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公開番号
2025175292
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-02
出願番号
2024079945
出願日
2024-05-16
発明の名称
無水石膏の製造方法および無水石膏の製造装置
出願人
株式会社ダイキアクシス・サステイナブル・パワー
,
株式会社不二産業
代理人
弁理士法人明成国際特許事務所
主分類
C01F
11/46 20060101AFI20251125BHJP(無機化学)
要約
【課題】廃棄された石膏製品から、二酸化炭素の排出量を少なくしつつ、着色の少ない無水石膏を得る。
【解決手段】この方法は、205℃以上の状態において、液体の水とともに石膏製品に起因する物質を撹拌する工程を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
無水石膏の製造方法であって、
(a)205℃以上の状態において、液体の水とともに石膏製品に起因する物質を撹拌する工程を備える、無水石膏の製造方法。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
請求項1記載の無水石膏の製造方法であって、さらに、
(b)前記工程(a)を経た前記液体の水と前記石膏製品に起因する物質の混合物を、石膏の粒子および液体の水と、石膏の粒子よりも大きい夾雑物と、に分級する工程、を備える、無水石膏の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の無水石膏の製造方法であって、
液体の水とともに前記石膏製品に起因する物質を撹拌する工程は、210℃以上の状態において、行われる、無水石膏の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の無水石膏の製造方法であって、さらに、
前記液体の水とともに前記石膏製品に起因する物質を撹拌する工程の前に、前記石膏製品に起因する物質が投入された炉内に水蒸気を吹き込むことにより、前記炉内を昇温させる工程を含む、無水石膏の製造方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の無水石膏の製造方法であって、さらに、
前記分級する工程によって得られた石膏の粒子および液体の水に対して、フィルタープレスによる濾過を行う工程を含む、無水石膏の製造方法。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の無水石膏の製造方法であって、
前記分級する工程は、
前記液体の水と前記石膏製品に起因する物質の混合物を、スリットセイバーで処理する工程と、
前記スリットセイバーで処理された前記混合物を、前記スリットセイバーが分級できる対象物の寸法よりも小さい寸法で分級できるウェッジワイヤーで、処理する工程と、を含む、無水石膏の製造方法。
【請求項7】
無水石膏を製造する製造装置であって、
石膏製品に起因する物質を、205℃以上の状態において、液体の水とともに撹拌する処理部を備える、製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、無水石膏の製造方法および無水石膏の製造装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄された石膏ボードをリサイクルする技術としては、以下のようなものがある。廃棄された石膏ボードが粉砕されて、粉砕物が生成される。石膏ボードは主として二水石膏で構成されているため、粉砕物は二水石膏を含む。粉砕物がキルン内に投入されて、壁紙や糊などの夾雑物が燃焼され除去される。熱による反応を得て、半水石膏が得られる。
【0003】
また、特許文献1の技術においては、以下のような処理によって、廃石膏から二水石膏が得られる。まず、廃石膏が粗粉砕される。粗粉砕された廃石膏から紙が大まかに取り除かれる。粗粉砕された廃石膏と水とが混合され、スラリーが作成される。スラリーに対して遊星ボールミルによる湿式粉砕が行われる。スラリーにメッシュを通過させて、残存する紙繊維が除去される。スラリーに対して、クエン酸ナトリウムが添加され、オートクレーブ中で撹拌されながら、135℃、0.3MPaの環境下で1.5時間、加熱される。この段階において、スラリー中の石膏は、すべて半水石膏である。この半水石膏スラリーが80℃で4時間撹拌される。その後、スラリーがろ過され、固液分離されて、ケーキが得られる。ケーキが水で洗浄される。その結果、平均粒径42μmの二水石膏が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-273599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、廃棄石膏の粉砕物がキルン内で焼かれる方法には、以下のような課題がある。キルンの加熱及び処理に長い時間が必要である。得られる石膏には紙が燃焼した後の灰が混在するほか、茶色の着色がある。燃焼により大量の二酸化炭素が排出される。
【0006】
特許文献1の技術においては、二水石膏が得られる。しかし、セメント用の添加剤や、樹脂および塗料の充填剤として利用できるII型無水石膏は得られない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本開示の一形態によれば、無水石膏の製造方法が提供される。この方法は、(a)205℃以上の状態において、液体の水とともに石膏製品に起因する物質を撹拌する工程を備える。
このような態様においては、石膏製品に起因する物質に含まれる二水石膏が、205℃以上の環境下において液体の水と共に撹拌されることにより、微粒子状の無水石膏が得られる。このため、石膏製品に起因する物質が焼かれる態様に比べて、二酸化炭素の排出量を少なくしつつ、着色の少ない無水石膏を、得ることができる。
(2)上記形態の無水石膏の製造方法において、(b)前記工程(a)を経た前記液体の水と前記石膏製品に起因する物質の混合物を、石膏の粒子および液体の水と、石膏の粒子よりも大きい夾雑物と、に分級する工程、を備える、態様とすることができる。
このような態様とすることにより、目的物である無水石膏と、廃棄された石膏製品に含まれており微粒子状の無水石膏よりも大きい夾雑物とを、容易に分けることができる。
(3)上記形態の無水石膏の製造方法において、液体の水とともに前記石膏製品に起因する物質を撹拌する工程は、210℃以上の状態において、行われる、態様とすることができる。
このような態様とすることにより、液体の水とともに石膏製品に起因する物質を撹拌する工程が、210℃未満の状態において、行われる態様に比べて、結果物中の無水石膏の割合を高くすることができる。
(4)上記形態の無水石膏の製造方法において、前記液体の水とともに前記石膏製品に起因する物質を撹拌する工程の前に、前記石膏製品に起因する物質が投入された炉内に水蒸気を吹き込むことにより、前記炉内を昇温させる工程を含む、態様とすることができる。
このような態様とすることにより、炉の外部からの加熱のみによって、常温の状態から液体の水と石膏製品に起因する物質とを昇温する態様に比べて、効率的に石膏製品に起因する物質を昇温させることができる。
(5)上記形態の無水石膏の製造方法において、さらに、前記分級する工程によって得られた石膏の粒子および液体の水に対して、フィルタープレスによる濾過を行う工程を含む、態様とすることができる。
このような態様においては、石膏製品に起因する物質に含まれる二水石膏が、205℃以上の環境下において液体の水と共に撹拌されることにより、粒子の大きさが一定の範囲に含まれる微粒子状の無水石膏が得られる。このため、適切なフィルターを選択することにより、処理対象として粒子の大きさが制御されていない無水石膏が与えられる態様に比べて、生成された無水石膏を大量に失うことなくかつ短い時間で、結果物から水分を除去できる。
(6)上記形態の無水石膏の製造方法において、前記分級する工程は、前記液体の水と前記石膏製品に起因する物質の混合物を、スリットセイバーで処理する工程と、前記スリットセイバーで処理された前記混合物を、前記スリットセイバーが分級できる対象物の寸法よりも小さい寸法で分級できるウェッジワイヤーで、処理する工程と、を含む、態様とすることができる。
このような態様においては、石膏製品に起因する物質に含まれる二水石膏が、205℃以上の環境下において液体の水と共に撹拌されることにより、粒子の大きさが一定の範囲に含まれる微粒子状の無水石膏が得られる。このため、適切なスリットセイバーおよびウェッジワイヤーで処理することにより、分級の対象として粒子の大きさが制御されていない無水石膏が与えられる態様に比べて、生成された無水石膏を大量に失うことなくかつ短い時間で、結果物から水分を除去できる。また、スリットセイバーとウェッジワイヤーとを使用して2段階で分級を行っているため、スリットセイバーのみまたはウェッジワイヤーのみの1段階で分級を行うよりも短い時間で、分級を行うことができる。
(7)本開示の他の形態によれば、無水石膏を製造する製造装置が提供される。この装置は、石膏製品に起因する物質を、205℃以上の状態において、液体の水とともに撹拌する処理部を備える。
本開示は、無水石膏の製造方法および製造装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、石膏のリサイクル方法や石膏の製造方法、その方法を実現する装置等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の第1実施形態としての無水石膏製造システム1を示すブロック図である。
無水石膏の製造方法を示すフローチャートである。
様々な温度で行った亜臨界処理の結果、得られたサンプルの無水石膏の含有率を示す表である。
190℃で処理されたサンプル1のX線回折分析チャートである。
200℃で処理されたサンプル2のX線回折分析チャートである。
210℃で処理されたサンプル3のX線回折分析チャートである。
220℃で処理されたサンプル4のX線回折分析チャートである。
230℃で処理されたサンプル5のX線回折分析チャートである。
各温度で行った亜臨界処理の結果物の重量減少率を示す表である。
ステップS300の亜臨界処理の温度を230℃に設定して図2の処理を行って得られた無水石膏の粒径の分布を表すヒストグラムである。
ステップS300の亜臨界処理の温度を230℃に設定して図2の処理を行って得られた無水石膏の密度、空隙率、比表面積を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態:
A1.無水石膏製造システムの構成:
図1は、本開示の第1実施形態としての無水石膏製造システム1を示すブロック図である。無水石膏製造システム1は、廃棄された石膏製品を投入されて、無水石膏を生成する。廃棄された石膏製品は、たとえば、家屋の壁材として使用されていた石膏ボードである。石膏ボードは主として二水石膏で構成されている。無水石膏製造システム1は、破砕部と、亜臨界処理部300と、分級部400と、乾燥処理部500と、を備える。
(【0011】以降は省略されています)
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