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公開番号2025170928
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024075794
出願日2024-05-08
発明の名称小便器の洗浄排水システム及び洗浄排水方法
出願人共立製薬株式会社
代理人個人
主分類E03D 9/00 20060101AFI20251113BHJP(上水;下水)
要約【課題】 横引き管内での異物の堆積を防止する。
【解決手段】洗浄水供給系20に薬液供給装置30を設けると共に、横引き管42に界面活性剤を供給する界面活性剤供給系60を設ける。横引き管42内に排出された排水と界面活性剤とが混ざることにより、排水が泡立つ。横引き管42内で生じた泡の流れは、泡立っていない場合の排水の流れと比較して遅くなるため、横引き管42内でとどまる時間が長くなる。それにより薬液がとどまっている時間も長くなり、横引き管42内の洗浄、消臭、殺菌、尿石付着の防止等の薬液による効果が向上する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
小便器に洗浄水を供給する洗浄水供給系と、前記小便器を通過した排水を流す排水管系とを有する小便器の洗浄排水システムであって、
前記洗浄水が流れる洗浄水用配管内に薬液を供給するため、前記洗浄水供給系に設けられる薬液供給装置と、
前記排水管系中の横引き管内に界面活性剤を供給するための、前記排水管系に設けられる界面活性剤供給系と
を備えている小便器の洗浄排水システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
少なくとも前記界面活性剤の供給のタイミングを制御する駆動制御部をさらに備える
請求項1記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項3】
前記界面活性剤供給系が、
前記界面活性剤を収容する界面活性剤収容部と、
前記界面活性剤収容部から前記界面活性剤を前記横引き管に導く界面活性剤導入機構と
を有し、
前記駆動制御部は、予め設定した所定のタイミングで前記界面活性剤導入機構を動作させる
請求項2記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項4】
前記駆動制御部は、前記小便器の使用頻度が低い時間帯に前記界面活性剤導入機構を動作させる
請求項3記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項5】
前記薬液供給装置が、
前記薬液を収容する薬液収容部と、
前記薬液収容部から前記薬液を前記洗浄水用配管に導入する薬液導入機構と
を有し、
前記駆動制御部は、予め設定した所定のタイミングで前記薬液導入機構を動作させる
請求項2記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項6】
前記駆動制御部は、前記小便器の使用頻度が低い時間帯に前記薬液導入機構を動作させる
請求項5記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項7】
前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である
請求項1記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項8】
前記排水管系に、さらに、前記横引き管内に尿石除去剤を供給する尿石除去剤供給系が設けられている
請求項2記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項9】
前記尿石除去剤供給系が、
前記尿石除去剤を収容する尿石除去剤収容部と、
前記尿石除去剤収容部から前記尿石除去剤を前記横引き管に導く尿石除去剤導入機構と
を有し、
前記駆動制御部は、前記横引き管内の尿石の付着量が所定以上の場合に、前記尿石除去剤導入機構を動作させる
請求項8記載の小便器の洗浄排水システム。
【請求項10】
前記横引き管内の尿石の付着量を測定する尿石付着量測定装置を有し、
前記尿石付着量測定装置による測定データが、前記駆動制御部に送信される構成である
請求項9記載の小便器の洗浄排水システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、小便器に洗浄水を供給する洗浄水供給系と、小便器を通過した排水を流す排水管系とを備えた小便器の洗浄排水システム及び洗浄排水方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般に水洗便器に対して、洗浄、消臭、殺菌等の目的で薬液処理が行われている。この薬液処理の方法として種々のものが実施されているところ、水洗便器に供給される薬液の交換頻度や消費量を低減可能な下記特許文献1,2の装置が知られている。
【0003】
特許文献1,2に示される装置は、水洗便器(特に、小便器)に洗浄水が流れる度に小便器に洗浄、消臭、殺菌等を目的とした薬液を自動的に供給する装置に関する。より詳しくは、特許文献1,2に示される装置は、小便器内に洗浄水を吐出する吐出口に至るまでの洗浄水用配管に接続された洗浄水通過部を有し、この洗浄水通過部に臨む取り込み口を介して、薬液を保持した容器内に洗浄水を取り込み、薬液と混合させる。その後、洗浄水用配管に流れる洗浄水の供給が終了すると、洗浄水用配管の圧力が低下し、薬液と混合された洗浄水が洗浄水用配管に送り出される。これにより小便器には薬液が供給され、小便器の洗浄、消臭、殺菌等の処理がなされる。
【0004】
ところで、洗浄水用配管を構成する一次側配管へ薬液を供給する場合には、複数の小便器のうち一つの小便器で水漏れが生じた場合でも薬液が消費されてしまうこと、飲料水用配管とつながっているため、途中経路に逆流防止弁を設けなければならないこと、一次側配管は常時所定の高圧下で保たれているため、そこに薬液を供給する薬液供給機構もそれに応じた高い耐圧性を備えさせる必要があることなどの課題がある。
【0005】
これに対し、洗浄水用配管のうちの二次側配管に薬液を供給する特許文献1,2に開示の技術はこのような一次側配管へ薬液を供給する構造の課題を解決するものではあるが、特許文献1,2に示された装置は、洗浄水の流れの開始時と終了時との流量変化に伴う圧力変化を利用するものである。ところが、近年、洗浄水の流量を極力減らした節水型のトイレ設備が普及してきているため、洗浄水の流れの開始時と終了時との間で、十分な圧力差を確保できない場合がある。
【0006】
特許文献3では、二次側配管に洗浄水センサを設け、洗浄水センサにより二次側配管内を流れる洗浄水の流れを検出すると薬液吐出機構のポンプが駆動し、二次側配管内に薬液を供給する小便器用薬液供給装置が提案されている。特許文献3の技術によれば、洗浄水センサにより二次側配管内に洗浄水が流れたことを検出すれば薬液が供給されるため、節水型のトイレ設備であっても、薬液を必要量供給することができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1~3の技術はいずれも、小便器を使用するたびに、洗浄水が流れ、当該小便器に対して薬液が供給される。従って、使用頻度が多い場合には、薬液を供給しても、洗浄水と共に速やかに押し流されてしまい、小便器内はともかく、排水管系(特に横引き管)において薬液の洗浄、消臭、殺菌等の作用が十分には働かない場合がある。
【0008】
この点に鑑み、本出願人は、特許文献4として、小便器の使用頻度が低い所定期間に薬液を送り出すよう、ポンプの駆動を制御する技術を提案している。二次側配管を介して小便器に供給された薬液は、小便器に接続される排水管系(特に、横引き管内)に流れるが、使用頻度の低い時間帯に供給されるため、薬液の成分を横引き管内に長期間滞留させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特公昭49-21541号公報
特開2003-96873号公報
特開2019-157343号公報
特開2023-35998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献4の技術によれば、使用頻度の低い時間帯に薬液が供給されるため、洗浄水が少ない節水型の小便器に用いられても、横引き管を含む排水管系における薬液の滞留時間が、小便器の使用の度に薬液が供給される構成と比較して長くなり、小便器排水管系における洗浄、消臭、殺菌、尿石付着の防止等の効果が高くなる。しかしながら、その効果は高いほど望ましいことはもとよりである。
(【0011】以降は省略されています)

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