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公開番号
2025175401
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-03
出願番号
2024081492
出願日
2024-05-20
発明の名称
農薬成分内包ゲルおよび農薬成分内包ゲルの製造方法
出願人
国立大学法人広島大学
代理人
個人
,
個人
主分類
A01N
25/00 20060101AFI20251126BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】植物への固定化が可能で所望のタイミングで農薬成分を放出させることが可能な農薬成分内包ゲルおよび農薬成分内包ゲルの製造方法を提供する。
【解決手段】農薬成分内包ゲルは、光異性化基および2以上の電子吸引性基を有する光異性化化合物と、ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムと、農薬成分と、水と、を含有する。農薬成分内包ゲルは、光異性化化合物とハロゲン化アルキル第4級アンモニウムとが静電的相互作用により結合するとともに水および農薬成分を内包したゲル状であり、光照射によってゾル化して農薬成分を放出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光異性化基および2以上の電子吸引性基を有する光異性化化合物と、
ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムと、
農薬成分と、
水と、を含有し、
前記光異性化化合物と前記ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムとが静電的相互作用により結合するとともに前記水および前記農薬成分を内包したゲル状であり、光照射によってゾル化して前記農薬成分を放出する、
ことを特徴とする農薬成分内包ゲル。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記光異性化化合物がアゾベンゼン誘導体である、
ことを特徴とする請求項1に記載の農薬成分内包ゲル。
【請求項3】
前記アゾベンゼン誘導体がアゾベンゼンジカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸、アゾベンゼンジスルホン酸またはアゾベンゼンテトラスルホン酸である、
ことを特徴とする請求項2に記載の農薬成分内包ゲル。
【請求項4】
前記ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムが式1で表される、
[CH
3
(CH
2
)
n
N(CH
3
)
3
]X …(式1)
(式1中、nは6~20の整数、Xはハロゲンを表す。)
ことを特徴とする請求項1に記載の農薬成分内包ゲル。
【請求項5】
前記光異性化化合物中の電子吸引性基のモル数/前記ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムのモル数が0.5~1.5である、
ことを特徴とする請求項1に記載の農薬成分内包ゲル。
【請求項6】
前記農薬成分内包ゲル中、前記光異性化化合物及び前記ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムの総含有量が1重量%以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の農薬成分内包ゲル。
【請求項7】
光異性化基および電子吸引性基を有する光異性化化合物とハロゲン化アルキル第4級アンモニウムと農薬成分と水を混合して加熱し、冷却してゲル状にする、
ことを特徴とする農薬成分内包ゲルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬成分内包ゲルおよび農薬成分内包ゲルの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)
【背景技術】
【0002】
農業においては、作物の生育を保護し、収穫量を高めるべく、農薬散布が広く利用されている。農薬散布は、農薬が風や雨によって拡散しやすいという問題がある。過剰に農薬散布をすれば、環境汚染の原因にもなってしまう。更には、抵抗性害虫の増加を助長してしまい、抵抗性害虫が増加すると通常の農薬の効果が薄れてしまう。
【0003】
作物への農薬の付着性や浸達性を高め、農薬の効果を安定させるために、展着剤が用いられることがある。展着剤を用いる場合、展着剤を作物に散布した後に、農薬が散布されることから、時間や労力を要する。
【0004】
また、農薬の効果をタイミングよく、作用させたいという要望もある。農薬の放出を制御する手法として、細孔内に光異性化基を有する多孔性膜材料を用いる手法が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、多孔性膜材料の光異性化基の作用により液体が蒸気となり細孔を通過することを利用しており、光を照射することで液体成分である農薬を多孔性膜材料の他方へ放出させる応用が想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-186794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、農薬および多孔性膜材料を作物へ固定化する具体的な手法は開示されていない。
【0007】
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、植物への固定化が可能で所望のタイミングで農薬成分を放出させることが可能な農薬成分内包ゲルおよび農薬成分内包ゲルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る農薬成分内包ゲルは、
光異性化基および2以上の電子吸引性基を有する光異性化化合物と、
ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムと、
農薬成分と、
水と、を含有し、
前記光異性化化合物と前記ハロゲン化アルキル第4級アンモニウムとが静電的相互作用により結合するとともに前記水および前記農薬成分を内包したゲル状であり、光照射によってゾル化して前記農薬成分を放出する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、前記光異性化化合物がアゾベンゼン誘導体であることが好ましい。
【0010】
また、前記アゾベンゼン誘導体がアゾベンゼンジカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸、アゾベンゼンジスルホン酸またはアゾベンゼンテトラスルホン酸であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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