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公開番号2025170327
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-18
出願番号2025137175,2021062172
出願日2025-08-20,2021-03-31
発明の名称イットリア安定化ジルコニア層の製造方法、電機化学素子の製造方法、固体酸化物形燃料電池の製造方法及び固体酸化物形燃料電池セルの製造方法
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人個人,個人
主分類C09D 1/00 20060101AFI20251111BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】緻密なイットリア安定化ジルコニア層も得る。
【解決手段】酢酸ジルコニウム、イットリウム化合物、キレート化合物、触媒、水、及び有機溶媒を原材料として含む組成物を混合して製造され、塗料組成物中の酢酸ジルコニウムの含有量が10~30質量%、イットリウム化合物の含有量が1~10質量%、キレート化合物の含有量3~10質量%、触媒の含有量が0.1~2質量%、水の含有量が5~15質量%、有機溶媒の含有量が残部である塗料組成物を、対象物の表面に塗布するとともに硬化してイットリア安定化ジルコニア層を得る。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
酢酸ジルコニウム、イットリウム化合物、キレート化合物、触媒、水、及び有機溶媒を原材料として含む組成物を混合して製造され、塗料組成物中の前記酢酸ジルコニウムの含有量が10~30質量%、前記イットリウム化合物の含有量が1~10質量%、前記キレート化合物の含有量3~10質量%、前記触媒の含有量が0.1~2質量%、前記水の含有量が5~15質量%、前記有機溶媒の含有量が残部である塗料組成物を、対象物の表面に塗布するとともに硬化してイットリア安定化ジルコニア層を前記対象物の表面に形成するイットリア安定化ジルコニア層の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記イットリウム化合物は、硝酸イットリウム、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、リン酸イットリウム、酢酸イットリウム、炭酸イットリウム、イットリウム(III)エトキシド、イットリウム(III)n-プロポキシド、イットリウム(III)i-プロポキシドのいずれか1以上である、請求項1記載のイットリア安定化ジルコニア層の製造方法。
【請求項3】
前記キレート化合物は一般式(1)である、請求項1又は2記載のイットリア安定化ジルコニア層の製造方法。
R1-CO-CH

-CO-R2 一般式(1)
[式中、R1とR2は炭素数1~6のアルキル基(フッ素化アルキル基を含む)、単環もしくは2環アリール基;R1とR2は同じか又は異なり、それぞれ、炭素数1~6のアルキル基、単環もしくは2環アリール基である。R1とR2は互いに連結して環状アルキル基であってもよい。]
【請求項4】
前記キレート化合物は、2,4-ペンタンジオン、2,4-ヘキサンジオン、3,5-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3,5-へプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、1-フェニル-1,3-ブタンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、1,1,1-トリフルオロ-2,4-ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオン、1,3-シクロヘキサンジオンのいずれか1以上である、請求項1~3の何れか一項記載のイットリア安定化ジルコニア層の製造方法。
【請求項5】
前記触媒は塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸、酢酸のいずれか1以上である、請求項1~4の何れか一項記載のイットリア安定化ジルコニア層の製造方法。
【請求項6】
前記有機溶媒はメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノールのいずれか1以上である、請求項1~5の何れか一項記載のイットリア安定化ジルコニア層の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項記載のイットリア安定化ジルコニア層の製造方法により製造される前記イットリア安定化ジルコニア層を備える電気化学素子の製造方法。
【請求項8】
前記イットリア安定化ジルコニア層を電極層として金属支持体上に備える請求項7記載の電気化学素子の製造方法。
【請求項9】
発電反応を生じる固体酸化物形燃料電池を、請求項7又は8に記載の電気化学素子の製造方法により製造される電気化学素子として製造する固体酸化物形燃料電池の製造方法。
【請求項10】
電解反応を生じる固体酸化物形電解セルを、請求項7又は8に記載の電気化学素子の製造方法により製造される電気化学素子として製造する固体酸化物形電解セルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種部材の表面に塗装によりイットリア安定化ジルコニア層を形成することができる塗料組成物の製造方法に関するとともに、イットリア安定化ジルコニア層を備える各種機能部材に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、各種部材の表面にイットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと記載することがあるものとする)をコーティングして、高硬度と不活性が要求される部品、ジェットエンジン等に使用する耐火物部品に使用することが知られている。さらに、比較的高温で使用される固体酸化物形燃料電池(SOFC)の固体電解質とすることも知られている。SOFCの固体電解質への応用として、以下の技術がある。
【0003】
特許文献1には、ジルコニウムアルコキシド及び硝酸イットリウム水和物を共通の溶媒である第1の溶媒に溶解し、この溶液を均質化する第2の溶媒に溶解するコーティング溶液が開示されている。
【0004】
ここで第1の溶媒としては、1-プロパノールの他、2-プロパノール及び2-メチル- 1-プロパノールも適しており、さらにベンゼン、ヘキサン、メタノール、エタノール等を使用することができるとされている。
【0005】
一方、第2の溶媒は均質化溶媒として説明されており、具体的には、2,4-ペンタンジオンの他、トリエタノールアミンまたはジエタノールアミンを使用することができるとされている。
【0006】
特許文献2には、イットリア安定化ジルコニアなどのセラミック粉末、結晶成長促進剤としての酢酸ジルコニウム、一時的バインダーとしてポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールまたはセルロース、水から成るスリップを配向凍結し、多孔質のプリフォームを得て1350~1400℃で焼結することにより、切頭円錐形の管状孔を含むセラミック物質が開示されている。
【0007】
非特許文献3には、酢酸ジルコニウムの水溶液に耐熱ガラス基板をディップコートして600℃で焼成することにより得られるジルコニア薄膜が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平7-235317号公報
特許第5965897号公報
Journal of the Ceramic Society of Japan 114[5]414-415(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示の技術には、以下の問題があることが判明した。
(1)金属酸化物の多孔質体からなる空気極成形体の表面に当該イットリア安定化ジルコニアを電解質層として形成しようとする場合、この成形体をコーティング溶液に浸漬し、ディッピング操作を繰り返して、イットリア安定化ジルコニアコーティングを得るため、膜厚1μm程度のイットリア安定化ジルコニアのコーティング膜を得るためには、ディッピング操作を20回繰り返して行う必要があるなど生産性の面で劣る。
【0010】
(2)コーティング溶液組成物の製造に際して、第1の溶媒による溶解、第2の溶媒による均質溶解と二段階を経る必要があり、製造工程が煩雑となる。
(【0011】以降は省略されています)

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