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公開番号
2025175159
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-28
出願番号
2025158583,2021011139
出願日
2025-09-04,2021-01-27
発明の名称
リナグリプチン結晶及びその製造法
出願人
ダイト株式会社
代理人
個人
主分類
C07D
473/04 20060101AFI20251120BHJP(有機化学)
要約
【課題】 安定なリナグリプチンの新規多形体を提供すること、及び商業的な大量生産が容易であり、安全かつ簡単な手法によるリナグリプチンの新規多形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 粉末X線回折において、2θ(°)=6.9、7.6、9.2、14.5、17.7、20.9±0.2θにピークを有する化合物1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチンであるリナグリプチンの新規多形体、及びその製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
粉末X線回折において、2θ(°)=6.9、7.6、9.2、14.5、17.7、20.9±0.2θにピークを有する化合物1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチンであるリナグリプチンの新規多形体。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
化合物1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチンである新規多形体であって、以下の格子定数:
TIFF
2025175159000008.tif
54
72
によって特徴づけられる、リナグリプチンの新規多形体。
【請求項3】
図1に示される粉末X線図を有する、リナグリプチンの新規多形体。
【請求項4】
粉末X線回折において、2θ(°)=6.9、7.6、9.2、14.5、17.7、20.9±0.2θにピークを有する、化合物1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチンであるリナグリプチンの新規多形体を調製する方法であって、該方法が、
(a)化合物1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチンのメタノール溶液を得る工程、
(b)前記メタノール溶液への溶媒添加または冷却により、仕込み量の45%以下の結晶が過溶解している溶液を調製する工程、
(c)前記溶液から結晶を得る工程、
(d)必要に応じて、前記操作(b)、(c)を繰り返す工程、
(e)得られた懸濁液をろ過する工程、及び
(f)30℃以上の温度で乾燥する工程、
を含むことを特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なリナグリプチン結晶形及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
リナグリプチン(Linagliptin)(JAN,INN)は、化学名:1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチンを有し、胆汁排泄型選択的DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)阻害作用を有し、2型糖尿病薬として臨床的に使用されている薬剤である(販売名:トラゼンタ(登録商標)錠)。
【0003】
これまでに、リナグリプチンの結晶形態として数多くの出願がなされており、例えば、特許第5323684号において多形体A~Eを開示している(特許文献1)。しかしながら、多形体AとBは25±15℃で相互変換されると記述されており、室温において、一つの結晶形態から他の結晶形態へ転移する可能性が考えられるため、一定の品質を維持しなければならない医薬品の製造には適していない多形体である。
また、多形体C、DおよびEに関しては、これらの多形体を得るために70~100℃の高温で乾燥する工程、または150℃で溶融する工程が必要であると記述されており、工業的な製造方法として好ましくない。
【0004】
特開2018-177769には多形体Fを開示している(特許文献2)。しかしながらこの多形体を得るためには、晶析後の懸濁液を12時間以上攪拌する必要がある。
またその実施例をみると、リナグリプチンに対して20v/w以上の溶媒を使用しており、生産効率が悪い。
【0005】
さらに、特表2018-527363には、X線回折スペクトル(XRD)で5.6、9.8、11.2、11.8、13.1、14.4、14.9、16.1、16.4、18.4、18.8、19.9、20.2、20.7、22.0の回折角度(2θ±0.2°)でのピークを含むリナグリプチン結晶形が開示されている(特許文献3)。
この結晶形の製造方法にあっては、
(1)水または有機溶媒に上記リナグリプチン4-ヒドロキシ安息香酸塩を入れ、塩基をさらに添加した後撹拌する工程、
(2)上記工程(1)の反応物をろ過し、ろ過された結晶を水及び有機溶媒で洗浄して乾燥する工程
を含むと記述されている。
【0006】
しかしながら、上記工程(1)の攪拌時間は5ないし30分間が好ましく、長くなった場合には、不純物の発生が抑えられないだけでなく、多形体の生成不良によりろ過不良につながる。
したがって固液分離操作に要する時間を考慮すると、工業的な生産工程に適していないものといえる。
また上記工程(2)で使用する有機溶媒として、静電気着火のリスクが高いヘプタン、ヘキサン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、イソプロピルエーテルが挙げられているが、これらの溶媒の単独使用は好ましいものではない。
【0007】
また、国際公開第2013/171756号には安定なアモルファスのリナグリプチンを開示している(特許文献4)。
しかしながら、このアモルファスを得るためには、リナグリプチンの溶液から溶媒を完全に除去する工程が必要となるため、工業的な製造方法として好ましいものではない。
さらに、国際公開第2014/083554号もリナグリプチンのアモルファスを開示している(特許文献5)。しかし安定性に関するデータが示されておらず、室温におけるリナグリプチンの結晶形転移に関する課題は解決されていない。
【0008】
その他、国際公開第2013/074817号はリナグリプチンの多形体Form IないしXXIV(特許文献6)、国際公開第2013/128379号はリナグリプチンの多形体Form I及びII(特許文献7)、国際公開第2020/042939号はリナグリプチンの晶型F(特許文献8)、インド特許出願IN201611032051にはリナグリプチンの多形体Form M(特許文献9)、インド特許出願IN2014MU02250にはリナグリプチンの多形体Form ALを開示している(特許文献10)。
【0009】
このように、上記した各特許を通じてリナグリプチンの新規結晶形が多様に紹介されているにもかかわらず、それらの物質の安定性に関するデータが十分に示されておらず、室温でのリナグリプチンの結晶形転移に関する課題は解決されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第5323684号掲載公報
特開2018-177769号公報
特表2018-527363号公報
国際公開第2013/171756号
国際公開第2014/083554号
国際公開第2013/074817号
国際公開第2013/128379号
国際公開第2020/042939号
インド特許出願IN201611032051
インド特許出願IN2014MU02250
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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