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公開番号2025177238
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024083877
出願日2024-05-23
発明の名称SOC目標設定システム及び二次電池システム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類H01M 10/48 20060101AFI20251128BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】プラトー電位を有する電極を備える二次電池に特有の劣化を抑制可能なSOC目標設定システムを提供する。
【解決手段】SOC目標設定システム1は、プラトー電圧を有する二次電池20におけるSOCのうち、プラトー電圧を示すプラトー範囲の少なくとも一方端である閾値と、二次電池20が使用されるSOC範囲の上限及び下限に対応するSOCの閾値と、のうちの少なくとも一方の閾値を決定する閾値決定部4と、二次電池20の充放電開始時のSOCである第1SOC値と、前記第1SOC値から充放電を行う目標値となる第2SOC値との間に、少なくとも1つの前記閾値が存在するように、前記第2SOC値を設定するSOC目標設定部7と、を備える
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
プラトー電位を有する正極、プラトー電位を有する負極、又は、プラトー電圧を有する二次電池、のうちの少なくとも1つにおける、前記二次電池の充放電の程度を示す充放電指標のうち、前記プラトー電位又は前記プラトー電圧を示すプラトー範囲の少なくとも一方端である閾値と、前記二次電池が使用される前記充放電指標の範囲の上限及び下限に対応する前記充放電指標の閾値と、のうちの少なくとも一方の閾値を決定する閾値決定部と、
前記二次電池の充放電開始時の前記充放電指標である第1充放電指標値と、前記第1充放電指標値から充放電を行う目標値となる第2充放電指標値との間に、少なくとも1つの前記閾値が存在するように、前記第2充放電指標値を設定するSOC目標設定部と、を備える
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記二次電池が前記プラトー範囲で使用された程度を表す使用量を算出する使用量算出部と、
前記使用量算出部により算出された使用量が所定値を超える場合に、前記第2充放電指標値に至る迄前記二次電池を充放電する充放電制御部と、
を備える
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項3】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記閾値決定部は、
前記二次電池における、前記充放電指標と、前記二次電池の開回路電圧との関数、
前記二次電池における、前記充放電指標と、前記二次電池の開回路電圧を前記充放電指標で微分して得られる値との関数、
前記正極又は前記負極の少なくとも一方の電極における、前記二次電池の前記充放電指標と、前記電極の開回路電位との関数、
前記正極又は前記負極の少なくとも一方の電極における、前記二次電池の前記充放電指標と、前記電極の開回路電位を前記充放電指標で微分して得られる値との関数、
のうちの少なくとも1つの関数を用いて、前記閾値を決定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項4】
請求項3に記載のSOC目標設定システムであって、
前記閾値決定部は、前記関数の変曲点、又は、前記充放電指標の単位量あたりの前記電極の電位又は前記開回路電圧の変化量の少なくとも一方を用いて、前記閾値を決定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項5】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記閾値決定部は、
前記二次電池の開回路電圧と閉回路電圧とが等しいと考えられる程度の電流を流して取得した、前記充放電指標と、前記二次電池の閉回路電圧との関数、又は、
前記二次電池の開回路電圧と閉回路電圧とが等しいと考えられる程度の電流を流して取得した、前記充放電指標と、前記二次電池の閉回路電圧を前記充放電指標で微分して得られる値との関数
のうちの少なくとも1つの関数を用いて、前記閾値を決定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項6】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記SOC目標設定システムは、前記二次電池が前記プラトー範囲で使用された程度を表す使用量を算出する使用量算出部を備え、
前記使用量算出部は、前記二次電池の累積通電容量、前記二次電池の累積電力量、前記二次電池の累積使用時間、前記二次電池の電圧又は前記充放電指標の時系列データ、又は、前記二次電池の非プラトー範囲の大きさの変化率、のうちの少なくとも1つを用いて前記使用量を算出する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項7】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記SOC目標設定部は、前記第2充放電指標値を、前記第1充放電指標値を含むプラトー範囲以外のプラトー範囲に、前記第1充放電指標値との差が所定値よりも小さくなるように設定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項8】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記SOC目標設定部は、前記第2充放電指標値を、前記プラトー範囲以外の前記充放電指標の範囲である非プラトー範囲に設定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項9】
請求項8に記載のSOC目標設定システムであって、
前記SOC目標設定部は、前記第2充放電指標値を、前記第1充放電指標値との差が所定値よりも大きくなるように設定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
【請求項10】
請求項1に記載のSOC目標設定システムであって、
前記SOC目標設定部は、前記第1充放電指標値がプラトー範囲又は非プラトー範囲の一方の範囲に存在するとき、前記第2充放電指標値を、前記第1充放電指標値が存在する範囲に隣接する他方の範囲であって前記閾値以外に設定する
ことを特徴とするSOC目標設定システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、SOC目標設定システム及び二次電池システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池等の二次電池は、スマートハウス等の家庭用電源、商業施設、オフィスビル等の産業用電源、モビリティの駆動用電源等としての利用が拡大している。二次電池は、充放電の繰り返し、高温環境下での保管等により性能劣化が進行する。そして、劣化の状態によっては、二次電池の寿命が著しく低下する。従って、二次電池には、劣化の程度を抑える制御方法が求められる。
【0003】
二次電池に使用される電極活物質は、製品の仕様、用途、価格だけでなく、環境、安全の観点から選択され得る。例えば、代表的なリチウムイオン電池の正極活物質としては、LiMn



(LMO)、LiNiCoAlO

(NCA)、LiCoO

(LCO)、LiNi

Mn

Co



(NMC)、LiFePO

(LFP)等が挙げられる。従来は、高いエネルギー密度を有するNMCが主要であったが、レアメタルであるCoを使用しているため、価格及び環境保護の観点からLFPの採用が目立っている。また、負極活物質としては、黒鉛、ハードカーボン等が主要であったが、ハードカーボンでは均一な電池電圧が得られ難いため、黒鉛が使用される傾向にある。
【0004】
特許文献1には、「リチウムイオン二次電池の充放電サイクルの始端電池電圧、終端電池電圧、始端SOCまたは終端SOCがQ-dV/dQ曲線上に現れる特徴点であると検知または推定された場合、リチウムイオン二次電池の充放電サイクルの始端電池電圧、終端電池電圧、始端SOCまたは終端SOCをQ-dV/dQ曲線上に現れる特徴点を避けた電池電圧またはSOCに設定するリチウムイオン二次電池システム。」が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-196805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法では、リチウムイオン二次電池のQ-dV/dQ曲線上に現れる特徴点を避けることで、活物質の膨張収縮による劣化が抑制される(段落0018)。しかし、特許文献1に記載の方法では、プラトー電位を有する活物質を使用した二次電池に特有の劣化を抑制できない。ここでいうプラトー電位は、二次電池の充放電指標(SOC)によらず電極電位が一定になる電位である。
本開示が解決しようとする課題は、プラトー電位を有する電極を備える二次電池に特有の劣化を抑制可能なSOC目標設定システム及び二次電池システムの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のSOC目標設定システムは、プラトー電位を有する正極、プラトー電位を有する負極、又は、プラトー電圧を有する二次電池、のうちの少なくとも1つにおける、前記二次電池の充放電の程度を示す充放電指標のうち、前記プラトー電位又は前記プラトー電圧を示すプラトー範囲の少なくとも一方端である閾値と、前記二次電池が使用される前記充放電指標の範囲の上限及び下限に対応する前記充放電指標の閾値と、のうちの少なくとも一方の閾値を決定する閾値決定部と、前記二次電池の充放電開始時の前記充放電指標である第1充放電指標値と、前記第1充放電指標値から充放電を行う目標値となる第2充放電指標値との間に、少なくとも1つの前記閾値が存在するように、前記第2充放電指標値を設定するSOC目標設定部と、を備える。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、プラトー電位を有する電極を備える二次電池に特有の劣化を抑制可能なSOC目標設定システム及び二次電池システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のSOC目標設定システム及び二次電池システムのブロック図である。
本開示のSOC目標設定システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
正極電位、負極電位及び二次電池の開回路電圧と、SOCとの関数を示すグラフである。
本開示のSOC目標設定方法を示すフローチャートである。
実施例1及び比較例1のサイクル試験の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態(実施形態と称する)を説明する。以下の一の実施形態の説明の中で、適宜、一の実施形態に適用可能な別の実施形態の説明も行う。本開示は以下の一の実施形態に限られず、異なる実施形態同士を組み合わせたり、本開示の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形したりできる。また、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。更に、同じ機能を有するものは同じ名称を付すものとする。図示の内容は、あくまで模式的なものであり、図示の都合上、本開示の効果を著しく損なわない範囲で実際の構成から変更したり、図面間で一部の部材の図示を省略したり変形したりすることがある。また、同じ実施形態で、必ずしも全ての構成を備える必要はない。
(【0011】以降は省略されています)

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