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公開番号2025167050
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024071332
出願日2024-04-25
発明の名称木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法
出願人中国電力株式会社,中電プラント株式会社
代理人弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類B01J 2/20 20060101AFI20251030BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】木質バイオマスに加水する給水装置を導入する場合において、再造粒装置の起動から定格運転に至る過程で作業員による流量調整弁の操作を不要とし、また、加水量の制御を自動化できる木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法を提供する。
【解決手段】給水装置10を、少なくとも開閉弁111,121,131と流量調整弁112,122,132とが直列的に接続された複数の分岐経路110,120.130を並列的に接続して構成し、再造粒装置が起動してから定格運転に至るまでの加水量を給水装置の開閉弁および流量調整弁によって調整するにあたり、それぞれの分岐経路110,120,130を流れる流量をその分岐経路上の流量調整弁112,122,132によって異なる所定値に予め設定しておき、開閉弁111,121,131の開閉制御で混合器へ給水する分岐経路を変更することで、混合器に供給する加水量を段階的に大きくする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
木質ペレットを再造粒する再造粒装置に投入する木質バイオマスを水と混合させる混合器と、この混合器に供給する加水量を調節可能とする給水装置と、を備え、
前記給水装置は、少なくとも開閉弁と流量調整弁とが直列的に接続された複数の分岐経路を並列的に接続して構成され、
前記再造粒装置が起動してから定格運転に至るまでの前記混合器へ供給する加水量を前記給水装置の前記開閉弁および前記流量調整弁によって調整する木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法であって、
それぞれの分岐経路を流れる流量をその分岐経路上の前記流量調整弁によって異なる所定値に予め設定しておき、
前記開閉弁の開閉制御で前記混合器へ給水する分岐経路を変更することで、前記混合器に供給する加水量を段階的に大きくする、
ことを特徴とする木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法。
続きを表示（約 540 文字）【請求項２】
前記再造粒装置は、多数の成型孔が周壁に形成されたリングダイの内周面にプレスロールを押し当てることで水と混合させた前記木質バイオマスを前記成型孔から押し出すものであり、
前記リングダイの温度又は前記プレスロールの温度に基づき、前記各分岐経路の開閉弁を制御して前記混合器へ給水する分岐経路を変更する、
ことを特徴とする請求項１記載の木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法。
【請求項３】
前記リングダイの温度又は前記プレスロールの温度の上昇に伴い、前記開閉弁は、必要とする加水量が得られるいずれかの分岐経路を開とし、残りの分岐経路を閉とする請求項２記載の木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法。
【請求項４】
前記リングダイの温度又は前記プレスロールの温度の上昇に伴い、前記開閉弁は、必要とする加水量が得られる１又は複数の分岐経路を開とし、残りの分岐経路を閉とする請求項２記載の木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法。
【請求項５】
前記再造粒装置が起動してから定格運転に至るまで、前記分岐経路は、２回以上変更されることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、木屑等の木質バイオマスを利用して木質ペレットを再造粒するための再造粒設備において、木質バイオマスへの加水量を制御する木質ペレット再造粒設備の加水量制御方法に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
木質バイオマスで形成されたペレット（木質バイオマスペレット）は脆いものが多いため、運搬時等においてペレット同士がぶつかり合う等により多くの木屑が発生する。そこで、発生した木屑（木質バイオマス）を再利用するために、再造粒設備が導入されている。
【０００３】
この再造粒設備は、特許文献１（図８）や特許文献２に示される造粒装置と実質同様の再造粒装置を備えている。この再造粒装置は、収集された木屑を水と共に投入する材料投入口と、投入された材料を多数の穴が周壁に形成されたリングダイの内側へ押し込む押し込み装置と、リングダイの内側に押し込まれた材料をリングダイの周壁に内側から押し付けるプレスロールと、を備えている。そして、プレスロールによりリングダイの成型孔から押し出された材料をカッターで一定サイズにカットして木質ペレットを再造粒するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１９―１４７９６１号公報
特開２０１５―１７３９９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
このようなリングダイ式の再造粒装置においては、起動させる都度、定格運転に至るまでにプレスロールやリングダイの温度が徐々に高まり、また、木屑の供給量も増加してくるため、成形されるペレットの品質を維持するためには、木屑に混合させる加水量を適切に調整する必要がある。
そこで、起動してから定格運転に至るまでに、木屑と混合させる加水量を段階的に増やすことが可能な給水装置が導入されている。
【０００６】
図５は、その一例を示すもので、給水装置１０は、少なくとも開閉弁（ＳＶ１：１１１，ＳＶ２：１２１，ＳＶ３：１３１）と流量調整弁（ニードル弁：１１２，１２２，１３２）とが直列的に接続された３つの分岐経路１１０，１２０，１３０を並列的に接続して構成されている。
【０００７】
各分岐経路は、その最上流側に開閉弁（ＳＶ１：１１１，ＳＶ２：１２１，ＳＶ３：１３１）が設けられ、その下流側に流量調整弁（ニードル弁：１１２，１２２，１３２）が設けられている。また、流量調整弁（ニードル弁）の下流側には、フローメータ（面積式流量計：１１３，１２３，１３３）を介して逆止弁１１４，１２４，１３４が設けられている。したがって、各分岐経路１１０．１２０．１３０は、開閉弁１１１，１２１，１３１によって給水経路として用いるか否かが決定され、また、各経路の給水量は流量調整弁１１２，１２２，１３２によって調整可能となる。
【０００８】
このような給水装置を用いて、以下のように加水量制御を行うことも可能である。すなわち、選択した木質バイオマス（樹種）によって、保有している水分率は異なっているため、先ず、選択した木質バイオマス（樹種）に適した加水量が得られるいずれかの分岐経路を開閉弁１１１，１２１，１３１の操作により選択する。
【０００９】
その後、再造粒装置を起動させて木質バイオマスを再造粒装置へ導入する。再造粒装置は、定格運転に移行する過程において、プレスロールやリングダイの温度が徐々に上昇し、再造粒装置に投入される木質バイオマス（木屑）の量も徐々に増えてくるので、成形されるペレットの品質を維持するためには、プレスロールやリングダイの温度帯に応じて、又は、木屑を供給する定量供給機の回転数に応じて、木屑と混合させる加水量を段階的に増加させる必要がある。
【００１０】
そこで、使用する分岐経路を選択した上で、再造粒装置に導入する木質バイオマスと混合させる給水量を調整するために、図５（ｂ）に示されるように、プレスロールやリングダイの温度帯に応じて、又は、木屑を供給する定量供給機の回転数（定量供給機の周波数）に応じて、流量調整弁１１２，１２２，１３２の開度を手動制御し、給水量をフローメータを見ながら予め試運転で決定された最適値（表に示される値）となるように調整することも可能となる。
（【００１１】以降は省略されています）

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