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公開番号2025173513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2024079034
出願日2024-05-15
発明の名称水生生物計測方法
出願人株式会社ビジュアルサーボ
代理人個人,個人,個人
主分類A01K 61/95 20170101AFI20251120BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】
袋の中の水に水生生物の個体(魚体等)を入れた状態でその個体を寸法計測するようにして、その個体が傷つきにくくすることや、その個体へのウイルスの感染リスクを抑えることを可能としながらも、その個体の寸法を正確に計測できる水生生物計測方法を提供する。
【解決手段】
水生生物の個体の寸法を計測する水生生物計測方法を、透明な袋10の内部に水W₁を入れる手順と、計測対象の水生生物の個体Kを袋10内に入れる手順と、透明な平面部αを有する水槽20内に水W₂を入れる手順と、水槽20の内部に袋10を入れる手順とからなる準備工程と、平面部αを通じて、水槽20の内部を観察し、個体Kの寸法を計測する計測工程とを経るものとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
水生生物の個体の寸法を計測する水生生物計測方法であって、
透明な袋の内部に水を入れる手順と、
計測対象の水生生物の個体を前記袋内に入れる手順と、
透明な平面部を有する水槽内に水を入れる手順と、
水槽の内部に前記袋を入れる手順と
からなる準備工程と、
前記平面部を通じて、水槽の内部を観察し、前記個体の寸法を計測する計測工程と
を経ることを特徴とする水生生物計測方法。
続きを表示（約 660 文字）【請求項２】
計測工程において、水槽の外部に設置した計測手段を用いて前記個体の寸法を計測する請求項１記載の水生生物計測方法。
【請求項３】
計測手段として、
前記個体を水槽の外部から撮影するためのカメラと、
カメラに接続された情報処理装置と
を備え、
情報処理装置が、
水生生物の三次元モデルデータＤ
Ａ
を事前に登録しておく三次元モデル登録手段と、
前記個体をカメラで撮影した撮影データＤ
Ｂ
を記録する撮影データ記録手段と、
前記個体の撮影データＤ
Ｂ
上の寸法を抽出する寸法抽出手段と、
三次元モデルデータＤ
Ａ
を観察する視線ベクトルの向きを三次元的に変化させながら三次元モデルデータＤ
Ａ
の二次元モデルデータＤ
Ａ．１
を生成していき、撮影データＤ
Ｂ
との一致度が最大となったときの前記向きを、撮影データＤ
Ｂ
が撮影されたときの前記個体の向きと推定する向き推定手段と、
寸法抽出手段で測定された寸法と、向き推定手段で推定された向きとに基づいて、前記個体の寸法を算出する寸法算出手段と
を有する
ものを用いる請求項２記載の水生生物計測方法。
【請求項４】
カメラとして、撮影方向が非平行となるように配置された複数台を用いる請求項３記載の水生生物計測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、鯉等の水生生物を計測する水生生物計測方法に関するものである。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
錦鯉の品評会では、寸法によって魚体をクラス分けしたうえで、クラスごとに魚体が評価される。魚体の寸法計測は、水中から取り出した魚体を計測台の上に置き、人手によって行われる。このため、計測台上で魚体が暴れ、魚体が傷付くおそれがある。万が一、鱗が取れるようなことがあると、錦鯉の価値が大きく低下してしまう。また、錦鯉を水中から取り出すと、錦鯉が弱り、最悪の場合、死んでしまうおそれがある。さらに、計測台を他の錦鯉と共用すると、その計測台を介して錦鯉がコイヘルペスウイルス（ＫＨＶ）に感染するおそれもある。寸法計測は、錦鯉の出品者にとって、大きなリスクをはらんでいる。
【０００３】
また、人手による寸法計測では、計測結果の信頼性が低いという問題もある。というのも、錦鯉の寸法計測の仕方は規定で定められているものの、人手による寸法計測では、計測者の個性（癖等）が計測結果に入り込む余地がある。このため、ある錦鯉の寸法を大き目に計測する一方、別の錦鯉の寸法を小さ目に計測する等、恣意的な寸法計測を許すおそれがあるからである。品評会の公正さを保つためには、計測者の個性を排除できる客観的な計測方法を確立する必要がある。
【０００４】
ところで、特許文献１の図３には、魚類の長さを測定するための袋１であって、目盛り２が記されたものが開示されている。この袋１の中に水を入れ、その水の中に魚体を入れた後、目盛り２を読み取ることで、魚体の寸法計測を行う（同文献の段落００１５を参照。）。これにより、魚体を傷つきにくくすることや、魚体を弱りにくくすることができる。また、袋で魚体を外部から隔離することができるので、その魚体がコイヘルペスウイルス（ＫＨＶ）等のウイルスに感染するリスクを低減することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
実用新案登録第３２１８６８５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかし、特許文献１の袋１を使用しても、目盛２を読み取るのは人であるため、その人（計測者）の個性が計測結果に入り込む余地がある。そもそも、特許文献１の袋１を用いた寸法計測では、正確な計測結果を得ること自体が困難になるおそれがある。というのも、袋１の中に水を入れて計測すると、袋１の中にある水の屈折率と、袋１の外にある空気の屈折率との違いによって、光が袋１で屈折するようになる。また、袋１が外側に膨らんで、袋１の表面が曲面状となり、その光の屈折方向が一様でなくなる。このため、袋１の中にある魚体を袋１の外から見ると、魚体の寸法や形状が、実際のものとは異なって見えるからである。
【０００７】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、袋の中の水に水生生物の個体（魚体等）を入れた状態でその個体を寸法計測するようにして、その個体が傷つきにくくすることや、その個体へのウイルスの感染リスクを抑えることを可能としながらも、その個体の寸法を正確に計測できる水生生物計測方法を提供するものである。また、計測者の個性が計測結果に反映されにくい水生生物計測方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題は、
水生生物の個体の寸法を計測する水生生物計測方法であって、
透明な袋の内部に水を入れる手順と、
計測対象の水生生物の個体を前記袋内に入れる手順と、
透明な平面部を有する水槽内に水を入れる手順と、
水槽の内部に前記袋を入れる手順と
からなる準備工程と、
前記平面部を通じて、水槽の内部を観察し、前記個体の寸法を計測する計測工程と
を経ることを特徴とする水生生物計測方法
を提供することによって解決される。
【０００９】
本発明の水生生物計測方法では、水生生物の個体を袋に入れてその個体の寸法計測を行う。このため、その個体が傷つきにくくすることや、その個体へのウイルスの感染リスクを抑えることができる。また、本発明の水生生物計測方法では、寸法計測時の水生生物が水に浸かった状態となるため、寸法計測時に水生生物が弱りにくくすることもできる。加えて、寸法計測時には、袋の中だけでなく、袋の外にも水がある状態となる。このため、袋を透過してくる光の向きが、透過前後で（袋の入射前と袋の透過後とで）変わらないようにすることができる。換言すると、見掛け上、袋で屈折が生じないようにすることができる。さらに、その個体の寸法は、水槽の平面部を通じて計測される。このため、水槽の中から外へ透過する光が水槽で屈折したとしても、屈折方向が一様となる（平面部では、光が一様に屈折する）。このため、水槽の外からでも、袋の中にある個体の寸法や形状を正確に捉えることができる。したがって、袋の中の水に入れられた個体の寸法を正確に計測することが可能になる。
【００１０】
計測工程で個体の寸法を計測するのに用いる手段（計測手段）は、通常、水槽の外部に設置される。この計測手段は、水槽の内側（水槽に入れられた袋の中）の個体の寸法を、水槽の外から計測できるのであれば、その種類を限定されない。しかし、計測手段として、人の目で目盛等を読み取る必要があるものを用いると、計測者の個性が計測結果に反映されるおそれがある。このため、計測手段は、個体の寸法を機械的に計測できるものを用いることが好ましい。また、水生生物の個体は、生きているため、袋の中で動いて向きが変化する。このため、計測手段は、個体が移動してその向きが変わっても、その個体を寸法計測できるものを用いることが好ましい。
（【００１１】以降は省略されています）

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