求項1に記載の腐食電位測定方法。
【請求項6】
300系ステンレス鋼からなる第1構造材料と、流れ加速型腐食を生じる第2構造材料とを備え、水素を含む炉水が接触するように貴金属が付与された原子力プラントにおける腐食電位測定装置であって、
炉水が流れる配管内に設置されて前記第1構造材料の腐食電位を測定する第1腐食電位測定部と、
前記第1腐食電位測定部の下流側に、又は前記第1腐食電位測定部に対して並列に設置されて、前記第2構造材料の腐食電位を測定する第2腐食電位測定部と、
を有し、
前記第2腐食電位測定部における炉水の流動条件に基づく第1の物質移動係数が、炉内の応力腐食割れの保護対象部を形成する前記第2構造材料が臨む炉水の流動条件に基づく第2の物質移動係数に対応するように設定されている腐食電位測定装置。
【請求項7】
前記第2腐食電位測定部は、炉内の応力腐食割れの保護対象部における第2の物質移動係数を模擬するように前記第2腐食電位測定部における第1の物質移動係数を調整する物質移動係数調整部を有していることを特徴とする請求項6に記載の腐食電位測定装置。
【請求項8】
前記物質移動係数調整部は、前記第2腐食電位測定部における炉水の流速を、前記第1腐食電位測定部における炉水の流速よりも速める炉水流路狭窄部であることを特徴とする請求項7に記載の腐食電位測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食電位測定方法及び腐食電位測定装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
原子力プラントの機器及び配管等の構造部材は、例えばステンレス鋼、ニッケル基合金などの構造材料で構成されている。これらの構造材料は、特定の条件下では応力腐食割れ(以下、SCCと称することがある)の感受性を示す。そこで、SCC防止策が、原子炉の健全性を維持するために適用されている。また、近年では原子炉の設備利用率向上のような経済性向上の観点、及びプラント高経年化対応の観点からもSCC防止策が適用されている。
【0003】
SCC防止策としては、炉水に対する水素注入が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。この水素注入によれば、水素を炉水に含まれる酸素及び過酸化水素と反応させて水に戻すことにより、腐食電位(以下、ECPと称することがある)が低下し、SCCの発生が抑制される。
また、SCC防止策としては、炉水に白金などの貴金属を注入する貴金属注入が知られている(例えば、特許文献3参照)。この貴金属注入によれば、貴金属の触媒作用によって水素の電気化学反応が促進されECPがさらに低下する。
これらの技術では、SCC抑制効果を評価するために、原子力プラントの構造材料のECPを精度よく測定できる必要がある。
【0004】
従来、ECP測定装置としては、SCC保護対象部と同一材料(ステンレス鋼又はニッケル基合金)から構成された試料電極と照合電極(例えば、白金電極)とをSCC保護対象部の近傍に配置したものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
このECP測定装置によれば、試料電極と照合電極との電位差を測定することによってSCC保護対象部におけるECPを精度よく知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第2687780号公報
特開2005-43051号公報
特開平4-223299号公報
特開2009-30980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、沸騰水型原子炉(BWR)を用いた原子力プラントの炉底部(例えば、シュラウドサポートなど)には、ニッケル基合金溶接金属82(以下、82合金と称することがある)が使用されている。この82合金のECPは、炉内の構造材料として使用されている304ステンレス鋼(SUS304)や316Lステンレス鋼(SUS316L)のECPよりも高くなることが知られている。したがって、従来のECP測定装置(例えば、特許文献4参照)において、これらのステンレス鋼のECPの測定値を82合金のECPの測定値として代替できないため、別途に82合金のECP測定用の電極を設置する必要がある。
しかしながら、従来のECP測定装置(例えば、特許文献4参照)について82合金のECP測定用の電極をさらに追加するとともにこれを炉底部に適用しようとすると、コストが増すだけでなく、炉底部のECP測定装置に対するアクセスが限定的になる課題もある。
【0007】
また、82合金の流れ加速型腐食(以下、FACと称することある)を考慮すると、炉底部の82合金の表面に付着させた貴金属が失われる速度が、炉内の他の構造材料(例えばSUS304やSUS316L)の表面に付着させたものよりも早くなることもある。そのため従来のECP測定装置(例えば、特許文献4参照)では、ECPの測定値が増加した場合であっても、炉水の水質が変化したものか、或いは貴金属の脱離によって変化したものかの区別ができない課題がある。
すなわち、ECP測定装置においては、低コストで構築でき、常時監視の対象となる原子力プラントの炉内のSCC保護対象部における腐食電位を精度よく評価できるとともに、SCC保護対象部の表面における貴金属の脱離に伴う貴金属注入の再施工時期を適切に決定することができるものが望まれている。
【0008】
本発明は、低コストで構築でき、炉内のSCC保護対象部における腐食電位を精度よく評価できるとともに、SCC保護対象部の表面における貴金属の脱離に伴う貴金属注入の再施工時期を適切に決定することができる腐食電位測定方法及び腐食電位測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の腐食電位測定方法は、炉水に水素と貴金属とを添加する工程を有し、300系ステンレス鋼からなる第1構造材料と、流れ加速型腐食を生じる第2構造材料とを備える原子力プラントにおける腐食電位測定方法であって、炉水が流れる配管内に、前記第1構造材料の腐食電位を測定する第1腐食電位測定部を設置し、前記第1腐食電位測定部の下流側に、又は前記第1腐食電位測定部に対して並列に、前記第2構造材料の腐食電位を測定する第2腐食電位測定部を設置し、
前記第2腐食電位測定部における炉水の流動条件に基づく第1の物質移動係数を、炉内の応力腐食割れの保護対象部を形成する前記第2構造材料が臨む炉水の流動条件に基づく第2の物質移動係数に対応する。
【0010】
本発明の腐食電位測定装置は、300系ステンレス鋼からなる第1構造材料と、流れ加速型腐食を生じる第2構造材料とを備え、水素を含む炉水が接触するように貴金属が付与された原子力プラントにおける腐食電位測定装置であって、炉水が流れる配管内に設置されて前記第1構造材料の腐食電位を測定する第1腐食電位測定部と、前記第1腐食電位測定部の下流側に、又は前記第1腐食電位測定部に対して並列に設置されて、前記第2構造材料の腐食電位を測定する第2腐食電位測定部と、を有し、前記第2腐食電位測定部における炉水の流動条件に基づく第1の物質移動係数が、炉内の応力腐食割れの保護対象部を形成する前記第2構造材料が臨む炉水の流動条件に基づく第2の物質移動係数に対応するように設定されている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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