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公開番号
2025175968
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-03
出願番号
2025082283
出願日
2025-05-16
発明の名称
基礎構造の設計方法及び基礎構造
出願人
ジャパンパイル株式会社
代理人
個人
主分類
E02D
27/12 20060101AFI20251126BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】、杭頭部がパイルキャップに埋め込まれる基礎構造の設計方法であって、過密配筋を回避可能でありながら、従来よりも大きな発生曲げモーメントにも対応可能である基礎構造の設計方法及び基礎構造の提供。
【解決手段】パイルキャップが杭頭部の周囲を囲む埋込部を含むように構成される基礎構造の設計方法において、杭頭部の上端面における曲げ耐力を杭頭接合面許容曲げモーメントとして演算し、杭頭部の上端面と面一における埋込部の曲げ耐力を埋込部許容曲げモーメントとして演算し、杭頭接合面許容曲げモーメントと埋込部許容曲げモーメントの和を杭頭接合部許容曲げモーメントとして演算し、杭頭部に所定の軸力が作用している状態でパイルキャップに所定の水平力が作用したときに、杭頭部の上端面中心に生ずる発生曲げモーメントが杭頭接合部許容曲げモーメント以下になるようにパイルキャップの仕様を決定する。
【選択図】 図9
特許請求の範囲
【請求項1】
杭と、
前記杭の杭頭部を囲むパイルキャップと、を備え、
前記パイルキャップは、コンクリート及び複数の鉄筋によって構成される一方、前記杭頭部よりも上方に位置する本体部及び前記杭頭部の周囲を囲む埋込部を含むように構成される基礎構造の設計方法において、
前記杭頭部の上端面における曲げ耐力を杭頭接合面許容曲げモーメントとして演算し、
前記杭頭部の上端面と面一における前記埋込部の曲げ耐力を埋込部許容曲げモーメントとして演算し、
前記杭頭接合面許容曲げモーメントと前記埋込部許容曲げモーメントの和を杭頭接合部許容曲げモーメントとして演算し、
前記杭頭部に所定の軸力が作用している状態で前記パイルキャップに所定の水平力が作用したときに、前記杭頭部の上端面中心に生ずる発生曲げモーメントが前記杭頭接合部許容曲げモーメント以下になるように前記パイルキャップの仕様を決定する
ことを特徴とする基礎構造の設計方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記発生曲げモーメントが生じている状態で前記埋込部において圧縮力が発生する圧縮部位、引張力が発生する引張部位及びせん断力が発生するせん断部位をそれぞれ特定し、
前記圧縮部位の圧縮耐力が前記圧縮力以上になり、前記前記引張部位の引張耐力が前記引張力以上になり、そして、前記せん断部位のせん断耐力が前記せん断力以上になるように、前記パイルキャップの仕様を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項3】
水平方向における前記パイルキャップの表面から前記複数の鉄筋までの最短距離及び水平方向における前記パイルキャップに対する前記杭の偏心量のうち、一方又は両方を考慮して前記埋込部許容曲げモーメントを演算する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項4】
前記埋込部許容曲げモーメントが、前記杭頭接合面許容曲げモーメントの最大値の5%以上になるように、前記パイルキャップの仕様を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項5】
前記複数の鉄筋の少なくとも一部として、前記杭頭部の側方近傍にて鉛直方向に沿って延在する立上げ部を有する複数の立上げ筋を配置し、
前記複数の立上げ筋の立上げ部の上端を、前記杭頭部よりも上方に配置する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項6】
前記基礎構造は前記パイルキャップに連なる梁を更に備え、
前記梁は少なくとも一の水平方向に延在し、
前記複数の立上げ筋のうち少なくとも一の群では、前記複数の立上げ筋の立上げ部が前記一の水平方向と直交する他の水平方向に互いに間隔をおいて整列配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項7】
前記基礎構造は前記パイルキャップに連なる梁を更に備え、
前記梁は少なくとも一の水平方向に延在し、
前記複数の立上げ筋のうち一の群では、前記複数の立上げ筋の立上げ部が前記一の水平方向に互いに間隔をおいて整列配置され、
前記複数の立上げ筋のうち他の群では、前記複数の立上げ筋の立上げ部が前記一の水平方向と直交する他の水平方向に互いに間隔をおいて整列配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項8】
前記複数の鉄筋の少なくとも一部として、前記杭頭部の上方近傍の水平面に沿ってピッチ300mm以下の格子状に配置された複数のベース筋を配置しない
ことを特徴とする請求項5に記載の基礎構造の設計方法。
【請求項9】
杭と、
前記杭の杭頭部を囲むパイルキャップと、を備え、
前記パイルキャップは、コンクリート及び複数の鉄筋によって構成される一方、前記杭頭部よりも上方に位置する本体部及び前記杭頭部の周囲を囲む埋込部を含む基礎構造において、
前記杭頭部の上端面における曲げ耐力が杭頭接合面許容曲げモーメントとして演算され、
前記杭頭部の上端面と面一における前記埋込部の曲げ耐力が埋込部許容曲げモーメントとして演算され、
前記杭頭接合面許容曲げモーメントと前記埋込部許容曲げモーメントの和が杭頭接合部許容曲げモーメントとして演算され、
前記杭頭部に所定の軸力が作用している状態で前記パイルキャップに所定の水平力が作用したときに、前記杭頭部の上端面中心に生ずる発生曲げモーメントが前記杭頭接合部許容曲げモーメント以下になるように前記パイルキャップの仕様が決定されている
ことを特徴とする基礎構造。
【請求項10】
前記発生曲げモーメントが生じている状態で前記埋込部において圧縮力が発生する圧縮部位、引張力が発生する引張部位及びせん断力が発生するせん断部位をそれぞれ特定し、
前記圧縮部位の圧縮耐力が前記圧縮力以上になり、前記前記引張部位の引張耐力が前記引張力以上になり、そして、前記せん断部位のせん断耐力が前記せん断力以上になるように、前記パイルキャップの仕様が決定されている
ことを特徴とする請求項9に記載の基礎構造。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、基礎構造の設計方法及び基礎構造に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、杭頭部がフーチングに埋め込まれるタイプの杭頭接合構造(基礎構造)に適用される杭頭補強筋ユニットを開示している。該杭頭補強筋ユニットは、杭頭を取り囲むリング筋、角形の口金、リング筋及び口金を連結するスターラップ、並びに、上方に向かって突出するフーチング筋を予め一体的に組立てて形成される。該杭頭補強筋ユニットによれば、杭頭の周囲を杭頭補強筋で補強しながら、フーチングにおける杭頭補強の現場作業の手間を省くことができるとされている。
【0003】
特許文献1の杭頭補強筋ユニットはフーチング(パイルキャップ)の下部を補強するためのものである。一方、一般的に、パイルキャップの上部にはベース筋が配置される。ベース筋は、特許文献1の図3(a)、(b)中の補強筋に相当するものであり、杭頭部の上方近傍の水平面に沿って格子状に配置される。また、パイルキャップの上部には、ベース筋以外にも、いずれも必要に応じてではあるが、杭頭定着筋、梁の主筋、あるいは柱の主筋等が配置される。
【0004】
一方、従来の杭頭接合構造の設計方法では、例えば特許文献2が開示しているように、杭頭部に所定の軸力が作用している状態でパイルキャップに所定の水平力が作用したときに杭頭部の上端面の中心で生じる発生曲げモーメントが、所定の許容曲げモーメント以下になるように杭頭接合構造の仕様が決定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平9-273161号公報
特開2018-31204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2が開示する杭頭接合構造の設計方法に限らず、従来の杭頭接合構造の設計方法では、発生曲げモーメントを杭頭部の上端面及び杭頭定着筋に主に負担させるように構成されている(例えば特許文献2の機構I)。このため、地震時に想定される発生曲げモーメントの増大に対しては、杭頭部の曲げ耐力や杭頭定着筋の本数・直径の増大で対応することが主になる。しかしながら、このような従来の杭頭接合構造の設計方法における対応には技術的・コスト的に限界があった。特に、上述したようにパイルキャップの上部及び下部には種々の鉄筋が多数配置されることから、パイルキャップの上部において過密配筋になりやすく、杭頭定着筋の本数・直径の増大は可及的に回避するのが望ましい。
【0007】
上述の事情に鑑みて、本発明の目的は、杭頭部がパイルキャップに埋め込まれている基礎構造の設計方法であって、過密配筋を回避可能でありながら、従来よりも大きな発生曲げモーメントにも対応可能である基礎構造の設計方法及び該設計方法を用いて製造された基礎構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る基礎構造の設計方法は、
前記杭の杭頭部を囲むパイルキャップと、を備え、
前記パイルキャップは、コンクリート及び複数の鉄筋によって構成される一方、前記杭頭部よりも上方に位置する本体部及び前記杭頭部の周囲を囲む埋込部を含むように構成される基礎構造の設計方法において、
前記杭頭部の上端面における曲げ耐力を杭頭接合面許容曲げモーメントとして演算し、
前記杭頭部の上端面と面一における前記埋込部の曲げ耐力を埋込部許容曲げモーメントとして演算し、
前記杭頭接合面許容曲げモーメントと前記埋込部許容曲げモーメントの和を杭頭接合部許容曲げモーメントとして演算し、
前記杭頭部に所定の軸力が作用している状態で前記パイルキャップに所定の水平力が作用したときに、前記杭頭部の上端面中心に生ずる発生曲げモーメントが前記杭頭接合部許容曲げモーメント以下になるように前記パイルキャップの仕様を決定する
ことを特徴とする基礎構造の設計方法。
【0009】
上記構成(1)によれば、杭頭接合面許容曲げモーメントに埋込部許容曲げモーメントを累加することで、杭頭部の曲げ耐力の増大や杭頭定着筋の本数・直径の増大を回避しながら杭頭接合部許容曲げモーメントを大きくすることができ、より大きな発生曲げモーメントに対応可能である。あるいは、上記構成(1)によれば、埋込部許容曲げモーメントを累加することで、杭頭接合部許容曲げモーメントを維持しながら杭頭接合面許容曲げモーメントを低減可能である。このため、杭頭部の曲げ耐力を低減可能であり、あるいは杭頭定着筋の本数・直径を低減して過密配筋を回避可能である。なお、杭頭定着筋は必須ではなく、杭頭定着筋が杭頭部に取り付けられている場合、杭頭部の上端面における曲げ耐力は、杭頭定着筋を含めて演算される。
【0010】
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記発生曲げモーメントが生じている状態で前記埋込部において圧縮力が発生する圧縮部位、引張力が発生する引張部位及びせん断力が発生するせん断部位をそれぞれ設定し、
前記圧縮部位の圧縮耐力が前記圧縮力以上になり、前記引張部位の引張耐力が前記引張力以上になり、且つ、前記せん断部位のせん断耐力が前記せん断力以上になるように、前記パイルキャップの仕様を決定する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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