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公開番号
2025167659
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-07
出願番号
2024072495
出願日
2024-04-26
発明の名称
量子計算支援プログラム、量子計算支援方法、および情報処理装置
出願人
富士通株式会社
代理人
弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類
G06N
10/70 20220101AFI20251030BHJP(計算;計数)
要約
【課題】VQEのエラーの影響を低減することができる。
【解決手段】情報処理装置10は、複数のオブザーバブルを、同時測定可能なオブザーバブルをまとめた複数のグループのいずれかに分類する。情報処理装置10は、第1のグループに属する複数の第1のオブザーバブルを同時測定可能とするための第1の基底変換回路1bを含む第1の量子回路1を生成する。情報処理装置10は、第1の基底変換回路1bに含まれる第1の2量子ビットゲート1cと同じゲート操作を行う第2の2量子ビットゲート2cが配置された第2の基底変換回路2bを含む第2の量子回路2を生成する。情報処理装置10は、第1の量子回路1と第2の量子回路2を量子コンピュータ9に実行させ、第2の量子回路2の測定結果に対して、第2の2量子ビットゲート2cに応じた読み替えを行う。情報処理装置10は、測定結果を用いてハミルトニアンを計算する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
変分量子固有値法による求解対象の問題に対応するハミルトニアンの計算に用いる複数のオブザーバブルを、同時測定可能なオブザーバブルをまとめた複数のグループのいずれかに分類し、
第1のグループに属する複数の第1のオブザーバブルを同時測定可能とするための第1の基底変換回路を含む第1の量子回路を生成し、
第2のグループに属する複数の第2のオブザーバブルを同時測定可能とするための量子ゲートと、前記第1の基底変換回路に含まれる第1の2量子ビットゲートと同じゲート操作を行う第2の2量子ビットゲートとが配置された第2の基底変換回路を含む第2の量子回路を生成し、
前記第1の量子回路を量子コンピュータに実行させることで前記複数の第1のオブザーバブルの測定結果を取得し、
前記第2の量子回路を前記量子コンピュータに実行させることで得られた測定結果に対して、前記第2の2量子ビットゲートに応じた読み替えを行うことで、前記複数の第2のオブザーバブルの測定結果を取得し、
前記複数の第1のオブザーバブルと前記複数の第2のオブザーバブルとの測定結果を用いて前記ハミルトニアンを計算する、
量子計算支援プログラム。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
波動関数を表すAnsatz回路に続けて、前記複数のオブザーバブルのいずれかに対応する第3の2量子ビットゲートを配置した第3の基底変換回路を含む第3の量子回路を生成し、
前記第1の量子回路を生成する処理では、前記第3の量子回路の前記第3の基底変換回路に、前記複数の第1のオブザーバブルを同時測定可能とするために不足する量子ゲートを追加することで、前記第1の量子回路を生成し、
前記第2の量子回路を生成する処理では、前記第3の量子回路の前記第3の基底変換回路に、前記複数の第2のオブザーバブルを同時測定可能とするために不足する量子ゲートを追加することで、前記第2の量子回路を生成する、
請求項1記載の量子計算支援プログラム。
【請求項3】
前記第3の量子回路を生成する処理では、前記複数のオブザーバブルそれぞれを順番に選択し、選択したオブザーバブルに対応する前記第3の2量子ビットゲートを前記第3の基底変換回路に未配置の場合、前記選択したオブザーバブルに対応する前記第3の2量子ビットゲートを前記第3の基底変換回路に配置する、
請求項2記載の量子計算支援プログラム。
【請求項4】
前記第3の量子回路を生成する処理では、前記複数の第1のオブザーバブルのうちの1つの第1のオブザーバブルにおいてX基底またはY基底の測定対象となる2つの量子ビットのペアに作用させる前記第3の2量子ビットゲートを前記第3の基底変換回路に配置し、前記第3の2量子ビットゲートを作用させる量子ビットのペアを読み替え対象に設定し、
前記第1の量子回路を生成する処理では、前記第1のオブザーバブルにおいてX基底またはY基底の測定対象となる2つの量子ビットのペアに作用させる前記第1の2量子ビットゲートが前記第3の基底変換回路に配置済みの場合、前記第1の量子回路を実行することで得られる測定結果に関して、前記第1の2量子ビットゲートを作用させる量子ビットのペアを読み替え対象から除外する、
請求項2記載の量子計算支援プログラム。
【請求項5】
変分量子固有値法による求解対象の問題に対応するハミルトニアンの計算に用いる複数のオブザーバブルを、同時測定可能なオブザーバブルをまとめた複数のグループのいずれかに分類し、
第1のグループに属する複数の第1のオブザーバブルを同時測定可能とするための第1の基底変換回路を含む第1の量子回路を生成し、
第2のグループに属する複数の第2のオブザーバブルを同時測定可能とするための量子ゲートと、前記第1の基底変換回路に含まれる第1の2量子ビットゲートと同じゲート操作を行う第2の2量子ビットゲートとが配置された第2の基底変換回路を含む第2の量子回路を生成し、
前記第1の量子回路を量子コンピュータに実行させることで前記複数の第1のオブザーバブルの測定結果を取得し、
前記第2の量子回路を前記量子コンピュータに実行させることで得られた測定結果に対して、前記第2の2量子ビットゲートに応じた読み替えを行うことで、前記複数の第2のオブザーバブルの測定結果を取得し、
前記複数の第1のオブザーバブルと前記複数の第2のオブザーバブルとの測定結果を用いて前記ハミルトニアンを計算する、
量子計算支援方法。
【請求項6】
変分量子固有値法による求解対象の問題に対応するハミルトニアンの計算に用いる複数のオブザーバブルを、同時測定可能なオブザーバブルをまとめた複数のグループのいずれかに分類し、第1のグループに属する複数の第1のオブザーバブルを同時測定可能とするための第1の基底変換回路を含む第1の量子回路を生成し、第2のグループに属する複数の第2のオブザーバブルを同時測定可能とするための量子ゲートと、前記第1の基底変換回路に含まれる第1の2量子ビットゲートと同じゲート操作を行う第2の2量子ビットゲートとが配置された第2の基底変換回路を含む第2の量子回路を生成し、前記第1の量子回路を量子コンピュータに実行させることで前記複数の第1のオブザーバブルの測定結果を取得し、前記第2の量子回路を前記量子コンピュータに実行させることで得られた測定結果に対して、前記第2の2量子ビットゲートに応じた読み替えを行うことで、前記複数の第2のオブザーバブルの測定結果を取得し、前記複数の第1のオブザーバブルと前記複数の第2のオブザーバブルとの測定結果を用いて前記ハミルトニアンを計算する処理部、
を有する情報処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子計算支援プログラム、量子計算支援方法、および情報処理装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
量子コンピュータの分野において、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum computer)の実用化が期待されている。NISQは、エラー訂正機能のない中規模の量子コンピュータである。NISQの用途の一つとして変分量子固有値法(VQE:Variational Quantum Eigensolver)による計算がある。VQEは、量子多体系の基底状態を求める変分アルゴリズムである。VQEは、例えばNISQにおいて量子化学計算を行うのに利用できる。量子化学計算は、シュレディンガー方程式を解くことにより、分子状態や物性情報を得るための計算である。現在、VQEを用いた計算の実用化に向け様々な研究が進められている。
【0003】
VQEの実用化に向けた問題点の一つとして、ハードウェア由来のノイズを受け、計算精度が悪化する点がある。NISQではエラー訂正機能がなく、エラーの影響により計算結果に間違いが生じる。
【0004】
エラー対策としては、例えば量子デバイスでのサンプリングのための誤りを軽減するシステムが提案されている。回路ゲージ選択による誤り低減のためのシステムも提案されている。量子命令セットに含まれる任意の量子ゲートに関連する量子ゲートの組にランダムにアクセスするシステムにおいて、量子命令実行時のユニタリエラーを低減する技術も提案されている。さらに、中間段階でクリフォードゲート演算を挿入し、元の量子回路を修正することにより、コヒーレントエラーを能動的に緩和する装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-035941号公報
特表2023-501752号公報
米国特許出願公開第2021/0294680号明細書
米国特許出願公開第2023/0016817号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
VQEではそのアルゴリズム上、複数の量子回路が実行される。このとき、実行される複数の量子回路それぞれにおけるエラーの影響が異なる。量子回路ごとのエラーの影響が異なると、VQEに備わるエラー緩和機能が上手く働かず、最終的な計算値(基底エネルギー)にエラーの影響が大きく残る。残存するエラーの影響が大きいと、計算結果が不正確となる。
【0007】
1つの側面では、本件は、VQEのエラーの影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの案では、以下の量子計算支援プログラムが提供される。
コンピュータは、変分量子固有値法による求解対象の問題に対応するハミルトニアンの計算に用いる複数のオブザーバブルを、同時測定可能なオブザーバブルをまとめた複数のグループのいずれかに分類する。コンピュータは、第1のグループに属する複数の第1のオブザーバブルを同時測定可能とするための第1の基底変換回路を含む第1の量子回路を生成する。コンピュータは、第2のグループに属する複数の第2のオブザーバブルを同時測定可能とするための量子ゲートと、第1の基底変換回路に含まれる第1の2量子ビットゲートと同じゲート操作を行う第2の2量子ビットゲートとが配置された第2の基底変換回路を含む第2の量子回路を生成する。コンピュータは、第1の量子回路を量子コンピュータに実行させることで複数の第1のオブザーバブルの測定結果を取得する。コンピュータは、第2の量子回路を量子コンピュータに実行させることで得られた測定結果に対して、第2の2量子ビットゲートに応じた読み替えを行うことで、複数の第2のオブザーバブルの測定結果を取得する。そしてコンピュータは、複数の第1のオブザーバブルと複数の第2のオブザーバブルとの測定結果を用いてハミルトニアンを計算する。
【発明の効果】
【0009】
1態様によれば、VQEのエラーの影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1の実施の形態に係る量子計算支援方法の一例を示す図である。
第2の実施の形態のシステム構成の一例を示す図である。
量子計算システムを構成する装置のハードウェアの一例を示す図である。
VQEによる量子化学計算のための古典コンピュータの機能の一例を示すブロック図である。
VQEによる量子化学計算の一例を示す図である。
VQE計算のための量子回路構成の一例を示す図である。
「パターン1」のオブザーバブルについての基底変換回路の追加処理の一例を示す図である。
「パターン2」のオブザーバブルについての基底変換回路の追加処理の一例を示す図である。
「パターン3」のオブザーバブルについての基底変換回路の追加処理の一例を示す図である。
CNOTゲートの追加に伴う測定結果の読み替えの一例を示す図である。
分割されたハミルトニアンごとの量子回路の一例を示す図である。
VQE計算処理の手順の一例を示すフローチャートである。
基底変換回路(共通部分)生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
基底変換回路(<H
i
>固有部分)生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<H
i
>の期待値計算処理の手順の一例を示すフローチャートである。
Ansatz回路の一例を示す図である。
基底変換回路の共通部分の一例を示す図である。
<H
1
>計算用の量子回路の一例を示す図である。
<H
2
>計算用の量子回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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