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公開番号
2025172170
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-20
出願番号
2025153510,2021115978
出願日
2025-09-16,2021-07-13
発明の名称
箱型成形体
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
81/02 20060101AFI20251113BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明では、アタック性の強い薬品を使用した場合でも、PPS樹脂同等の耐薬品性を保持し、成形時にバリを発生させることなく、かつ高いガスバリア性及び強度を両立することが可能な、箱型成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】4面以上からなる箱型形状を有し、その内部に接液部を有する箱型成形体であって、接液部は、(a)結晶性樹脂、(b)非晶性樹脂、及び(c)充填材を含む樹脂組成物からなり、樹脂組成物のSEMによるモルフォロジー解析において、(a)結晶性樹脂を含む相が海、前記(b)非晶性樹脂を含む相が島を形成しており、島の数平均粒子径が0.2~1.3μmであり、接液部の接液面の、60度入射角表面光沢度が85以上である、箱型成形体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
4面以上からなる箱型形状を有し、その内部に接液部を有する箱型成形体であって、
前記接液部は、(a)結晶性樹脂、(b)非晶性樹脂、及び(c)充填材を含む樹脂組成物からなり、
前記樹脂組成物のSEMによるモルフォロジー解析において、前記(a)結晶性樹脂を含む相が海、前記(b)非晶性樹脂を含む相が島を形成しており、
前記島の数平均粒子径が0.2~1.3μmであり、
前記接液部の接液面の、60度入射角表面光沢度が85以上である、箱型成形体。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
液体を充填するために用いるまたは充填した液体を遮断するために用いる、請求項1に記載の箱型成形体。
【請求項3】
前記接液部が、液体移送用の流路である、請求項1又は2に記載の箱型成形体。
【請求項4】
前記接液部を、SP値が12.7(cal/cm)
0.5
の疎水性溶媒を満たしたガラス容器に浸漬し、60℃のオーブンに30日間静置した後の、前記接液部の接液面の、浸漬前からの明度の変化率が10%未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載の箱型成形体。
【請求項5】
前記接液部が、厚さ1mm以下の部分を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の箱型成形体。
【請求項6】
前記厚さ1mm以下の部分の水蒸気透過度が、0.4g/(m
2
・day)以下である、請求項5に記載の箱型成形体。
【請求項7】
前記(a)結晶性樹脂がポリフェニレンスルフィドを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の箱型成形体。
【請求項8】
前記(b)非晶性樹脂がポリフェニレンエーテルを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の箱型成形体。
【請求項9】
液体移送容器である、請求項1~8のいずれか一項に記載の箱型成形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱型成形体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、疎水性の強い有機溶剤を保管したり、流したりする容器には、金属が使用されていた。しかし、プラスチックが軽量である特徴に注目されるとともに、昨今では様々な樹脂材料が開発され、液体への耐性が高い非金属の容器が利用されている。特に、金属は強酸性、強塩基性の水溶液を保存した場合は、腐食の恐れがあるため、親水性および疎水性の液体双方に耐性のあるエンジニアリングプラスチックの利用価値が高まっている。こうした、親水性および疎水性の双方の液体に耐性のある樹脂材料として、結晶性樹脂、が挙げられ、結晶性樹脂である特徴を生かし、そのガスバリアの高さから、液体を保管または輸送する様々な用途における容器に使用されている。その中でも、ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略記することがある。)が好ましく用いられる。
【0003】
しかし、結晶性樹脂を容器に用いた場合、成形時の収縮率が大きく、成形品が精密な場合は、その寸法精度が問題になることがある。
【0004】
また、結晶性樹脂としてPPSを使用した場合、その流動性の高さが原因となり、樹脂成型時に金型のガス抜け部分のわずかな隙間から樹脂が漏れ出す現象である、バリが発生し、成形性を悪化させることがある。
【0005】
この現象を解決する手段として、結晶性樹脂であるPPSに非晶性樹脂であるポリフェニレンエーテル(以下PPE)樹脂をアロイ化させた、PPS/PPE樹脂を使用することが知られている(特許文献1~4)。PPS/PPE樹脂は、PPS樹脂単体と比較し、PPEの非晶性樹脂である特徴を生かしバリを抑制し、収縮率を小さくする効果があるが、PPSよりも流動性が低いため、薄肉の成形品を成形することができないことがあった。このような問題を解決する手段として、特定の条件のフィラーを充てんさせたPPS/PPE樹脂を使用することで、薄肉の部材において強度と高い耐薬品性との特徴を併せ持つ薄肉部材が提案されている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-291054号公報
特開2006-316245号公報
特開2005-264124号公報
特開2019-14776号公報
特開2020-180192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このようなPPS/PPE樹脂を使用した場合でも、使用する有機溶剤に依って、特に疎水性の高い薬剤を使用すると、耐薬品性が不十分となる場合がある。耐薬品性を高める方法として、相分離構造を持つPPS/PPEの分散径を制御し、耐薬品性が相対的に低いPPE樹脂の分散径を小さくする方法が考えられるが、アタック性の強い薬剤に触れた場合は、分散径を適切に小さくするだけでは、薬品に依る容器の変形を防止できないことがあった。
【0008】
そこで、本発明では、アタック性の強い薬品を使用した場合でも、PPS樹脂同等の耐薬品性を保持し、成形時にバリを発生させることなく、かつ高いガスバリア性及び強度を両立することが可能な、箱型成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、アタック性の強い薬品を使用した場合でも、容器の変形がなく、PPS樹脂同等の耐薬品性を保持し、成形時にバリを発生させることなく、かつ高いガスバリア性及び強度を両立することが可能な箱型成形体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
4面以上からなる箱型形状を有し、その内部に接液部を有する箱型成形体であって、
前記接液部は、(a)結晶性樹脂、(b)非晶性樹脂、及び(c)充填剤を含む樹脂組成物からなり、
前記樹脂組成物のSEMによるモルフォロジー解析において、前記(a)結晶性樹脂を含む相が海、前記(b)非晶性樹脂を含む相が島を形成しており、
前記島の数平均粒子径が0.2~1.3μmであり、
前記接液部の接液面の、60度入射角表面光沢度が85以上である、箱型成形体。
[2]
液体を充填するために用いるまたは充填した液体を遮断するために用いる、[1]に記載の箱型成形体。
[3]
前記接液部が、液体移送用の流路である、[1]又は[2]に記載の箱型成形体。
[4]
前記接液部を、SP値が12.7(cal/cm)
0.5
の疎水性溶媒を満たしたガラス容器に浸漬し、60℃のオーブンに30日間静置した後の、前記接液部の接液面の、浸漬前からの明度の変化率が10%未満である、[1]~[3]のいずれかに記載の箱型成形体。
[5]
前記接液部が、厚さ1mm以下の部分を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の箱型成形体。
[6]
前記厚さ1mm以下の部分の水蒸気透過度が、0.4g・(m
2
・day)以下である、[5]に記載の箱型成形体。
[7]
前記(a)結晶性樹脂がポリフェニレンスルフィドを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の箱型成形体。
[8]
前記(b)非晶性樹脂がポリフェニレンエーテルを含む、[1]~[7]のいずれかに記載の箱型成形体。
[9]
液体移送容器である、[1]~[8]のいずれかに記載の箱型成形体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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