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公開番号2025166797
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-06
出願番号2025065689
出願日2025-04-11
発明の名称試料霧化導入装置
出願人個人
代理人弁理士法人山内特許事務所
主分類G01N 1/28 20060101AFI20251029BHJP(測定;試験)
要約【課題】メモリー効果を抑制できる試料霧化導入装置を提供する。
【解決手段】試料霧化導入装置AAは、試料液滴の流路を構成する壁面の全部または一部が、撥水加工が施された撥水面である。例えば、試料霧化導入装置AAは、液体試料を霧化して試料液滴を噴霧するネブライザー20Aの先端部の外周面が撥水面である。例えば、試料霧化導入装置AAは、プラズマトーチ40Aの中心管の内周面が撥水面である。流路を構成する壁面の全部または一部が撥水面であるため、試料液滴が流路内に残留しにくく、メモリー効果を抑制できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液体試料を霧化した試料液滴を分析装置の試料被導入部に導入する試料霧化導入装置であって、
前記試料液滴の流路を構成する壁面の全部または一部は、撥水加工が施された撥水面である
ことを特徴とする試料霧化導入装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記撥水面は、フッ素系樹脂によるライニング加工、フッ素系化合物によるコーティング加工、シリコーン系化合物によるコーティング加工、またはナノ・マイクロ構造形成加工が施された面である
ことを特徴とする請求項1記載の試料霧化導入装置。
【請求項3】
前記撥水面は、水との接触角が150°以上である
ことを特徴とする請求項1記載の試料霧化導入装置。
【請求項4】
前記液体試料を霧化して前記試料液滴を噴霧するネブライザーと、
前記ネブライザーの先端部の外周面に沿ってネブライザーシースガスを流すネブライザーシースガス流路と、を備え、
前記ネブライザーの先端部の外周面は、前記撥水面である
ことを特徴とする請求項1記載の試料霧化導入装置。
【請求項5】
プラズマトーチを備え、
前記プラズマトーチは、
内部に前記試料液滴が流れる中心管と、
前記中心管が挿入され、前記中心管との間に補助ガスが流れる中間管と、
前記中間管が挿入され、前記中間管との間にプラズマガスが流れる外側管と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載の試料霧化導入装置。
【請求項6】
前記中心管の内周面は、前記撥水面である
ことを特徴とする請求項5記載の試料霧化導入装置。
【請求項7】
前記プラズマトーチは、前記中心管の基端部に挿入され、前記中心管との間に中心管シースガスが流れる基端管をさらに有する
ことを特徴とする請求項5記載の試料霧化導入装置。
【請求項8】
前記基端管の内周面は、前記撥水面である
ことを特徴とする請求項7記載の試料霧化導入装置。
【請求項9】
前記液体試料を霧化して前記試料液滴を噴霧するネブライザーを備え、
前記ネブライザーの噴霧口は前記基端管の内部に配置されている
ことを特徴とする請求項7記載の試料霧化導入装置。
【請求項10】
前記中心管は、前記補助ガスの一部を該中心管の内部に導入して中心管シースガスとして流すガス導入口を有する
ことを特徴とする請求項5記載の試料霧化導入装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料霧化導入装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、液体試料を霧化して分析装置の試料被導入部に導入する試料霧化導入装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
原子スペクトル分析法として、プラズマ発光分析法、原子吸光分析法、原子蛍光分析法などが知られている。また、質量分析法として、プラズマ質量分析法、液体クロマトグラフィー質量分析法などが知られている。さらに、光散乱検出器を用いた液体クロマトグラフィーも知られている。
【0003】
これらの分析法に用いられる分析装置では液体試料を霧化して得た試料液滴をプラズマなどの試料被導入部に導入する。このとき、粒径の大きい試料液滴(粗大液滴)が試料被導入部に導入されると問題が生じることがある。例えば、プラズマに導入された試料液滴は脱溶媒され、液滴に含まれていた元素が励起またはイオン化され、発光強度またはイオンカウント値として測定される。ここで、粗大液滴がプラズマに導入されると、試料液滴の脱溶媒に時間とエネルギーが費やされ、元素の励起またはイオン化が不十分となる。
【0004】
そこで、粗大液滴を除去し、粒径の小さい試料液滴(微細液滴)のみを試料被導入部に導入することが行われる。例えば、ネブライザーにより液体試料を霧化して試料液滴を得た後、重力および慣性力を利用して粗大液滴をスプレーチャンバーの内壁に衝突、付着させて取り除き、微細液滴のみを試料被導入部に導入する。
【0005】
ネブライザーにより液体試料を霧化すると、ネブライザーの噴霧口近傍の外周面に試料液滴が付着し残留することがある。ネブライザーの外周面に付着した前回の試料液滴が次回の試料液滴と衝突して徐々に大きくなりネブライザーの噴霧口に流れ込むと、前回の試料が再び霧化されて分析結果に大きな誤差を与える。また、スプレーチャンバーから排出された試料液滴がプラズマトーチの内周面に付着し残留することもある。この場合、残留した試料に含まれる成分が次回の試料を測定する際に混入し、正しい測定結果が得られない。これらの現象はメモリー効果と称され、特に前者の現象は再噴霧現象(リネブライゼーション)と称される。
【0006】
再噴霧現象の対策として、ネブライザーの噴霧口近傍を覆うようにネブライザーシースガスを流し、ネブライザーの外周面への試料液滴の付着を抑制することが知られている。また、スプレーチャンバーから排出される試料液滴の気流を覆うようにシースガスを流すことが知られている(特許文献1)。これにより、プラズマトーチの内周面への試料液滴の付着が抑制され、メモリー効果を抑制できると考えられる。
【0007】
粗大液滴を除去するスプレーチャンバーとして二重管型(スコット型とも称される。)およびサイクロン型が知られている。いずれのスプレーチャンバーにおいても、導入された液滴のうち約90~99%はドレンとして排出され、微細液滴として排出されるのは約1~10%といわれている。代表的な例として、ネブライザーの噴霧量を0.6mL/分、微細液滴として排出される割合を5%とすると、微細液滴の排出量は30μL/分となる。
【0008】
このようにスプレーチャンバーにより粒径選別を行うと試料被導入部に導入される試料液滴の流量が少なくなることから分析感度が低くなる。試料量が多い場合には分析時間を長くとることで分析感度の低下を補うことができる。しかし、試料量が少ない場合には分析感度の低下が大きな問題となる。加えて、プラズマトーチの内周面に試料液滴が付着すると、プラズマに導入される試料液滴がその分減少するため、さらに分析感度が低下する。
【0009】
プラズマへの試料液滴の輸送効率を高くするため、スプレーチャンバーを用いず、微少流量用ネブライザーから噴霧された試料液滴の全量をプラズマに導入する技術が知られている(非特許文献1、2)。この技術では、Direct Injection Nebulizer(通称DIN)、Direct Injection High Efficiency Nebulizer(通称DIHEN)などの長尺の微少流量用ネブライザーが用いられる。プラズマトーチの中心管を取り除き、その代わりに長尺の微少流量用ネブライザーをプラズマトーチに挿入し、ネブライザーの噴霧口をプラズマの手前2~3mmの位置に配置する。
【0010】
また、一重管型の全量導入用スプレーチャンバーを用いる技術も知られている(非特許文献3)。この技術では、スプレーチャンバーは粒径選別器としてではなく脱溶媒器として機能する。すなわち、飽和水蒸気圧は、例えば30℃では約30g/m

(=30mg/L)であるので、微少流量用ネブライザーの噴霧量を30μL/分とすれば、流量1L/分のネブライザーガスによって液滴中の溶媒(水)が短時間で蒸発する。その結果、試料液滴が小さくなり、あるいは溶媒がすべて蒸発して固体粒子となる。液滴は粒径が小さいほど重力による沈降や慣性衝突による損失が減少することから、プラズマへの試料液滴の輸送効率が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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