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公開番号2025167011
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024071261
出願日2024-04-25
発明の名称薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出方法およびその用途
出願人学校法人関西医科大学
代理人弁理士法人レクシード・テック
主分類C12Q 1/6851 20180101AFI20251030BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】迅速な薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌を検出可能な検出方法、細菌に対する抗菌薬を選定するための指標の提供方法、およびこれらの方法に使用可能なプライマーセットを提供する。
【解決手段】本開示の薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出方法は、対象の試料について、下記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅し、前記試料における薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌を検出する工程を含む:(1)mecA遺伝子;(2)黄色ブドウ球菌のspa遺伝子;(3)ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子および/またはrpoB遺伝子;(4)Pseudomonas属細菌の16S rRNA遺伝子。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象の試料について、下記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅し、前記試料における薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌および緑膿菌Pseudomonas属細菌を検出する工程を含む、薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出方法:
(1)mecA遺伝子;
(2)黄色ブドウ球菌のspa遺伝子;
(3)ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子および/またはrpoB遺伝子;
(4)Pseudomonas属細菌の16S rRNA遺伝子。
続きを表示(約 4,200 文字)【請求項2】
前記核酸増幅において、下記(1)~(3)、および/または、(4)の領域を核酸増幅する、請求項1に記載の検出方法。
(1)前記mecA遺伝子における配列番号1からなる塩基配列を含む領域;
(2)前記spa遺伝子における配列番号2からなる塩基配列を含む領域;
(3)前記tuf遺伝子における配列番号3からなる塩基配列を含む領域、および/または、前記rpoB遺伝子における配列番号4からなる塩基配列を含む領域;
(4)前記16S rRNA遺伝子における配列番号5からなる塩基配列を含む領域。
【請求項3】
前記核酸増幅において、下記(A1)~(C1)、および/または、(D1)のプライマーセットを用いて、前記標的遺伝子を核酸増幅する、請求項1または2に記載の検出方法。
(A1)前記mecA遺伝子における配列番号1からなる塩基配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット;
(B1)前記spa遺伝子における配列番号2からなる塩基配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット;
(C1)前記tuf遺伝子における配列番号3からなる塩基配列を含む領域、および/または、前記rpoB遺伝子における配列番号4からなる塩基配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット;
(D1)前記16S rRNA遺伝子における配列番号5からなる塩基配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット。
【請求項4】
前記核酸増幅において、下記(A2)~(C2)、および/または、(D2)のプライマーセットを用いて、前記標的遺伝子を核酸増幅する、請求項1または2にに記載の検出方法:
(A2)プライマーセット:
配列番号6の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号7の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(B2)プライマーセット:
配列番号8の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号9の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(C2)プライマーセット:
配列番号10の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット、および/または、
配列番号12の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号13の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(D2)プライマーセット:
配列番号14の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号15の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット。
【請求項5】
前記核酸増幅において、下記(A3)~(C3)、および/または、(D3)のプライマーセットを用いて、前記標的遺伝子を核酸増幅する、請求項1または2にに記載の検出方法:
(A3)プライマーセット:
配列番号6の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号7の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号16の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号17の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(B3)プライマーセット:
配列番号8の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号9の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号18の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号19の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(C3)プライマーセット:
配列番号10の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号20の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号21の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット、および/または、
配列番号12の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号13の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号22の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号23の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(D3)プライマーセット:
配列番号14の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号15の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号24の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号25の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット。
【請求項6】
前記核酸増幅において、下記(A4)~(E4)、および/または、(F4)のプライマーセットを用いて、前記標的遺伝子を核酸増幅する、請求項1または2にに記載の検出方法:
(A4)プライマーセット:
配列番号6の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号7の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号16の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号17の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号26の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号27の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(B4)プライマーセット:
配列番号8の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号9の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号18の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号19の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号28の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(C4)プライマーセット:
配列番号10の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号11の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号20の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号21の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号29の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット、および/または、
配列番号12の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号13の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号22の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号23の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号30の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号31の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット;
(D4)プライマーセット:
配列番号14の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号15の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号24の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号25の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
配列番号32の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むプライマーと、
を含むプライマーセット。
【請求項7】
前記検出工程は、前記対象の試料について、前記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅して、前記標的遺伝子を検出する工程と、
下記表6の基準に基づき、薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の存在を評価する工程を含む、請求項1または2にに記載の検出方法。
JPEG
2025167011000017.jpg
141
170
【請求項8】
前記(3)の標的遺伝子は、ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子およびrpoB遺伝子であり、
下記表7の基準に基づき、薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌および緑膿菌を含むPseudomonas属細菌の存在を評価する工程を含む、請求項1または2にに記載の検出方法。
JPEG
2025167011000018.jpg
132
170
【請求項9】
前記核酸増幅は、LAMP法による核酸増幅である、請求項1または2にに検出方法。
【請求項10】
対象の試料について、下記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅し、前記試料に含まれる細菌に対する候補抗菌薬を提示する工程を含む、細菌に対する抗菌薬を選定するための指標の提供方法:
(1)mecA遺伝子;
(2)黄色ブドウ球菌のspa遺伝子;
(3)ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子、および/または、rpoB遺伝子;
(4)Pseudomonas属細菌の16S rRNA遺伝子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出方法およびその用途に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
細菌の感染症に対しては、抗菌薬が汎用されている。しかしながら、前記抗菌薬の汎用により、薬剤耐性菌が生じ、問題となっている(非特許文献1)。このため、前記薬剤耐性菌の発生を抑制するために、広域抗菌薬およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬の使用を最小限にすることが求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
WHO、“薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン”、令和5年4月7日,国際的に脅威となる感染症対策の強化のための国際連携等関係閣僚会議
山口哲央著,“AMR対策アクションプラン時代の感染症診療・対策-わが国におけるCA-MRSAの疫学情報と臨床像-”日本化学療法学会雑誌,Vol.67,No.5,(2019),567-576
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感染症の原因菌の特定について、一般的に、患部から細菌を回収し、培養検査により原因菌の特定と併せて薬剤感受性および耐性が評価されている。しかしながら、前記培養検査による原因菌の特定および薬剤感受性/耐性の特定には、数日を要する。このため、原因菌の特定および薬剤感受性/耐性の特定の迅速化が望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、迅速に、薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌を検出可能な検出方法、細菌に対する抗菌薬を選定するための指標の提供方法、およびこれらの方法に使用可能なプライマーセットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示の薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出方法(以下、「検出方法」ともいう。)は、対象の試料について、下記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅し、前記試料における薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌を検出する工程を含む:
(1)mecA遺伝子;
(2)黄色ブドウ球菌のspa遺伝子;
(3)ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子および/またはrpoB遺伝子;
(4)Pseudomonas属細菌の16S rRNA遺伝子。
【0007】
本開示の細菌に対する抗菌薬を選定するための指標の提供方法(以下、「提供方法」ともいう。)は、対象の試料について、下記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅し、前記試料に含まれる細菌に対する候補抗菌薬を提示する工程を含む:
(1)mecA遺伝子;
(2)黄色ブドウ球菌のspa遺伝子;
(3)ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子、および/または、rpoB遺伝子;
(4)Pseudomonas属細菌の16S rRNA遺伝子。
【0008】
本開示の薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出に用いるためのプライマーセット(以下、「プライマーセット」ともいう。)は、下記(1)~(3)および(4)の標的遺伝子を核酸増幅可能なプライマーセットを含む:
(1)mecA遺伝子;
(2)黄色ブドウ球菌のspa遺伝子;
(3)ブドウ球菌属細菌のtuf遺伝子、および/または、rpoB遺伝子;
(4)Pseudomonas属細菌の16S rRNA遺伝子
【0009】
本開示の薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌の検出キットは、本開示のプライマーセットと、核酸増幅試薬とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、迅速な薬剤耐性菌、ブドウ球菌属細菌およびPseudomonas属細菌を検出可能な検出方法、細菌に対する抗菌薬を選定するための指標の提供方法、およびこれらの方法に使用可能なプライマーセットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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