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公開番号
2025166000
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-05
出願番号
2025125413,2022540735
出願日
2025-07-28,2020-12-30
発明の名称
より高い弾性率のための繊維ガラス組成物
出願人
オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C03C
13/02 20060101AFI20251028BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】高い弾性率のガラス組成物よりも製造費用が削減され、かつ適度に高い弾性率および低い繊維化温度を有するガラス組成物、ガラス繊維、および連続ガラス繊維を形成する方法を提供する。
【解決手段】約57.0~62.0質量%のSiO
2
、約20.0~25.0質量%のAl
2
O
3
、約8.0~12.5質量%のMgO、約7~9.0質量%のCaO、約0.4~1.0質量%のLi
2
O、0.0~約1.0質量%のNa
2
O、約0~0.5質量%のK
2
O;および0.2~約1.5質量%のTiO
2
を含む、ガラス組成物が提供される。本ガラス組成物は、約1,300C以下の繊維化温度しか有さない。このような用途には、ウインドブレードを形成する際に使用するための不織布、および航空宇宙用構造体が含まれる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
57.0~62.0質量%の量のSiO
2
、
20.0~25.0質量%の量のAl
2
O
3
、
7.0~9.0質量%の量のCaO、
8.0~12.5質量%の量のMgO、
0~1.0質量%の量のNa
2
O、
0~0.5質量%の量のK
2
O、
0.4~1.0質量%の量のLi
2
O、および
0.2~1.5質量%の量のTiO
2
を含む、ガラス組成物であって、質量パーセント比(R1)(MgO+Al
2
O
3
)/(SiO
2
+CaO)が、少なくとも0.47であり、質量パーセント比(R3)(MgO/SiO
2
)が、少なくとも0.19であり、1,300℃以下の繊維化温度を有する、ガラス組成物。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
57.1質量%~59質量%未満のSiO
2
を含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項3】
7.9質量%~9.0質量%未満のCaOを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項4】
SiO
2
、Al
2
O
3
、MgOおよびCaOの合計量が、少なくとも98質量%、かつ99.5質量%未満である、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項5】
希土類元素酸化物を含まない、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項6】
20質量%超~21質量%のAl
2
O
3
を含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項7】
0.45質量%~0.8質量%のLi
2
Oを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項8】
B
2
O
3
を本質的に含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス組成物。
【請求項9】
0.1~0.8質量%のNa
2
Oを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項10】
0.46より大きな質量パーセント比(R2)(MgO+Al
2
O
3
+Li
2
O)/(CaO+SiO
2
+Na
2
O+K
2
O)を含む、請求項1に記載のガラス組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれている、2020年1月2日に出願の米国仮特許出願第62/956,422号への優先権およびすべての利益を主張する。
続きを表示(約 5,000 文字)
【背景技術】
【0002】
ガラス繊維は、一般に、「ガラスバッチ」と称される、所望の組成物を得るよう特定の割合で組み合わされた様々な原料から製造される。このガラスバッチは、溶融装置中で溶融されることができ、溶融ガラスは、ブッシングまたはオリフィスプレートを介して、フィラメントへと延伸される(得られたフィラメントは、連続ガラス繊維とも称される)。次に、潤滑剤、カップリング剤およびフィルム形成性結合剤樹脂を含有するサイジング組成物を上記のフィラメントに適用することができる。サイジングが施された後、繊維を1本または複数のストランドに集めて、パッケージに巻き取ってもよく、あるいは、湿潤している間に繊維を刻んで収集してもよい。次に、この収集したチョップドストランドは乾燥して硬化され、乾燥したチョップド繊維を形成することができるか、または、湿潤チョップド繊維としてその湿潤状態で包装され得る。
【0003】
ガラスバッチ、およびそれから製造される繊維ガラスの組成物は、多くの場合、その中に含まれている酸化物に関して表現され、それらの酸化物は、一般に、SiO
2、
Al
2
O
3
、CaO、MgO、B
2
O
3
、Na
2
O、K
2
O、Fe
2
O
3
、TiO
2
、Li
2
Oなどを含む。これらの酸化物の量を変え、またはガラスバッチ中の酸化物の一部を除くことにより、多数の種類のガラスを生成することができる。生成することができるこのようなガラスとしては、R-ガラス、E-ガラス、S-ガラス、A-ガラス、C-ガラスおよびECR-ガラスが挙げられる。ガラス組成により、ガラスの形成および製品の特性が制御される。ガラス組成物の他の特徴は、原料の費用および環境影響を含む。
例えば、E-ガラスとは、アルミノホウケイ酸塩ガラスであり、一般に、アルカリを含まず、電気用途に一般に使用される。E-ガラスの利点の1つは、その液相温度によって、ガラス繊維を生成するための操作温度を約1900°F~2400°F(1038℃~1316℃)にすることができることである。プリント回路基板および航空宇宙用途に使用される、E-ガラス繊維の糸に関するASTM分類により、その組成は52~56質量%のSiO
2
、16~25質量%のCaO、12~16質量%のAl
2
O
3
、5~10質量%のB
2
O
3
、0~5質量%のMgO、0~2質量%のNa
2
OおよびK
2
O、0~0.8質量%の量のTiO
2
、0.05~0.4質量%のFe
2
O
3
、ならびに0~1.0質量%のフッ素と定義されている。
【0004】
ホウ素不含繊維は、ADVANTEX(登録商標)(Owens Coming、Toledo、Ohio、米国)という商標で販売されている。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,789,329号に開示されているようなホウ素不含繊維は、ホウ素含有E-ガラスよりも操作温度の点で有意な改善をもたらす。ホウ素不含ガラス繊維は、一般使用用途に使用するためのE-ガラス繊維に関するASTM定義に該当する。
R-ガラスは、E-ガラス繊維よりも高い機械的強度を有するガラス繊維を生成する化学組成を有する、ケイ素、アルミニウム、マグネシウムおよびカルシウムの酸化物から主に構成されているガラスのファミリーである。R-ガラスは、約58~約60質量%のSiO
2
、約23.5~約25.5質量%のAl
2
O
3
、約14~約17質量%のCaOおよびMgO、ならびに約2質量%未満の多様な構成成分を含有する組成を有する。R-ガラスは、E-ガラスよりもアルミナおよびシリカを多く含有しており、繊維を形成する間、より高い溶融温度および加工温度を必要とする。通常、R-ガラスの場合の溶融温度および加工温度は、E-ガラスのそれらの温度よりも高い。このような高い加工温度は、費用が高価な白金線の内張りされた溶融装置の使用を必要とする。さらに、R-ガラスにおいて、液相温度が成形温度に近づけるには、ガラスは、約1000ポアズまたはそれ近くで慣用的に繊維化されるE-ガラスよりも低い粘度で繊維化されることが必要となる。慣用的な1000ポアズの粘度でR-ガラスを繊維化することにより、ガラスの失透がもたらされる可能性が高く、これは、プロセスの中断および生産性の低下を引き起こす。
【0005】
高性能ガラス繊維は、従来のE-ガラス繊維と比べて、より高い強度および剛性を有する。特に、一部の製品の場合、剛性は、モデル化および性能にとって重要である。例えば、発電ウインドステーションにおいて、ウインドタービンブレードなどの、良好な剛性特性を有するガラス繊維から調製されるコンポジットにより、ウインドブレードのたわみを許容される限界値の範囲内に維持しながら、より長いブレードを使用することが可能となる。弾性率(「ヤング弾性率」と互換可能)は、繊維剛性の尺度であり、ある材料にかけられた応力とその同一材料によって生じた歪みとの間の関係を定義するものである。堅い材料は、高い弾性率を有しており、弾性負荷下では、その形状をわずかしか変えない。柔らかい材料は、低い弾性率を有しており、その形状はかなり変化する。
【0006】
様々なタイプの高性能ガラス組成物が開発されているが、このようなガラス組成物では、弾性率および引張強度を最大化する試みが行われていることが多い。しかし、ガラス繊維の弾性率は、ある度合いを過ぎて向上すると(すなわち、92GPaより高い)、コンポジットウインドブレードの鋳型が長くなる恐れがあり、これには、新しい鋳型の作製が必要となる。低い繊維化温度を維持しながら、現在のコンポジット鋳型と適合可能な、中程度の弾性率を達成することは有益であり、かつ費用効果が高いと思われる。約1,300℃未満の繊維化温度により、現在の最先端材料および技術の大部分をガラス繊維の製造に使用することが可能となり、したがって、既に確立されている製造設備との適合が可能となる。さらに、既に作製された他のガラス組成物に繊維化温度が類似していることにより、成形技術を変更する必要なしに、炉を1種のガラスの作製から別のものに切り替えるという、迅速な作戦を行うことが可能となる。エネルギー使用の観点、やはりまた白金揮発の観点から、繊維化温度が低いほど優れている。白金は、より高い温度では、より急速に揮発し、成形技術の寿命が低下する。
【0007】
ウインドタービンブレードの製造業者は、ウインドブレードを形成するために使用される鋳型を作製する際に大きな投資を行う。さらに、ウインドブレードが非常に大きくなるので、プラント全体が、特定のサイズのブレードの製造部周辺で建設される。目的は、一般に、ガラス繊維の弾性率の増大を維持して、より長いブレードの製造を可能にすることであるが、既に存在する鋳型および施設の最良の可能な使用を行うことができればやはり望ましい。これを行うため、ガラス繊維は、性能域の範囲内の特性をもたらさなければならない。ガラスの弾性率があまりに良すぎる場合、倫理的に、より高い性能を利用するために新しい鋳型を作製する必要がある。これらの繊維により、これらの同じ鋳型の製造上の欠点に対するより高い許容が可能となる。したがって、ウインドブレードのサイズを必然的に大きくすることなく、性能を最適化することが望ましい。
中程度であるが、90~92GPaの間などの高すぎない弾性率を実現しながらも、十分に低い繊維化温度を有するなどの、許容される形成特性を有する高性能ガラス組成物が当分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の概念の様々な例示的な実施形態は、ガラス組成物であって、全組成物の質量に対して、質量百分率として表すと、57.0~62.0質量%の量のSiO
2
;20.0~25.0質量%の量のAl
2
O
3
;7.0~9.0質量%の量のCaO;8.0~12.5質量%の量のMgO;0~1.0質量%の量のNa
2
O;0~0.5質量%の量のK
2
O;0.4~1.0質量%の量のLi
2
O;および0.2~1.5質量%の量のTiO
2
を含む、ガラス組成物を対象とする。質量パーセント(R1)(MgO+Al
2
O
3
)/(SiO
2
+CaO)は、少なくとも0.47であり、質量パーセント比(R3)(MgO/SiO
2
)は、少なくとも0.19である。本ガラス組成物は、1,300℃以下の繊維化温度しか有さない。
【0009】
様々な実施形態のいずれかにおいて、SiO
2
、Al
2
O
3
、MgOおよびCaOの合計量は、少なくとも98質量%、かつ99.5質量%未満とすることができる。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、57.1質量%~59質量%未満のSiO
2
を含む。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、7.9質量%~9.0質量%未満のCaOを含む。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、20質量%超~21質量%のAl
2
O
3
を含む。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、0.45質量%~0.8質量%のLi
2
Oを含む。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本ガラス組成物は、希土類元素酸化物を含まない。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、B
2
O
3
を本質的に含まない。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、0.1~0.8質量%のNa2Oを含む。
様々な実施形態のいずれかにおいて、本組成物は、0.46よりも大きな、質量パーセント比(R2)(MgO+Al2O3+Li2O)/(CaO+SiO2+Na2O+K2O)を含む。
【0010】
本発明の概念のさらに例示的な態様は、58.0~6.20質量%の量のSiO
2
;20.0~25.0質量%の量のAl
2
O
3
;7.9~12.0質量%の量のCaO;8.0~12.5質量%の量のMgO;0~1.0質量%の量のNa
2
O;0~0.5質量%の量のK
2
O;0.4~1.0質量%の量のLi
2
O;および0.2~1.5質量%の量のTiO
2
を含む、ガラス組成物を対象とする。様々な例示的な実施形態では、本組成物は、0.46より大きな質量パーセント比(R2)(MgO+Al
2
O
3
+Li
2
O)/(CaO+SiO
2
+Na
2
O+K
2
O)を含み、質量パーセント比(R3)(MgO/SiO
2
)は、少なくとも0.19である。一部の実施形態では、本ガラス組成物は、1,300℃以下の繊維化温度しか有さない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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