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公開番号2025168478
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2025145932,2021075469
出願日2025-09-03,2021-04-28
発明の名称画像表示装置
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20251030BHJP(光学)
要約【課題】高温環境下において、偏光膜の単体透過率の低下の抑制および単体色相b値の増加の抑制に優れる画像表示装置を提供すること。
【解決手段】前面透明部材、偏光フィルム、および画像表示セルが、粘着剤層または接着剤層を介してこの順に設けられた画像表示装置であって、前記偏光フィルムの両面に、前記粘着剤層または前記接着剤層を介してガラス板を貼り合わせた積層体は、105℃、500時間の条件での耐熱性試験前後において、単体透過率の変化量が0~3%であり、かつ、単体色相b値の変化量が0~4NBSである画像表示装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前面透明部材、偏光フィルム、および画像表示セルが、粘着剤層または接着剤層を介してこの順に設けられた画像表示装置であって、
前記偏光フィルムの両面に、前記粘着剤層または前記接着剤層を介してガラス板を貼り合わせた積層体は、105℃、500時間の条件での耐熱性試験前後において、単体透過率の変化量が0~3%であり、かつ、単体色相b値の変化量が0~4NBSであることを特徴とする画像表示装置。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記偏光フィルムは、偏光膜の少なくとも一方の面に、前記粘着剤層または前記接着剤層を介して、透明保護フィルムが貼り合わされていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記偏光フィルムは、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に、前記粘着剤層または前記接着剤層を介して、光学層が貼り合わされていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いる偏光膜としては、高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理された(ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を含有する)ポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴中にて、例えば、膨潤、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、洗浄処理を施してから、乾燥することにより製造される。また前記偏光膜は、通常、その片面または両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光フィルム(偏光板)として用いられている。
【0003】
前記偏光フィルムは、必要に応じ、他の光学層を積層して積層偏光フィルム(光学積層体)として用いられ、また、前記偏光フィルムあるいは前記積層偏光フィルム(光学積層体)は、液晶セルや有機EL素子等の画像表示セルに貼り合わされた画像表示パネルとして用いられ、さらに、前記画像表示パネルは、粘着剤層や接着剤層を介して、視認側における前面透明板(ウインドウ層)やタッチパネル等の前面透明部材に貼合されて、上記の各種画像表示装置として用いられる(特許文献1)。
【0004】
近年、このような各種画像表示装置は、携帯電話やタブレット端末等のモバイル機器に加えて、カーナビゲーション装置やバックモニター等の車載用の画像表示装置としても使用される等、その用途は広がっている。これに伴い、前記偏光フィルムや前記積層偏光フィルムには、従来要求されてきたよりも、より過酷な環境下(例えば、高温環境下)における高い耐久性が求められており、そのような耐久性を確保することを目的とした偏光フィルムや画像表示装置が提案されている(特許文献2-3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-102353号公報
特表2012-516468号公報
特開2018-101117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の車載用の画像表示装置では、近年の自動運転技術の発展により、ディスプレイデザインの異形化や大型化が進んでいる。このようなディスプレイデザインの変化に伴い、偏光膜において、高温環境下における耐久性をさらに向上させる手段が求められている。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明は、高温環境下において、偏光膜の単体透過率の低下の抑制および単体色相b値の増加の抑制に優れる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、前面透明部材、偏光フィルム、および画像表示セルが、粘着剤層または接着剤層を介してこの順に設けられた画像表示装置であって、前記偏光フィルムの両面に、前記粘着剤層または前記接着剤層を介してガラス板を貼り合わせた積層体は、105℃、500時間の条件での耐熱性試験前後において、単体透過率の変化量が0~3%であり、かつ、単体色相b値の変化量が0~4NBSである画像表示装置に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像表示装置における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
【0010】
本発明の画像表示装置は、前面透明部材、偏光フィルム、および画像表示セルが、粘着剤層または接着剤層を介してこの順に設けられており、前記偏光フィルムの両面に、前記粘着剤層または前記接着剤層を介してガラス板を貼り合わせた積層体は、105℃、500時間の条件での耐熱性試験前後において、単体透過率の変化量が0~3%であり、かつ、単体色相b値の変化量が0~4NBSである。上記のガラス板は、前面透明部材や画像表示セルに相当するため、上記の積層体は疑似画像表示装置に相当する。これまで、上記の耐熱性試験の条件において、単体透過率の変化量が0~3%であり、かつ、単体色相b値の変化量が0~4NBSである積層体(疑似画像表示装置)は知られていない。一方、偏光膜の単体透過率の低下を抑制するには、例えば、上記の特許文献1では、片面に粘着剤層が付いた偏光フィルムと画像表示セルとを貼り合せて画像表示パネルを形成した後に、加熱(エージング)処理を行って、偏光膜の水分量を低下させることが有効であることが記載されている(以下、従来のエージング処理ともいう)。本発明では、上記の前面透明部材や画像表示セルに貼り合わせるための、偏光フィルムの両面に設けられた粘着剤層または接着剤層に含まれる水分が、画像表示装置の耐熱性試験後の偏光膜の単体透過率の低下や単体色相b値の増加(高温耐久性)に影響を与えることを見出したため、上記の前面透明部材や画像表示セルに貼り合わせるための、偏光フィルムの両面の粘着剤層または接着剤層を加熱(エージング)処理することにより、偏光膜の高温耐久性をより向上できる。また、本発明では、上記の従来のエージング処理に加え、偏光膜に水溶性のラジカル捕捉剤を含有させることにより、偏光膜にポリエン化が生じやすい高温環境下においても、発生したラジカルを捕捉して、ポリエン化を抑制できるため、偏光膜の高温耐久性をより向上できる。また、本発明は、上記の手法に加え、偏光膜のカリウム濃度を高めることにより、偏光膜の高温耐久性をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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