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公開番号
2025175085
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-28
出願番号
2025149078,2022533985
出願日
2025-09-09,2021-06-28
発明の名称
繊維により補強された硬化体
出願人
株式会社クラレ
代理人
個人
,
個人
主分類
C04B
28/08 20060101AFI20251120BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】繊維により補強された、高い曲げ強度および高い寸法安定性を有する硬化体を提供すること。
【解決手段】(A)アルミノケイ酸塩源、(B)アルカリ活性剤および(C)耐アルカリ性繊維を含んでなる硬化性組成物の硬化体であって、アルミノケイ酸塩源(A)は高炉スラグを含み、高炉スラグの含有率はアルミノケイ酸塩源(A)の全固形分に対して40質量%以上であり、アルカリ活性剤(B)の含有率は、硬化性組成物の全固形分に対して10質量%以下であり、硬化体の含水率は、硬化体の総質量に対して10.0質量%以下である、硬化体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)アルミノケイ酸塩源、(B)アルカリ活性剤および(C)耐アルカリ性繊維を含んでなる硬化性組成物の硬化体であって、
アルミノケイ酸塩源(A)は高炉スラグを含み、高炉スラグの含有率はアルミノケイ酸塩源(A)の全固形分に対して40質量%以上であり、
アルカリ活性剤(B)の含有率は、硬化性組成物の全固形分に対して10質量%以下であり、
硬化体の含水率は、硬化体の総質量に対して10.0質量%以下である、硬化体。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
アルミノケイ酸塩源(A)の含有率は、硬化性組成物の全固形分に対して20質量%以上、75質量%以下である、請求項1に記載の硬化体。
【請求項3】
耐アルカリ性繊維(C)は、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維およびナイロン繊維からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の硬化体。
【請求項4】
耐アルカリ性繊維(C)の含有率は、硬化体の全固形分に対して0.05質量%以上、5質量%以下である、請求項1~3のいずれかに記載の硬化体。
【請求項5】
耐アルカリ性繊維(C)の繊維凝集度は10%以下である、請求項1~4のいずれかに記載の硬化体。
【請求項6】
前記硬化体の全体または一部から10gとなるように切り出した10個の切出片に含まれる耐アルカリ性繊維(C)の平均含有率の変動係数は30%以下である、請求項1~5のいずれかに記載の硬化体。
【請求項7】
硬化体は骨材(E)を更に含み、骨材(E)の含有率は、硬化体の全固形分に対して15質量%以上、75質量%以下である、請求項1~6のいずれかに記載の硬化体。
【請求項8】
アルミノケイ酸塩源(A)は、フライアッシュ、メタカオリンおよび赤泥からなる群から選択される少なくとも1つを更に含む、請求項1~7のいずれかに記載の硬化体。
【請求項9】
硬化体はスラグ刺激剤(D)を更に含み、スラグ刺激剤(D)の含有率は、硬化体の全固形分に対して0.01質量%以上、3質量%以下である、請求項1~8のいずれかに記載の硬化体。
【請求項10】
硬化体は硫酸カルシウム誘導体を更に含み、硫酸カルシウム誘導体の含有率は、硬化体の全固形分に対して0.01質量%以上、20質量%以下である、請求項1~9のいずれかに記載の硬化体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維により補強された硬化体に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来のセメント系材料は、その製造汎用性から幅広い分野で、特に土木建築分野で使用されている。しかしながら、セメントの製造には非常に多くのエネルギーを要し、それに伴う二酸化炭素の多量の排出が問題視されている。そこで近年、ジオポリマーという技術が検討されてきている。ジオポリマーは、アルミノケイ酸塩とアルカリ金属ケイ酸塩とを反応させることにより製造される無機ポリマーであり、セメント系材料と比べて、耐久性および耐酸性等に優れると共に、原材料の製造から製品の製造にかけての二酸化炭素排出量が格段に少なく、そのため環境に優しい素材として注目されてきている。
【0003】
例えば特許文献1には、硬化性組成物の流動性を損なわずに、その硬化体の靭性を向上させるために、ケイ酸アルミニウム、アルカリ金属ケイ酸塩、補強繊維および水を含有する硬化性組成物に、特定のスラグ粒子を添加した硬化性組成物が記載されている。
特許文献2には、高炉水砕スラグ、アルカリ刺激剤、水溶性高分子、超微粉状物質、有機質短繊維、および水からなる組成物を、混練、成形した後湿潤養生してなる高強度複合材料が記載されており、この複合材は炎に対して優れた抵抗性を有することが記載されている。
特許文献3には、フライアッシュ、高炉スラグ、下水焼却汚泥、カオリンの少なくとも1つを含む活性フィラーと、シリカまたはシリカ化合物と、アルカリ溶液とからなり、溶液中に含まれるシリカ量とアルカリ量のモル比が0.50以下であることを特徴とするジオポリマー組成物が記載されており、このジオポリマー組成物は向上した耐久性を有することが記載されている。
【0004】
ジオポリマーは、上述の通り環境に優しいといった利点を有する一方で、非常に高い脆性を有する。従って、特許文献1、2に記載されているように繊維で補強する改善案が知られている。しかし、ジオポリマーの硬化性組成物は、粘性も非常に高く、また可使時間が短いため、繊維の均一な混合が困難であり、その結果、繊維による補強効果を十分に引き出すことが困難であった。更に、繊維が均一に混合されていない状態では繊維塊が発生し、結果的に寸法安定性が悪化することが懸念される。また、一般的なジオポリマーはアルミノケイ酸塩を反応させるために多量のアルカリ活性剤を使用することから、得られる硬化体の寸法安定性が高くない。特許文献3に記載されているようなアルカリ活性剤の量でも、得られる硬化体を水中に浸漬するとアルカリ成分が溶け出し、結果的に寸法安定性が悪化することが懸念される。これらの事情から、高い曲げ強度と高い寸法安定性を両立した硬化体を得ることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-184221号公報
特開平5-097495号公報
特開2015-157731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した事情に鑑み、本発明は、繊維により補強された、高い曲げ強度および高い寸法安定性を有する硬化体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決するために、硬化体について鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1](A)アルミノケイ酸塩源、(B)アルカリ活性剤および(C)耐アルカリ性繊維を含んでなる硬化性組成物の硬化体であって、
アルミノケイ酸塩源(A)は高炉スラグを含み、高炉スラグの含有率はアルミノケイ酸塩源(A)の全固形分に対して40質量%以上であり、
アルカリ活性剤(B)の含有率は、硬化性組成物の全固形分に対して10質量%以下であり、
硬化体の含水率は、硬化体の総質量に対して10.0質量%以下である、硬化体。
[2]アルミノケイ酸塩源(A)の含有率は、硬化性組成物の全固形分に対して20質量%以上、75質量%以下である、前記[1]に記載の硬化体。
[3]耐アルカリ性繊維(C)は、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維およびナイロン繊維からなる群から選択される少なくとも1つである、前記[1]または[2]に記載の硬化体。
[4]耐アルカリ性繊維(C)の含有率は、硬化体の全固形分に対して0.05質量%以上、5質量%以下である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の硬化体。
[5]耐アルカリ性繊維(C)の繊維凝集度は10%以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の硬化体。
[6]前記硬化体の全体または一部から10gとなるように切り出した10個の切出片に含まれる耐アルカリ性繊維(C)の平均含有率の変動係数は30%以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化体。
[7]硬化体は骨材(E)を更に含み、骨材(E)の含有率は、硬化体の全固形分に対して15質量%以上、75質量%以下である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の硬化体。
[8]アルミノケイ酸塩源(A)は、フライアッシュ、メタカオリンおよび赤泥からなる群から選択される少なくとも1つを更に含む、前記[1]~[7]のいずれかに記載の硬化体。
[9]硬化体はスラグ刺激剤(D)を更に含み、スラグ刺激剤(D)の含有率は、硬化体の全固形分に対して0.01質量%以上、3質量%以下である、前記[1]~[8]のいずれかに記載の硬化体。
[10]硬化体は硫酸カルシウム誘導体を更に含み、硫酸カルシウム誘導体の含有率は、硬化体の全固形分に対して0.01質量%以上、20質量%以下である、前記[1]~[9]のいずれかに記載の硬化体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、繊維により補強された、高い曲げ強度および高い寸法安定性を有する硬化体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の硬化体は、(A)アルミノケイ酸塩源、(B)アルカリ活性剤および(C)耐アルカリ性繊維を含んでなる硬化性組成物の硬化体である。アルミノケイ酸塩源(A)は高炉スラグを含み、高炉スラグの含有率はアルミノケイ酸塩源(A)の全固形分に対して40質量%以上であり、アルカリ活性剤(B)の含有率は、硬化性組成物の全固形分に対して10質量%以下であり、硬化体の含水率は、硬化体の総質量に対して10.0質量%以下である。
【0010】
硬化体の含水率が硬化体の総質量に対して10.0質量%より高いと、硬化体が高い曲げ強度および高い曲げタフネスを有することは困難である。
本発明者らは、特定のアルミノケイ酸塩源(A)、特定の割合のアルカリ活性剤(B)および耐アルカリ性繊維(C)を含む硬化性組成物の硬化体が、硬化体の総質量に対して10.0質量%以下の含水率を有することにより、硬化体が高い曲げ強度と高い寸法安定性とを併せ持つことができることを見出した。硬化体の含水率は、例えば、養生後に得た未乾燥の硬化体を後述の方法で乾燥することにより、10.0質量%以下の値に調節できる。通常、未乾燥の硬化体を乾燥すると、比較的高い温度(例えば100℃より高い温度)で乾燥した場合は特に、未乾燥の硬化体の表面および内部にひび割れが生じ、その結果、硬化体の力学的強度は低下する。特に繊維で補強されていない未乾燥の硬化体では、ひび割れが多数生じ、硬化体の力学的強度は著しく低下する。しかし、本発明では、硬化体が特定の組成を有する硬化性組成物に基づくことにより、このような力学的強度の低下を回避するどころか、向上した力学的強度を得ることができた、と考えられる。即ち、乾燥(好ましくは比較的高い温度での乾燥)により、硬化反応を実質上完全に進行させるとともに、繊維とポリマーマトリックスとの更なる緻密化を実現し、それにより繊維補強効果を増進することができ、その結果、硬化体の高い曲げ強度および高い曲げタフネスを達成できた、と考えられる。ただし、上記は推定であり、本発明はこれらの作用機構に限定されない。
(【0011】以降は省略されています)
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