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公開番号
2025172045
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-20
出願番号
2025078800
出願日
2025-05-09
発明の名称
アルカリホスファターゼ組成物
出願人
キッコーマン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
9/16 20060101AFI20251113BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】アルカリホスファターゼ組成物を提供する。
【解決手段】糖鎖を有するアルカリホスファターゼと硫酸塩を含む組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
糖鎖を有するアルカリホスファターゼと硫酸塩を含む組成物(ただし、ヒト由来アルカリホスファターゼを除く)。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
硫酸塩が、硫酸マグネシウム(MgSO
4
)、硫酸亜鉛(ZnSO
4
)、硫酸ナトリウム(Na
2
SO
4
)又は硫酸アンモニウム((NH
4
)
2
SO
4
)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物中の硫酸塩の濃度が、0.1~500mMである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物中のアルカリホスファターゼの濃度が、0.18~52.5mg/mLである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
組成物中のアルカリホスファターゼの濃度が、0.18~52.5mg/mLであり、かつ、組成物中の硫酸塩の濃度が、0.1~500mMの量である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
組成物中のアルカリホスファターゼの比活性が、5800~8800U/mgである、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
糖鎖を有するアルカリホスファターゼが、真核生物組換え発現アルカリホスファターゼである、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
真核生物が、アスペルギルス(Aspergillus)属、ピキア(Pichia)属又はサッカロマイセス(Saccharomyces)属である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
真核生物が、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojae:アスペルギルス・ソーヤ)、ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae(Ahlburg)Cohn:アスペルギルス・オリゼー)、クロコウジカビ(Aspergillus luchuensis:アスペルギルス・リュウキュウエンシス)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamarii)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、若しくはアスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)のいずれかである、又はピキア・パストリス(Pichia pastoris)、又はサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・バヤヌス・バー・ウバルム(Saccharomyces bayanus var. uvarum)、サッカロマイセス・ミカタエ(Saccharomyces mikatae)、サッカロマイセス・パラドクサス(Saccharomyces paradoxus)、サッカロマイセス・アルボリコラ(Saccharomyces arboricola)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、サッカロマイセス・クドリアフゼビイ(Saccharomyces kudriavzevii)、若しくはサッカロマイセス・ユーバヤヌス(Saccharomyces eubayanus)のいずれかである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
糖鎖を有するアルカリホスファターゼを含む組成物(ただし、ヒト由来アルカリホスファターゼを除く)の製造方法であって、
糖鎖を有するアルカリホスファターゼを調製する工程、
前記アルカリホスファターゼと硫酸塩を混合する工程
を含む、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリホスファターゼ組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
アルカリホスファターゼ(以下、ALPと略称する場合がある。)は、イムノアッセイのマーカーとして広く利用されている。
【0003】
ALPは、ウシ腸管からの抽出によって製造されるALPが用いられている。ウシ由来のALPは、比活性が高く、標識酵素として長年使用されているが、哺乳動物由来であるため、個体差による品質の大きなブレ等があることに加え、近年の動物愛護意識の高まりを受け、代替となる動物由来でないものへの切り替えが検討される。また、ウシ由来のALPには、複数存在するALPアイソフォームによる活性のばらつき等が存在する。このため、抽出や精製を経て製造されている市販のALP製品であっても、複数存在するアイソフォームを含む混合物であることが実情であり、酵素製品としての均一性に劣るという問題を有している。
【0004】
ALPを酵母やアスペルギルス属形質転換体等で発現させる試みも行われている(特許文献1及び2)。
【0005】
ウシ由来のALPは、二量体の膜由来糖タンパク質であり、酵素活性を発揮するためには、亜鉛、マグネシウム又はカルシウムの二価イオンが必要であることが知られている(非特許文献1)。
これまで、大腸菌や無細胞発現系で得られた、糖鎖付加のない仔牛腸由来アルカリホスファターゼ(CIAP)において、用いる金属イオンの対イオンによって、比活性や安定化に影響を与えることが確認されている(特許文献3~5)。例えば、特許文献3では、終濃度が1Mとなるように硫酸アンモニウム溶液を添加することで、CIAPが、高い活性を示すことが示されている。また、硫酸塩を用いることで、原核生物を宿主若しくは無細胞発現系で生産させたCIAPの活性を向上させることが示されている(特許文献4又は5)。
【0006】
特許文献6には、ALP活性の測定において基質として用いるp-ニトロフェニルリン酸の加水分解が抑制されるALP活性測定試薬が開示されており、具体的に、ヒトALPの反応促進剤として、マグネシウム塩が好ましいこと、その一例として、酢酸塩、アスパラギン酸塩、塩化物、硫酸塩等が開示されている。また、特許文献7には、バチルス属に属する細菌から、熱安定性及び比活性が高いアルカリホスファターゼを見出したことが開示されており、その中でバチルス属細菌由来のALPの不活性化を防ぐことを目的に、金属塩を添加すること、使用できる金属塩の一例として0.05mmol/L~10mmol/Lの硫酸マグネシウムを使用することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-005734号公報
国際公開第2019/069977号
国際公開第2022-196538号
特開2023-133236号公報
特公平8-024572号公報
特開平11-187897号公報
特許第4035738号公報
【非特許文献】
【0008】
Isozymes of bovine intestinal alkaline phosphatase. The Journal of Biological Chemistry. 1985, Vol. 260, No. 20, 11190-11193.
【発明の概要】
【0009】
本願発明が解決しようとする課題は、それに含まれるALPが高い比活性を示し、また、高塩濃度条件下でのALP活性のばらつきが抑制されるALPを含む組成物を提供することである。
【0010】
そこで、本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を重ねた結果、糖鎖を有するALPと硫酸塩を組み合わせた組成物とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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